【まるオホ】柳瀬農園〜情熱と笑顔が育むトマト物語


オホーツクの豊かな大地が広がる北見市上ところ。
今回「まるごと、オホーツク!!」第1弾としておじゃましたのは、活気あふれる「柳瀬農園」さんです。
まだ雪と厳しい寒さが続く2月下旬、取材をさせていただきました。

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1. 開拓の魂を受け継ぐ、親子三人の絆

柳瀬農園のルーツは、遠く高知県からこの地へ入植した初代にまで遡ります。
50年以上前に稲作から始まったその歩みは、現在4代目と5代目の親子へと受け継がれ、
玉ねぎを主力にトマト、じゃがいも、トウモロコシなど多彩な作物を育てる大農園へと進化を遂げました。
驚くべきは、その広大な敷地をわずか家族3人で切り盛りしていること。
取材中も、親子ならではの「阿吽の呼吸」と、温かくアットホームな空気が流れていました。
今回お話を伺ったのは、4代目の奥様であり、農園のムードメーカーでもある恵美さん。
 「作る人も食べる人も笑顔に!」 そんなモットーを掲げる恵美さんの明るくチャーミングな人柄に触れ、
ここで育つ野菜たちが美味しい理由が、会ってすぐに分かった気がしました。



2.北見の「過酷さ」こそが、最高のご馳走を作る

柳瀬農園の野菜がこれほどまでに力強く、甘く育つのには理由があります。
それは、北見という土地特有の「日本一の厳しさ」が、最高のスパイスになっているからです。
北見市は、全国でも有数の日照時間を誇る太陽の街。
降り注ぐ強烈な日差しを浴びて、野菜たちは栄養をぎゅっと蓄えます。
しかし、そこにあるのは恵みだけではありません。
冬にはマイナス20度を下回り、夏には猛暑が襲う激しい寒暖差。
この過酷な環境に耐え抜こうと、野菜たちは自らの身を守るために糖分を蓄え、生命力を爆発させるのです。



3. 約6,000株のトマトに込める「驚き」と「情熱」

恵美さんが並々ならぬ情熱を注いでいるのが、ビニールハウス6棟に整然と並ぶ「トマト」です。
その数なんと約6,000株!
定番の「桃太郎」から、カラフルな「アイコ」、とろける食感の「プチぷよ」など、今年は8種類もの品種を手掛けています。
今年チャレンジしたのは、中玉トマトの「Mr.浅野のけっさくⅡ」。
初めて育てる品種とのことで、味はできてからのお楽しみですが、
「お客さんが『こんなの見たことない!』と驚いてくれるのが一番うれしいんです」 と笑う恵美さん。
美味しさはもちろん、常に新種へ挑戦し続ける姿勢には、農家としてのプロ根性と遊び心が同居しています。



4. マイナス20度の中での奮闘と、収穫の歓喜

華やかな収穫の裏側には、オホーツク特有の過酷な冬との闘いがあります。
トマトが私たちの食卓に届くのは5月中旬頃から。
しかし、トマトの作業が始まるのは年明け早々の1月からなんです。
北見はまだまだ大地が深い雪に閉ざされる極寒の季節です。
「大雪が降ればハウスの高さまで雪が積もります。
そんな時はかんじきを履いて、積もった雪山に登り、命がけで屋根の雪を下ろすんです」と恵美さんは語ります。
さらに、気温がマイナス20度を下回ることもある朝晩。
万が一停電が起きれば暖房が止まり、苗は一晩で全滅してしまいます。
そんな一瞬も気の抜けない「氷点下の奮闘」が、数ヶ月も続くのです。
しかし、そんな壮絶な苦労を振り返りながらも、恵美さんは
「一年を通して、収穫の時が一番楽しい!」と満面の笑みを見せます。
凍てつく寒さを乗り越え、天塩にかけて育てた結晶が真っ赤に実を結ぶ瞬間。
その「収穫の歓喜」があるからこそ、また次の1年も頑張れるのだそうです。



結びに

日照時間が長く、寒暖差の激しい北見の風土。
そして、柳瀬さん一家の惜しみない愛情。
その両方が合わさって、柳瀬農園の野菜は力強く育ちます。
私たちが普段何気なく口にしている野菜の向こう側には、こうした農家さんの覚悟と情熱が詰まっています。
柳瀬農園のトマトが店頭に並ぶのは、5月中旬から8月頃。
ひと口かじれば、きっと北見の太陽と、恵美さんの笑顔が浮かんでくるはずです。

2026年3月19日掲載

~PROFILE~
柳瀬農園
北海道北見市上ところ33-1
https://tsuku2.jp/yanasenoen


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