なぜ八百屋がスムージーレシピ集を発売したのか

― 誰も無理をせず、野菜を最後まで活かすために ―

こんにちは。
京都二条で「有機野菜と果物の八百屋 マルシェノグチ」を営んでいます。

今回は、
スムージーレシピ集を発売するに至った経緯について、
少し長くなりますが、正直な想いを書かせてください。

八百屋を続ける中で、ずっと見てきた現実

農家さんが心を込めて育てた野菜や果物。
でも、そのすべてが店頭に並ぶわけではありません。

現場には、必ずこうした現実があります。

  • 形や大きさが理由で「規格外」になる野菜

  • 飲食店に加工用として提案しても、条件が合わず使われない野菜

  • 運送中の衝撃や、届いた時点での小さな傷によって販売できなくなるもの

どれも
味も栄養も、何も問題はない。

それでも、
「売れない」「使われない」という理由だけで、
廃棄されてしまう野菜や果物がゼロになることはありません。

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新しい事業を始める時、決めていること

新しく何かを始める時、
自分の中でひとつだけ、強く決めていることがあります。

それは、

「この事業によって、誰かが無理をしたり、
誰かが悲しんだり、痛みを伴うものであってはいけない」

ということです。

儲かっていても、
誰かの犠牲の上に成り立つ事業なら続けたくない。

八百屋として、
野菜を扱う人間として、
そこだけは譲れませんでした。

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そうして生まれたのが、スムージー事業です

いくつもの課題を見てきた中で、
「これなら、みんなが笑顔になれる形が作れるかもしれない」
そう思えたのが、スムージーでした。

スムージー事業には、こんな意味があります。

① 農家さんにとって

やむを得ず廃棄するしかなかった
野菜や果物を買い取り、収益に変えることができる

② お客様にとって

手軽に取り入れられて、
美味しく、健康につながる新しい選択肢になる。

③ 子どもたちにとって

野菜が苦手でも、
スムージーなら自然に口にできる

④ お店にとって

スムージーをきっかけにお店を知ってもらい、
一つでも野菜が売れたら、それだけで嬉しい

⑤ 野菜・果物にとって

捨てられず、
誰かの体をつくる食べ物として役目を果たせる

誰も無理をしない。
誰も損をしない。
そして、野菜もきちんと活かされる。

これが、スムージーが生まれた本当の理由です。

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でも、スムージーは「続かなければ意味がない」

スムージーを始めてから、
また別の声も聞くようになりました。

  • 「家でも作りたいけど、組み合わせが分からない」

  • 「結局いつも同じ味になる」

  • 「最初は良かったけど、続かない」

スムージーは、
続いてこそ意味がある。

そこで、
現場で実際に作り、飲み、提案してきた組み合わせを
一冊にまとめようと決めました。

それが、今回発売した
スムージーレシピ集です。

▶︎ スムージーレシピ集の詳細はこちら

https://ticket.tsuku2.jp/events-detail/00965529120382

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このレシピ集で大切にしたこと

このレシピ集では、

  • 特別な材料は使わない

  • 毎日飲んでも負担にならない

  • 家庭で無理なく続けられる

ことを何よりも大切にしています。

「おしゃれ」よりも
「現実的」。

「映え」よりも
「続く」。

八百屋の現場から生まれた、
暮らしに寄り添うレシピ集です。

最後に|野菜が、ちゃんと生きる形を

「物は、これを生かす人に集まる」

野菜や果物も同じだと思っています。

捨てられるために生まれてきたものは、
ひとつもありません。

このスムージーレシピ集が、
野菜を無理なく、楽しく、最後まで活かす
小さなきっかけになれば嬉しいです。

▶︎ スムージーレシピ集を見る

https://ticket.tsuku2.jp/events-detail/00965529120382

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