#039 月経周期に合わせたヴィム・ホフ・メソッド実践法

女性のための月経周期 に沿ったヴィム・ホフ・メソッド実践プログラム

~~~ホルモン周期に応じた“ストレス量”の科学的調節の仕方~~~


ヴィム・ホフ・メソッド関連の本として 2025年4月25日に”Secrets of the icewomen”Laura&Isabelle Hof著という本が出版されました。

Netflixの"Cold Comfort"放送以来、全世界的に女性のヴィム・ホフ・メソッド実践者が増えて、現在ではWHM実践者の7割が女性という状況です。(日本と男女比が逆です。)このため参加者のみなさんから、たくさんの質問が寄せられてきました。

• アイスバスは月経周期を乱し、過剰なストレスを与える → 月経周期による
• 女性はアイスバスに入るべきではない         → 月経周期による
• コルチゾールとストレスは有害            → ストレスの程度と持続時間による 
• 寒さにさらされた後の震えは良いことである      → 震えは必ずしも必要ではない
• 寒冷やヴィム・ホフ・メソッドに関する研究は不十分である → 相関関係は十分示されたが、因果関係を示す論文はわずか

いずれも条件次第なのですが、女性の場合は、男性ほど単純化できないため、誤解の原因となっていました。


私が大学院で疼痛の研究をしていた2005年頃は、「痛みに対する反応の仕方がバラバラだからメスのラットは実験に使ってはいけない」と言われていて、オスのラットだけが実験の対象でした。

近年、ラットを用いた研究でも性周期(発情前期・発情期・発情後期・発情休止期)の4-5日合わせて、4-5グループのメスのラットで実験を行う基礎研究が増えてきました。研究の手間がラットで6倍(オス1・メス5)、ヒトで31倍になってしまったので、現役の基礎研究者の方の手間は大変ですが、女性に関する基礎的な知見はどんどん積み重なっていくことでしょう。

そんな動物実験・基礎研究の分野の進歩もあって、ヴィム・ホフ・メソッドの女性の月経周期ごとの運用の仕方がだんだんとまとまってきました。最近の知見を交えて、女性向けに月経周期に合わせてストレス量をコントロールして、快適にヴィム・ホフ・メソッドを行う方法を紹介したいと思います。

 

Zoom meetingのAI要約

女性の生理周期とホルモン変動に基づいた健康管理のアプローチについて詳しく説明し、アイスバスや呼吸法などの技術の適応と注意点を共有した。会議では、特に月経前期や排卵期の時期における適切なアプローチ、テストステロン低下の対策、そしてピルを服用している女性や妊娠中の女性への注意点について議論された。


質疑応答

Q 血漿フェリチン値が低い場合は、アイスバスはやめておいた方がいいか?

A まず対症療法として鉄分補給、診断がついていれば根治療法をしてから、寒冷暴露がベスト。短時間の冷水シャワー(アフタードロップが起こらない範囲)は制限する必要はない


Q  HRT療法(ホルモン補充療法)について

A HRTでのエストロゲンの投与量は”低用量ピル”の1/10程度 定期的な血液検査でモニタリングしながら適切な容量を投与する。天然型プロゲステロン(エフメノ・2021年11月から保険適用)を併用する場合は、エストロゲン・プロゲステロンともに少ないが黄体期のような状態になると推測される。


Q 月経期の鉄不足について

A 鉄不足で赤血球が少ない状況でも、アイスバスは低酸素による赤血球~ミトコンドリア活性アップに役立つので、やらないよりマシな状況になるであろう。


いずれも”体調・体力に合わせて適切なストレス量の調節が重要”という今回のテーマに立ち返る


概要

月経周期対応アイスバス戦略

月経周期に合わせたアイスバスや呼吸法の工夫について説明し、特に排卵期や月経前期の時期の注意点を共有した。女性の体温やホルモン状態の変化に応じた適切なアプローチ方法について議論し、公式本での採用についても言及した。

女性ホルモン周期研究

女性の生理周期とホルモンの変動について詳しく説明し、月経前期から月経中のホルモンレベル変化とその影響について議論した。Shinichiは研究の背景として、メスのラット実験の進展に伴い、ヒト・女性に対する実験が進んできたことに言及。女性アスリートの練習スケジュールについての研究成果を共有した。また月経前期の時期に冷水シャワーを避け、温水シャワーから始めて冷水を少量浴びることが適切であること、またエストロゲンの血管拡張効果による放熱を抑える、プロゲステロンの血管収縮による手足の冷えすぎを抑えるため、冬の時期には手足の防寒の必要性について説明した。

健康管理と体のサイクル説明

4つの生理周期における健康管理について説明した。排卵期~黄体期にはパワー呼吸法やアイスバスを推奨し、特に元気な時期に筋トレや活動を増やすことを勧めた。プロゲステロンが高まる時期の特徴や、基礎体温の変化についても説明した。

深呼吸法と睡眠技術

深呼吸法について説明し、アスリートが使用するブテイコ呼吸法がプロゲステロンの作用に反するため、浅い呼吸は避けるべきだと述べた。睡眠呼吸法(improve sleep)として、鼻から吸い口から吐く方法を推奨し、副交感神経優位を促進して眠りやすくなることを説明した。11月13日の木曜日で湯河原の滝でアイスバスを計画しており、自然の水を浴びることを好むと述べた。

アイスバスと山登山プログラム説明

アイスバスと雪山登山のプログラムについて説明し、参加者がストレスに強くなり、寒さへの適応が変わることを共有した。

ホルモン補充療法の対策検討会議

テストステロン低下の対策について話し合い、サプリメント補給や筋トレ、ホルモン補充療法などの選択肢を検討した。

アイスバスと滝行の経験共有

アイスバスと滝行についての経験を共有した。適切な滝行の時間について説明し、1分程度で代謝が切り替わることを体験するのが滝行の目的だと述べた。

毎週火曜日の朝に冷水シャワー浴びる会を実施しており、朝のコルチゾールによる体温上昇に加えて寒冷暴露でさらに深部体温を上昇させることで健康効果を得ると説明した。

滝観察と神社儀式の討議

11月には十分な寒冷暴露が可能であることを確認した。駐車場から滝までのアプローチの安全面の懸念について言及した。適切な作法を知りたい人には神社での専門家によるイベントが推奨された。鹿島神宮や伊勢神宮での寒禊を紹介

妊娠中の女性向け呼吸法注意

妊娠中の女性について、アイスバスなどの呼吸法の使用に関する注意点を説明した。妊娠中の低酸素状態が胎児に危険であることや、アイスバス後のアフタードロップが流産のリスクを高める可能性があることが議論された。研究が不足しているため、個人の体調に合わせて鼻呼吸主体の基本呼吸法と軽めの寒冷暴露を実践することを推奨した。

閉経後のヴィム・ホフ・メソッドの運用について、血管の収縮・拡張 Vascular fittnessなどの刺激が不要となることはなく、体力に合わせて適切なストレス量の調節が重要

一覧 #038 朝の呼吸法は目が覚めるのに、夜に呼吸法は寝落ち なぜ?