[臨書]第4章 臨書の先に広がる世界 ― 自分の書を生きる

古典を学ぶ臨書の時間は、書道の基礎を築く大切な学びです。
しかし、臨書は“終わり”ではなく、“始まり”。
古人の筆に導かれながら、やがて自分自身の線を生きるようになります。

今回は、臨書の先にある「創作」や「自分の書」についてお話しします。

臨書の先に広がる世界

■ 臨書は「型」を学び、「型」を超える道

書の修行は、「型を学び、型を破り、型に還る」と言われます。
臨書はその最初の一歩、「型を学ぶ」段階にあたります。
筆の扱い、線の呼吸、余白の構成――すべては古典に学びます。

けれど、学びが深まるほど、次第に「自分の線で書きたい」という思いが生まれます。
それは、臨書から創作へと移る自然な流れです。

古典の筆意を理解したうえで、自分の感性を重ねて書く。
それが、“型を超えて自分の書を生きる”ということなのです。

■ 古典に立ち返るほど、自由になれる

不思議なことに、古典を深く学ぶほど、書は自由になっていきます。
それは、基礎の上にこそ真の表現が立つからです。

たとえば音楽家がスケール練習を重ねるように、
書家も臨書を通して「線の言葉」を身につけます。
その言葉を自在に操れるようになったとき、
書はもはや「文字を書く」ことを超え、「心を表す芸術」になります。

古典を敬いながらも、そこに自分の感性をのせる。
それが“臨書の次の扉”を開く鍵です。

■ 自分の線を生きる ― 書が語る個性

臨書を重ねた筆には、確かな基礎と、滲み出る個性が宿ります。
たとえ同じ文字を書いても、その線は他の誰とも違う。
それこそが「自分の書」を生きるということです。

大切なのは、「上手に書く」ことではなく、
「心のままに書く」「今の自分を映す」こと。
その筆の跡に、日々の心の揺れや想いが宿り、
世界に一つしかない“あなたの書”が生まれます。

■ 書がつなぐ、学びと出会い

現代では、オンラインを通じて古典を学んだり、
全国の書友と作品を見せ合ったりする機会も増えています。

臨書は一人で黙々と行う学びでありながら、
不思議と人と人を結びます。
古典を通じて過去とつながり、今を生きる人と響き合い、
その線は未来へとつながっていく。

書を学ぶとは、時間を超えて心を結ぶことなのです。

■ まとめ ― 書は、生き方そのもの

臨書で学んだ線と心は、作品を超えて、
日々の生き方や言葉の選び方にまで影響を与えます。
一字一字を大切に書くように、一日一日を丁寧に生きる。
その姿勢こそ、書の本質であり、臨書の教えの延長にあるものです。

古典を通して学び、自分の書を生きる。
それは、書家としてだけでなく、人としての成長の道でもあります。

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「古典を学びながら自分の表現を見つけたい」「作品づくりにも挑戦してみたい」という方におすすめです。

一人ひとりのペースに合わせて、臨書・構成・創作の指導を丁寧に行っています。
古典に学び、自分の書を生きる――その一歩を、ぜひご一緒に。

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✨ シリーズ完結によせて

4回にわたる「臨書シリーズ」を通して、
古典に学び、技を磨き、心を整え、そして自分の書を生きる道をご紹介しました。

臨書は、終わりのない学びであり、心を育てる旅です。
これからも筆とともに、自分の中の“静かな線”を大切に歩んでいきましょう。


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