【書のことば】「守破離」第2章──楷書・行書・草書に宿る流れ

書の世界では、技の流れそのものが「守破離」を体現しています。


楷書、行書、草書──

この三つの書体は、形の変化を超えて、心の自由の広がりを表しています。


 「守」──楷書に学ぶ、形と心の整え


楷書は“守”の書体。

点画の一つひとつが明確で、整然としています。


筆を立て、呼吸を整え、

一画一画に心を込めて書く。


この緊張感の中に、

「書とは何か」「心を整えるとは何か」が凝縮されています。


楷書を丁寧に書く時間は、

まるで座禅のよう。

心が乱れれば線が乱れ、

静まれば筆もまた静かに走ります。


 「破」──行書に宿る、流れと呼吸


楷書で形を学んだ後、

書は次の段階へと進みます。


行書──それは“破”の書体。

筆を動かす呼吸が変わり、

線の間に“間(ま)”が生まれます。


文字同士がつながり、流れ、響き合う。

まるで会話のように、

筆が自分の心と語りはじめます。


ここでは、「整える」から「感じる」へ。

書が、少しずつ生き物のように動き出すのです。


 「離」──草書が導く、心の自由


草書は、“離”の象徴。

筆の動きが最も速く、

線はまるで風や水のように流れます。


その筆致は、感情や気配そのもの。

意識的に整えることを手放し、

心のままに筆を委ねる境地です。


ここでは、書く人と書がひとつになります。

「書こう」とする意図さえ消え、

ただ心の動きが墨となって紙に映る。


草書は、技の終着点でありながら、

心の出発点でもあるのです。


🕊 次回予告

✒️第三章 🌸書の道の集大成「名前書き」─守破離が融合するとき

第三章では、

この“心と技の守破離”がひとつに結ばれる瞬間──

「名前書き」という行為の中に息づく意味を見つめます。
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