【書のことば】「守破離」第1章──心を映す三つの段階

書の道における「守破離」とは?──心を映す三つの段階

書道の修行において「守破離(しゅはり)」という言葉は、単に技を磨くための段階を示すものではありません。

それは、心の成熟を映す鏡でもあります。


 「守」──形に心を込めて学ぶ

初めは、先生や古典の書をそのまま写し取る段階です。

筆の持ち方、運び方、線の強弱。

一つひとつの形の中に、先人の息遣いを感じながら、「なぜこの線なのか」を体で覚えていきます。


この時期に大切なのは、

“自分らしさ”を出そうとしないこと

形を守る中で、自然と“心が整っていく”からです。


「守る」という行為は、制限ではなく調和への道。

素直に学ぶ心が、最初の書を支えます。


 「破」──型を破り、自分の感性を見つける

やがて、基礎を積み重ねた中から、「もっと自由に書いてみたい」という想いが芽生えます。


ここが“破”の段階です。


筆圧や速度、文字のリズムに変化をつけ、

自分なりの呼吸を探りながら、書の中に“心の動き”を映します。


けれどもこの自由は、勝手気ままな筆ではなく、

“守”を通して得た確かな基礎の上に成り立つもの。

だからこそ、線の一つひとつに確信と響きが生まれます。


 「離」──心と技がひとつになる


多くを学び、数え切れないほど書いてきた先に、

ある瞬間が訪れます。


筆が勝手に動くような、

意識が筆に委ねられるような、

そんな静かな感覚。


それが“離”の境地です。


技術と心が溶け合い、

「書こう」とする意識を超えたところで、

本来の自分と出会う──。


書は、まさに心の道。

この守破離の流れは、書を通じた人としての成長の物語でもあります。


🕊 次回予告


✒️第二章 ☘️書の型に宿る「守破離」──楷書・行書・草


次の第二章では、

この“心の守破離”が、実際の書体(楷書・行書・草書)にどのように現れているのかを紐解きます。



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