2025.10.02
腰が伸びない腰痛(ストレート腰椎)
腰痛の方のほとんどが「腰を反らす」動作が苦手です。「あ、私も」という方は多いのではないでしょうか。ではその理由はご存知ですか。理解すると、腰痛の予防や悪化を防ぐことが可能です。
<腰を伸ばすのが苦手になるメカニズム>
実は腰の動きは4つあります。「前に屈む(屈曲)」「後ろに反らす(伸展)」「左右にねじる(回旋)」「左右に倒す(側屈)」ですが、腰痛の方の80%以上が「反らす」が苦手になります。前屈で腰痛がある方はぎっくり腰の心配されている方が多いです。
腰椎は前弯しています。少し前側にカーブ(反った状態)しているのが正しい形。ところが日常生活では屈む動作や背中を丸くする姿勢がどうしても多くなりますよね。デスクワーク、靴を履く、拾う、椅子やソファーに座るなど。
腰を丸くしている方が筋肉を使わずに楽ですが、楽な姿勢は痛みにつながりやすいのです。
腰を丸くすると腰椎は後弯します。腰椎を支える筋肉は常に引き伸ばされ緊張を強いられるため、疲労し硬く緊張し柔軟性がなくなります。この時点で腰椎は「前弯」から「ストレート」「後弯」になる方もいます。結果、張っている腰の筋肉に力を入れて無理に反らす動きは痛いと感じ、丸くしている方が楽になります。
腰が疲れた→腰を丸くする→腰が疲れやすい→丸くすると楽→結果的に痛みにつながる
腰椎が「ストレート」や「後弯」になっても、腰椎が変形したわけではありません。硬くなった筋肉に引っ張られそのその状態で固まっているだけの方がほとんどです。歪みの一種ですね。
腰を伸ばそう(反らす)としたり、座った状態、屈んだ状態から立ち上がるときに、腰が固まって伸びにくくなるのはそのためです。この状態を長年放っておくと加齢により腰椎や椎間板の変形に発展しやすくなるので注意です。
<変形=腰痛?>
腰痛でレントゲン撮ると「骨や椎間板が変形しています。老化なので腰痛は良くならない」と言われることがあります。これは、何年前からの変形かは不明という盲点があります。そのため、今の腰痛とレントゲン結果を100%結びつけてしまうのは少々強引とも言えます。「老化」も便利な言葉ですよね。
現にこういう方が「リハビリ通ったが、全然良くならなくて」と毎年必ずお見えになります。どなたも施術後、腰がとても楽になるので「え?なんで?」とビックリされ喜ばれます。ですので、変形は変形という事実があっても、それと腰痛は必ずしも結びつかないことは確かです。あくまでも個人的な見解ですが。

当院では、こういった腰痛の方にとても喜ばれています。
当院では腰椎を支える筋肉を徹底的に緩めます。特に腰椎を一番近くで支えている脊柱起立筋、多裂筋、棘筋を丁寧に深部から緩め、かつ背骨全体の可動域も考慮し関連筋を緩めます。
<施術効果>
当院をご利用されているE様(70代男性)は、ご高齢のため腰が少し丸くなっています。これは腰椎の加齢による変化と筋力の低下によるところもあります。
ただ施術後「先生のところ来ると腰が不思議と伸びるんだよなー」と毎回腰がシャキン!とするのでとても喜んでくださいます。腰が丸いままですと、腰痛が悪化し日々の行動量が減り、下半身の衰えが加速するのをE様はご存知なのでメンテナンスを希望されているのです。
E様に限らず、皆さま例外なく反らす動きが楽になります。「治った」のではなく「元に戻った」が正しいのですが、<腰椎の前弯、腰椎の可動域、腰椎支える筋肉の柔軟性>が元に戻れば、腰が楽に伸びやすく改善するのはごく当たり前のことです。
うつ伏せですぐに「楽になった」と分かる方。施術後、腰かけて「腰すごい楽」と気づく方。立ったときに画像のようにご自身で反らして「おーすごい伸びる!」と喜ばれる方。ですが、腰痛はないけど疲れが溜まっている方は、可動域の変化には気づきにくいものです。そういう方には、あえて腰を反らす動作をしていただきます。すると「え!すごいなんで」とびっくりされることが多いです。
どなたも腰が伸びないことは”自分の個性”のように当たり前だったのが、50分後にガラッと変わるので驚かれるのですね。これは前屈でも同じですし、背中も首も同じです。当院は筋肉を深部から緩めほぐす際、背骨の可動域まで意識しながら施術するので、施術後にビフォーアフターをすぐに体感いただけるのです。
ちなみにこういう伸展苦手の腰痛持ちの方は、以下のことを意識されてみてくださいね。ご参考まで。
・ぎっくり腰予防として、屈むときよりも戻すときをより気をつける
・屈むときは必ず膝も一緒に曲げる
・うつぶせで本やスマホを見ない
・デスクワークや車の運転は腰に薄いクッションを置く