2024.11.19
Wim Hof Methodの禁忌について
インストラクターに認定される前(2020年3月のAdvance module終了後)に、宿題として、最終試験(Master module)の前に、オンラインビデオコースのFundamentalsを既に購入している方10人に対し、パーソナルトレーニングをしていました。
つまり「ファンダメンタルズ・ビデオコース」を見ながらやってみたけど、ちゃんと出来ているか心配だから、確認してくださいという方が、人づてに紹介されてきました。
ファンダメンタルズの講座の中でも、禁忌については解説されていますが、事前にオンラインで、禁忌に該当していない事を確認するアンケートを送って頂き、当日も誓約書・免責確認書を書いて頂いたり、二重三重に確認していますが、それでも、実際に会って聞いてみると、「寒いところに行くと指先が真っ白になります」など、レイノー症状があって禁忌という事もありました。
事故の報告が多いのはワークショップではなくて、ワークショップの参加者が友達に紹介して、転倒・パニック障害発作・浅水失神などを起こすことです。
2024年10月まででワークショップの参加者は500人を越えましたが、ワークショップ中の意識消失による転倒は0であるのに対し、参加者から友達に教えたら椅子から転げ落ちたという話は20人以上(年に4-5人)から聞いています。
効果があったから、友だちにも教えたいという気持ちはよく分かります。その場合、禁忌に該当しないか一緒に確認してあげてください。
禁忌(ヴィム・ホフ・メソッド公式より)
てんかん、レイノー症候群、妊娠中
以下の疾患の既往がある場合は内科医・精神科医に相談して許可を頂いてください。
- 心臓疾患 狭心症 大動脈解離など
- 脳動脈瘤
- 高血圧 服薬中
- 慢性腎臓病 G2~G5
- 偏頭痛
- 喘息
- 寒冷蕁麻疹
- 手術後6か月以内
- 出産直後:特に2週間以内では可逆性脳血管攣縮症候群(RCVS)のリスクが高まります。
- 金属インプラントの使用:寒冷暴露により、その部位の痛みが数週間続いた例が報告されています。
- 眼圧が症状を悪化させる可能性のある疾患(緑内障、眼瞼下垂症など)
- パニック障害:呼吸法および/または氷浴中に、突然パニック障害が起こることがあります。
日本国内にお住まいの方の場合、公的な健康保険の範囲内では、そもそも検査が困難なことが多いようです。
何らかの既往症のある方は、自費診療のクリニック等で、検査・診断の上、内科医・精神科医の許可を頂く事を強くお勧めします。
60代男性で、トレッドミルでの呼吸器&心臓機能の評価や、脳動静脈瘤の有無などを確認して頂いた参加者がいました。自費診療なので費用は高額だったそうですが、ここまでキッチリやると、安心してトレーニングが出来ます。
50代女性 特に既往歴もなく毎日犬の散歩を30分しているという健康そうな方です。アイスバス後から頭痛と手のしびれを訴えました。可逆性脳血管攣縮症候群ではないかと思っていましたが、3週間後も症状が続いていたので脳神経外科を受診したところ、MRアンギオで”もやもや病(ウィリス動脈輪閉鎖症)”が見つかりました。「通常年単位の慢性の経過をたどる病気なので、アイスバスはきっかけになったかもしれないが、気づかず放置してもいつかは発症しただろう。」「事前にMRアンギオをやっていないので自然経過なのかアイスバスが誘因になったのか分からない」という見解でした。
滝行などで頭を直接冷やすと中大脳動脈が攣縮して、もやもや病発症のきっかけなりかねないので、基礎ワークショップでは頭を冷やさないようにニット帽を被ってもらっています。(私のワークショップでは小柄な人には被らせています)
なお
・ヴィム・ホフ・メソッドに対する反応は個人差があります。ある人に効果があったとしても、他の人に効果があるとは限りません。
・ヴィム・ホフ・メソッドの呼吸法や寒冷暴露のようなストレスを付加してはじめて顕在化するような病態・症状もあります。潜在的なリスクについては自費でトレッドミル・MRアンギオ・ABIなどをトコトン調べるとリスクは半減しますが、ゼロにはなりません。ビデオコースにしろ、ワークショップ参加にしろ最終的には自己責任で試してみる以外にありません。潜在的にでも健康状態に問題のある方にはおすすめしていません。
・また、うつ・各種膠原病・各種がんなどの悪性疾患に対する有効性は医学的には証明されていません。