三重県紀北町を拠点に活動するNPO法人　笑福（ふく）は、引きこもりや障がい、生活困窮など、生きづらさを抱える方々が地域で孤立せず、安心して社会参加できる居場所づくりを目指しています。私たちは、農業、林業、水産業と福祉を結びつけた「農福連携」「林福連携」「水福連携」の活動を通じて、地域資源を活用しながら多様な活動を展開しています。
　農福連携では、農作業を通して参加者が自然と触れ合いながら社会参加の第一歩を踏み出せる環境を提供しています。具体的には、地域の小学校と協力して田植え体験や餅つきイベントを実施するなど、地域とのつながりを深めながらお米を生産したり、ハウス栽培で育てた甘いイチゴや、認知症予防や老化防止に効果が期待される「ツボクサ」の栽培にも取り組んでいます。
　林福連携では、紀北町の豊かな林業資源を活かし、ヒノキの葉を圧縮・蒸留して作るヒノキオイルや、そのオイルを使ったヒノキの香りを楽しめる手作りの石鹸などを製造・販売しています。これらの活動は、地域の自然や産業によりそいながら、参加者がものづくりの喜びを感じられる場を提供しています。
　さらに、水福連携では、牡蠣養殖に使用されるロープの再利用を目的とした「釘抜き作業」を行っています。この作業は自宅で行えるため、外出が難しい方でも社会参加の機会を得ることができます。こうした段階的な支援を通じて、参加者が自信を持ち、次のステップへ進むことをサポートしています。