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【土遊野循環記】第7回「循環する時間」

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\シリーズ「土遊野循環記」/

有機米の栽培と平飼い養鶏を主軸に、 循環型農業を行っていますが、今年は、この循環について詳しくお伝えしていきたいなと思っています。 農業に興味がある方、いつかやってみたいと思う方にはどんどん参考にしてもらえたら嬉しいです。

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第7回「循環する時間」

前回は「ヤギさんと生きる。」というお話をしました。
今回は「循環する時間」について、お話したいと思います。
 農業を始めて3年目くらいに、気がついたことがあります。
それは私達は"まぁるい時間の流れの中で生きている”ということでした。
春が来て種をまき、緑深まる夏、実りの秋、雪に覆われる冬があり、そしてまた必ず春が訪れる。
また、私達は種をまきます。

人間の人生とは、生まれて命遂げるまでの歳を重ねる。
いわば直線のような時間軸がイメージしやすいと思います。

私の農家としての人生は「木の年輪」のようなイメージです。
毎年同じことをやっているように見える農業かもしれませんが、一年ずつ、経験を重ね少しずつ幹が太くなっていく。
一気に太くなれないところも、農業の特徴かもしれません。
私達は四季という季節とお天道様の恵みをいただき生きているので。

そして、その地に根付いてようやく経験になるという特徴もあります。
たくさんのノウハウがあっても、富山でのやり方が北海道や九州ですぐに通用するとは限らない、もっと言えば、富山県内でさえ土質の違う別の田んぼでは同じノウハウが通用するとは限らないくらいです。

どうして自分がここで農業をしたいのか。
どこで、誰と、どんな農業をしていきたいだろう。
この気持ちの支えはとても大きいです。



(2010年 初めての稲刈り)

この地に、根を張ると決めてよいだろうが、、、大学時代、富山に就農することをすごく迷いました。
就農したら動けなくなっちゃうんじゃないか。
山奥に籠もってしまって、世界が狭まってしまうのではないかと。
タイの農村やフランス、日本の農業現場にもいろいろ行き、本も読みました。
知識やノウハウを持っても、私はまだ農家ではありませんでした。
まだ「農業に興味のある人」でした。

富山の土遊野のある里山に、根を張ってみる、ここから始めてみよう!と決めて、ようやくここでの農業の1年目2年目3年目が始まり、私の経験値が蓄積され始めました。

毎年挑戦や反省の繰り返しで、それでも少しずつ幹が太くなり、その分枝を多く伸ばして、その先につける蕾が花開くことも増えてきました。
      
(2013年 稲架干し)

里山でまぁるい時間を過ごしていくと、同じ場所でも見えるものがだんだん増えてきます。
1年目はとにかく作業に追われ、体力限界で、管理している田畑しか見えていませんでした。
でも、2年目には道端の野草や竹林や、生き物たちにも目がいったりします。
飛んでいる虫、森の音、土の中のこと、、、どんどん見えてくるものが増えてきます。 

自分がこの地で、里山と巡る時間の中で、どんな人生を送りたいのか。
ここには、一切の文字や言葉での情報がないので、感性や思考を研ぎ澄ます時間を過ごすことができます。
自分の心が、わくわくドキドキすることに向かって!





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