土遊野“Doyuuno organic farm in SATOYAMA”-有畜複合循環型農業と里山体験-

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【土遊野循環記】第2回「田んぼの始まりは森の用水と先代の想い」

~ 二十四節気の啓蟄(けいちつ)の3月 ~

土中で冬ごもりをしていた生き物たちが目覚める頃とされています。
農業を始めてから、この暦と共に生きる時間がふえている気がします。
富山の米農家の冬は農閑期、身体も心も少し休める頃としていて、この啓蟄と共に、春に向けて目覚めるぞ!と、身体も心も起こします。
今年も棚田一山分、じいちゃんから引き継ぎました。

作付け計画、自家産肥料づくり、そして種まきの準備、いよいよスタートです。
皆さんにとっても新しいスタート、挑戦の季節かと思います!
春が巡ってきてくれることへの感謝と、すばらしい出会いの春を願っています。



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\シリーズ「土遊野循環記」/

有機米の栽培と平飼い養鶏を主軸に、 循環型農業を行っていますが、今年は、この循環について詳しくお伝えしていきたいなと思っています。 農業に興味がある方、いつかやってみたいと思う方にはどんどん参考にしてもらえたら嬉しいです。

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第二回
田んぼの始まりは森の用水と先代の想い

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前回は、「循環の始まりは森の神様」というお話をしました。

物事の「循環」を考える時、まず第一にこの循環はどこからスタートするのかということを考えます。その輪の中にある一つ一つの存在意義はなんだろうと。簡単にいうと、どうしてこれが存在しているのか、です。


今回は、土遊野の引き継いでいる田んぼの始まりについてです。

土遊野の発酵の始まりは、森の落ち葉の下に生きる菌たち。この子たちの力を借りてエサをつくり土を育てています。落ち葉を拾いに、森へ入るのですが、もちろん勝手にそこいらの森に入っているわけではありません。
土遊野の棚田は、全長10㎞の森の用水に支えられています。
この用水沿いや用水の中に、たくさんの落ち葉が積もっているのです。


杉や広葉樹に囲まれ、車が通ることはできない用水が10㎞続いているのです。間には5つの長い隧道(トンネル)があります。まるでラピュタの坑道のよう。
私が最初にこの用水を歩いて抱いた感想は、

「どうやって、この用水を作ったのだろう。車も大きな重機も入りそうにないこの森に、どうしてこんなに長い用水を作ろうと思ったのだろう。大変だったろうに…。」でした。


用水を一緒に管理する集落の方々の話を聞きながらずっと考えていました。どんな思いで、この棚田を拓き用水を作ったのだろうと。

「生きるために。
この先もこの棚田でお米作りをして生きるためには、あの10㎞離れた大きな河川から安定した水を引いてくる必要がある」

そう考え、森に隧道を通して用水を完成させた先代たちがいます。

自分たちの代だけではなく、次世代には必ず必要だろうと、想いを馳せてくれたのです。

もしかしたら、棚田は今や、平地の広い田んぼに比べれば、条件不利地かもしれません。


でも、尺度を変えてみれば、こんなに恵まれた土地はありません。
苦土の多い粘土質な土質、寒暖差、森の養分を豊富に含む水、どれも平地の田んぼでは得難いギフトばかりです。


この棚田の存在意義をおもい、棚田と用水を囲む森との循環を描く。
土遊野の循環の大きさはこうして拡がっていっています。



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