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医食同源!日本食のチカラ 〜味噌編②〜【東洋医学の智恵袋 vol.64】

こんにちは!
十条銀座「誠真堂鍼灸院」院長の東です。

前回からのテーマである味噌。

日本人にとって欠かせない
調味料ですよね。

米味噌・麦味噌・豆味噌など種類も豊富で
その土地独自の様々な味噌があります。

昔は、自分の家で味噌を作るのが
当たり前だったそうで、
各家に自慢の味噌がありました。

自画自賛という意味で使われる
「手前味噌」という言葉は
そこから生まれたのです。

自家製の味噌を
お互いに自慢し合ったことから
できた言葉なのですね。

昔、男性が呟いた
「おふくろの味噌汁が飲みたい」
なんていうセリフは、
「おふくろが作った
自家製の味噌で作られた
味噌汁を飲みたい」
という意味も込められて
いたのかもしれません。

それこそが、まさに
「おふくろの味」なのでしょう。

おふくろにしか出せない味の味噌汁が
昔は、各家庭にあったのですね。


◆醤油と味噌

日本は、高温多湿という気候条件により
発酵食品がとても多く
「発酵食品の王国」と呼ばれています。

以前、このメルマガで紹介した甘酒や
納豆、お酢も、さらに鰹節なども
日本発の発酵食品です。

そして、その中でも代表的なものが
醤油と味噌でしょう。

どちらも原料は大豆です。

前回お話しましたが
701年に制定された「大宝律令」に記載のある
「未醤(みしょう)」が
味噌の前身であるとされています。

当時は、宮内省の
大膳職(おおかしわでのつかさ)に
醤院(ひしおつかさ)という部署があり、
大豆を原料とする未醤が
造られていたようです。

そして、この「未醤」の文字を見ると
「未だ醤(ひしお)にならない物」という
意味として捉えられますよね。

そのとおり、
ご存じの方も多いと思いますが、
醤油は味噌をさらに発酵させたものです。

要するに、味噌は
大豆が発酵していない煮豆と
発酵が進んだ醤油の中間に位置する
ということです。

だから、「未醤」と
呼ばれていたと考えられます。

以前、「日本茶編⑥」でお話しした
「不発酵茶の緑茶」と「発酵茶の紅茶」の
中間に位置する「半発酵茶の烏龍茶」
のようなものですね。


◆味噌だけに含まれる栄養素

この、ある意味「発酵が中途半端」
とも言える味噌。

しかし、この中途半端さが
私たちにとって大切な栄養素を
生み出してくれています。

それが、「ペプチド」と呼ばれる
栄養素です。

一般的に、発酵は
原料となる食品の保存性を向上させ
旨みを与える働きがあります。

そして、発酵食品が人間の健康に
大きく寄与する機能性が
近年の研究で認められているのです。

しかし、大切なのは
発酵させる「度合」です。

味噌の原料である大豆の場合には、
大豆に含まれるタンパク質が
分解(発酵)される過程で
アミノ酸が結合し
「ペプチド」という栄養素ができます。

ペプチドは、タンパク質が
アミノ酸まで分解される過程でできる
「いくつかのアミノ酸が結合した状態」
の物質です。

そのため、体内に素早く吸収されます。

このペプチドには、
血圧・コレステロールの
上昇を抑える働き、
抗がん作用があると言われています。

つまり、
味噌の持つさまざまな健康効果に、
このペプチドが
大きく関わっているのです。

一方、発酵が進んで
アミノ酸になってしまった醬油には
これは含まれていません。

絶妙な発酵度合いが生み出す栄養素、
ペプチド。

先人は、どうやって
発見したのでしょうね。

その智慧の深さに
いつも驚かされます。

その3に続きます。

誠真堂鍼灸院
東 洋史

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