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医食同源!日本食のチカラ 〜味噌編①〜【東洋医学の智恵袋 vol.63】

こんにちは!
十条銀座「誠真堂鍼灸院」院長の東です。

今回からのテーマは「味噌」です。

やはり、私たちの食卓には
欠かせない日本食の代表格ですね。

味噌は、味噌汁をはじめとして
様々な料理に使われています。

大豆や麹、塩などを
発酵させて作られる
私たち日本人の暮らしに
不可欠な調味料です。

必須アミノ酸を豊富に含み
栄養満点なうえ、
食品を保存したり
肉や魚を柔らかくする効果もあり、
古くから私たち日本人の暮らしに
深く関わってきました。

そんな味噌のあれこれを
これからお話ししていこうと思います。


◆味噌の歴史

味噌の起源は、幾つかの説があります。

①古代中国起源説

味噌は古代中国で誕生し、
その後日本に伝えられたという説です。

紀元前700年頃の
儒教の経典である「周礼(しゅらい)」に、
味噌の起源と言われている
「醤(ひしお)」の文字が記されています。

この醤は、獣肉や魚肉をたたき潰して、
雑穀の麹と塩・酒を混ぜて壷に漬け込み
熟成させたものと言われています。

現代のソースや醤油のような
使い方をしていたようです。

そして、その醤が日本に伝来したのは
遣唐使が派遣された飛鳥時代の
7世紀頃だと言われています。

日本で「醤」の文字が
初めてみられるのは
平安時代の西暦701年に
制定された「大宝律令」です。

そこには、中国の文献にはない
「未醤(みしょう)」という
文字が記されています。

これは、日本人が醤に工夫を重ねて
作り上げた独自の調味料で、
「味噌の前身ではないか」と
考えられています。

「未醤」と「味噌」は
音が似ていますよね。

つまり、「みしょう」 が
「みしょ」 ⇒ 「みそ」と
変化していったということです。


②韓国起源説

一方、味噌の誕生は、
大豆原産国の韓国だ
という説もあります。

1979年に書かれた
朝鮮の食文化についての書物
「朝鮮食物誌」には、
「大豆を原料とした味噌や
醤油の原型は朝鮮半島から来た」
と記されています。

大豆の原産地は朝鮮半島であり、
民族の知恵により味噌を誕生させた、
ということです。

また、韓国の研究士の発表では
「平壌市のナムギョンとピョデで
発掘された遺跡に大豆がある。
これは紀元前3000年中盤の
古代朝鮮の時期に認定できる」
と説明されています。

この時代には、
すでに高度な農耕技術があり、
大豆以外の五穀も
発掘されています。

豆に関することわざや成句が
100種類以上あることから、
大豆が朝鮮民族の食を
支えてきた食材だというのです。

そのほか、「朝鮮料理講座」によると、
韓国の味噌汁は約1500年以上も前から
平壌中部地方を中心に
食べられているそうです。


③日本起源説

最後は、味噌は日本で誕生したものだ
という説です。

実は、縄文人の生活跡から、
どんぐりを原料とした
「縄文味噌」と呼ばれる食品が
あったことが分かっているのを
ご存じでしょうか。

さらに、
縄文時代後期から弥生時代にかけ、
穀物を塩蔵していた形跡も
発見されています。

日本の国土は高温多湿ですから、
独自の発酵食品が誕生しても
何ら不思議ではありません。

前述の「周礼」が編纂された
周の時代は
紀元前1046年から紀元前256年
までです。

そして、朝鮮で発掘された遺跡は
紀元前3000年中盤のもの。

これに対し、縄文時代は
紀元前13100年~紀元前10000年頃です。

「縄文味噌」が「世界初の味噌」だ
という説も否定できませんね。

そして、日本における味噌の発展は、
遣唐使により伝わった「醤」を基に
縄文味噌を日本独自の味噌に
変えていったのではないかとも
考えられています。


現在、中国起源説が
最も有力な説となっています

しかし、私たち日本人は、
日本起源説を信じたいところですね。

その2に続きます。

誠真堂鍼灸院
東 洋史

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