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医食同源!日本食のチカラ 〜小豆編③〜【東洋医学の智恵袋 vol.57】

こんにちは!
十条銀座「誠真堂鍼灸院」院長の東です。

小豆は、「マメ亜科」の中の
「ササゲ属」に属します。

ササゲ属の仲間には、他にも
ささげ・大納言・緑豆などがあります。

その中の「ささげ」は、
小豆に比べると少し黒っぽく、
小豆に良く似た見た目です。

小豆は煮ると割れることがありますが、
ささげは割れにくく、
食感もしっかりとしています。

そして、
関東地方では、赤飯に小豆ではなく
ささげを入れる場合がありますが、
これは江戸時代からの名残のようです。

つまり、皮の割れた小豆は
切腹をイメージするため、
割れにくいささげを
使うようになったとのこと。

切腹は、武士にとっては
「名誉ある死」ではありましたが
生きているに越したことは
ないですからね。

割れた小豆を見て
切腹をイメージしてしまうような時代に
生まれなくて良かったな、
と、つくづく思ってしまう
あんこ好きの僕でした。


◆東洋医学的な小豆の効能

大豆や小豆の豆類は、
穀類に分類されます。

穀類とは、イネ科の植物で
その種子を食用とするものの総称です。

中国医学のバイブルとされる
「黄帝内経(こうていだいけい)」には
「豆」が「五穀」のひとつとして挙げられ、
「五穀は五臓を養う」との記載があります。

つまり、食用として食べると
臓器を補う作用があるということです。

そして、中国では小豆は
「赤小豆(せきしょうず)」という
漢方薬としても
古代から重宝されてきました。

漢方薬としての赤小豆は
中国最古の薬物書とされる
「神農本草経(しんのうほんぞうきょう)」で
養生(体力を補う・身体を丈夫にする)を
目的にした薬である「中品(ちゅうほん)」に
分類されています。

その作用は、
「利尿することで身体のむくみを取り、
悪性の腫れ物や血流の悪化による膿血を
改善する」との記載があります。

特に、赤小豆を内服する場合は、
体内の水分が循環せず
古い水分が留まり続ける
いわゆる「水分代謝障害」に効果的です。

南宋の時代(西暦1127~1279年)の薬物書
「済生方」には、「赤小豆湯」という処方が
水腫を治す薬剤として記載されています。

また、粉末にして外用薬として用いれば、
耳下腺炎や乳腺炎、丹毒(皮膚の細菌感染症)
などに効果があります。

さらに、中国医学では、赤い薬物は
血に関する病に作用するとされています。

そのため、
産前産後の疾患や乳汁不足など
婦人科の病にも用いられることが多いのも
赤小豆の特徴です。

簡単にまとめると、
赤小豆は水分と血の流れを改善し
身体に溜まった毒素を排出する力が強い、
ということですね。

身近な小豆ですが、
実は優秀な漢方薬だったのです。


◆和菓子と洋菓子の違い

和菓子は、
穀類・砂糖・デンプン・
水などを主な原料としています。

植物性の原料が多く使用され、
比較的低カロリーなお菓子です。

これに対して、洋菓子は、
水の代わりに生クリームやバター・
牛乳などを使用し、
そこに卵・砂糖・小麦粉・チーズなど
動物性の原料を加えます。

そのため、脂質が多く高カロリーです。

たとえば、カロリーを比較すると
大福100gは約240kcalですが、
ショートケーキは100g約350kcal
にもなります。

皆さんも、明日からスイーツは
あんこにしてみませんか?

その4に続きます。


誠真堂鍼灸院
東 洋史

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