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医食同源!日本食のチカラ 〜日本茶編6〜【東洋医学の智恵袋 vol.51】
こんにちは!
十条銀座「誠真堂鍼灸院」院長の東です。
前回は「五味」の観点から
日本茶のお話をしました。
日本茶の「苦味」は、心臓を補い
精神をリラックスさせる効果があります。
あの「ほどよい苦み」が
私達日本人をホッとさせること
少なくないですよね。
30年ほど前、僕が社員研修で
1週間アメリカに行ったときのことです。
毎日、でっかい肉だのハンバーグだの
しょっぱ過ぎるフライドポテトだの
脂っこい食事に嫌気が差してきたとき
持っていったティーバッグの日本茶を飲んで、
本当にホッとした経験があります。
「日本って、やっぱいいな(*^_^*)」
そんなふうに感じたことを
今でも覚えています。
◆寒熱の性質を決める発酵度
そして、今回は
「寒熱」の観点からのお話です。
要するに、お茶の
「身体を温めるのか、冷やすのか」
という性質のことですね。
基本的に、お茶の持つ寒熱の性質は
茶葉の発酵度によって変わります。
茶葉は、お茶を作るときの工程で
必ず加熱処理を行います。
生葉に含まれる酵素の働きを
止めるためです。
そして、この加熱処理を
どの段階で行うかによって
香りや味、色、さらに寒熱の性質も
変化します。
では、発酵度によって変わる
お茶の性質を一つずつ見ていきましょう。
①不発酵茶
生葉をすぐに加熱して
酵素の働きを止めたお茶を指します。
そのため、発酵はしていません。
発酵度が低いと、生葉の鮮やかな緑色が残り、
香りも味わいもフレッシュになります。
これに該当するのが、緑茶です。
そして、発酵されていないと
身体を冷やす「寒涼」の性質になります。
熱い緑茶を飲んでも
その性質が「寒涼」であることに
変わりはありません。
ですから、暑い夏に熱い緑茶を飲んでも
身体の熱はキチンと和らげられるのです。
そして、カテキンは発酵とともに
酸化してしまう性質を持っているのですが、
不発酵茶は発酵させていないため
カテキンが多く含まれているのも特徴です。
②発酵茶
酵素を十分に働かせてから加熱するため
発酵度が高いお茶です。
茶葉を摘んだ後、葉を広げて一晩ほど乾かし
機械や手で揉んでいき、その後加熱します。
この過程でカテキンが酸化するため
茶葉は褐色に変化し、
味も香りも独特なものになります。
これに該当するのが、紅茶です。
発酵度が高いと、身体を温める
「温熱」の性質を持つようになります。
ですから、夏の暑い日に
アイスティを飲むことは
あまりオススメできません。
冷たい飲み物を飲むことで
胃腸を冷やしてしまうので
消化器に負担がかかり、
疲れやすさやだるさ、といった
体調不良につながります。
そして、さらに紅茶は「温熱性」ですから
暑い夏にさらに身体を温めてしまいます。
個人的には、「夏のアイスティ」は
夏の最悪の飲み物と思っています。
③半発酵茶
酵素を少し働かせてから加熱して
酵素の働きを止めるお茶を指します。
不発酵茶と発酵茶の中間に位置し、
発酵度合いの異なる
様々な種類のお茶がありますが
烏龍茶が代表格です。
ちなみに、不発酵茶の発酵度を「0」、
発酵茶の発酵度を「100」とすると
烏龍茶の発酵度は「70」程度になります。
半発酵茶は、寒涼性でも温熱性でもなく
寒熱の偏りがない「平性」と言われています。
◆お茶の性質を知って適切に飲み分ける
このように、漢方薬と同じように
お茶にも「寒涼性」「温熱性」「平性」という
性質があります。
そのため、季節やご自身の体質、
そのときの体調によって
お茶を飲み分けることができれば
お茶の持つ効能を
最大限享受できます。
以下に、ほんの数種類だけですが、
お茶の持つ性質をご紹介いたします。
参考にして、場面場面で
飲み分けてみてください。
○寒涼性
日本緑茶・中国緑茶・
グリーンルイボスティ・
ドクダミ茶・番茶
○温熱性
紅茶・プーアル茶・ルイボスティ・
杜仲茶・ほうじ茶
○平性
烏龍茶・包種茶
その7に続きます。
誠真堂鍼灸院
東 洋史
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