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医食同源!日本食のチカラ 〜日本茶編⑤〜【東洋医学の智恵袋 vol.50】

こんにちは!
十条銀座「誠真堂鍼灸院」院長の東です。

今回のメルマガは、
記念すべき第50回目となります。

皆さん、いつもお読みいただき
ありがとうございます。

週一回の連載を開始してから
約一年になります。

これからも、皆さんの健康に役立つ情報を
配信していきたいと思っています。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。


◆医学書「喫茶養生記」

「日本茶編②」で紹介した
栄西禅師の「喫茶養生記」を
この度、買って読んでみました。

とにかくスゴいです。

お茶の専門書として紹介しましたが、
間違いでした。

これは、立派な「医学書」です。

中国医学の五行学説に基づいた
健康を維持するための、
病にかからないための、
そして病を癒すための
茶を用いた養生法が
理路整然と記されています。

昔の僧侶は、スーパーマンのような
人間だったのかもしれませんね。

特に、鎌倉時代は今と異なり
渡航するだけでもかなりの危険が伴います。

なのに、中国に渡って仏教を学び
それを持ち帰って国のために布教する
といった志を持っている人物は
普通に考えても只者ではありません。

驚きました!(◎_◎;)

というわけで、
今回は中国医学の五行学説に基づいた
日本茶の効能をお話ししようと思います。


◆日本茶の「苦味」は最上位の味

まず、「五行」とは万物は
「木・火・土・金・水」の
5つの元素からなる、
という思想のことを言います。

そして、この思想の基、臓器も味も
それぞれ以下のように「五臓」「五味」
の5つに分けられています。

木:肝・酸味
火:心臓・苦味
土:脾(消化器)・甘味
金:肺・辛味
水:腎・塩味

そして、
この五味をバランスよく摂ることで
五臓が適切に補われ、
身体が整うと言われています。

しかし、
私たちは酸っぱい物や甘い物、
辛い物、塩っぱい物は
普段の食事で摂りますが
苦い物を口にする機会は
あまり多くありません。

ですから、栄西禅師は
苦味の不足により
身体はバランスを崩しやすく
心臓の病を起こしやすいと考えました。

さらに、心臓は中国医学においては
「君主の官」と呼ばれ、
五臓の中でも最上位に位置付けられています。

栄西禅師は、「喫茶養生記」において
以下のように述べています。

「心臓は五臓の中の君主である。
茶は苦味の中の最上位であり、
苦味は五味の最上位にある。
よって、心臓は苦味を好む。
心臓が健全であれば
他の臓器は安泰である」

「もし身体が衰弱し、意志が消沈するときは、
心臓が悪くなったと見てよく、
頻繁に茶を喫すれば気力が強く盛んになる」
(「喫茶養生記 古田紹欽訳」より引用)

つまり、苦味は五味の中でも最上位で、
しかもお茶は苦味の中でも最上位。

King of Kingsみたいなものですね。

だからこそ、そのお茶を日本に広めて
心臓を健康にし、身体を強くする。

さらに、お茶を飲んで心を整える
「茶礼(されい)」という儀式を
日本に普及させ、
禅により和の心を広める。

そして、心身ともに健全な
日本人を多く輩出する。

栄西禅師は、こんなことを
考えていたのかもしれません。

ますますスゴい人物ですね…。


◆苦味の薬効

食べ物に限らず、
漢方の生薬一つ一つにも
五味があります。

全てを紹介するのは長くなるので、
今回は苦味の薬効について
お話ししようと思います。

苦味には、主に
「余分な熱や水分を
取り除く(清熱・燥湿)」
という効果があります。

心臓は、
血液を全身に巡らせる
大切な働きをしている臓器です。

しかし、「火」の臓器ですから、
熱くなり過ぎないように
苦味により調整されます。

さらに、中国医学では
心臓は精神の「神」にも関係すると
言われています。

そのため、苦味で心臓が補われると
心臓の機能が整い、それに伴って
精神が安定しリラックスできるのです。

その6に続きます。

誠真堂鍼灸院
東 洋史

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