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医食同源!日本食のチカラ 〜日本茶編④〜【東洋医学の智恵袋 vol.49】

こんにちは!
十条銀座「誠真堂鍼灸院」院長の東です。

今回は、
日本茶の「うま味・甘味」の成分について
お話しようと思います。

さて、この「うま味」という味、
実は日本特有の味であることを
ご存知でしょうか。

「うま味」を欧米人に伝えようとしても
なかなか表現するのが難しく、
外国語にも相当する単語がないのです。

だから、国際的には
「umami」と表現されています。

僕たち日本人でも
「うま味」とはどんな味なのか
説明するのは難しいですよね。

美味しいという意味の「うまい」と
「うま味」は、別のものですし…。

「うま味」とは、
食材の持ち味を引き立て、
料理の味に深みを加え、
おいしさを支える味のことを言います。

要するに「出汁」のようなものですね。

日本茶においては、
高級なものになるほど
「うま味」が強いことが条件になります。


◆うま味・甘味を出す成分

では、日本茶に含まれる
「うま味・甘味」を出す成分を
見ていきましょう。


1.テアニン〜心身をリラックスさせる〜

日本茶は旨味成分としてのアミノ酸を
多く含んでいます。

その代表格は、テアニンです。

その他にもグルタミン酸、グルタミン、
アルギニン、アスパラギンなどがありますが、
テアニンは全アミノ酸の4割以上を占めており
日本茶の旨味成分の代表格です。

テアニンは茶の根で合成され、
それが葉に溜まります。

そして、茶の葉が日光を受けると
テアニンはカテキン類に変化するので、
渋みの多い日本茶になってしまいます。

そのため、茶樹に覆いをかける
「被覆(ひふく)栽培」という方法が
行われています。

被覆をすると日光を遮ることができるので、
テアニンが多く含まれる
「旨味が多く渋味の少ない」良質のお茶と
なります。

また、
お茶を飲むと「ほっこりする」と
よく言われますね。

この「ほっこり」は、
実はテアニンの効能です。

テアニンを摂取すると脳波にα波が出現し、
リラックス状態になります。

さらに、α波が出ている時は
リラックスしながらも集中力も高まるという、
心地よい状態になるのです。

前回、苦味の素となる
カフェインのお話をしましたが、
興奮作用をもたらすカフェインと、
その興奮を和らげてリラックスさせる
テアニンの双方が含まれる日本茶は、
適度な緊張を保ちつつ
リラックスしたいときには、
最高の飲み物だと言えます。

また、テアニンは
アルツハイマー型痴呆症予防にも、
効果が期待されています。

上記のことを考えると、
テアニンは「脳」や「心」に作用する
成分であるといえるでしょう。


2.ペクチン〜縁の下の力持ち〜

日本茶には、
様々な糖類が含まれていますが、
含有量が少なく味も弱いので
「甘味」への影響はさほどありません。

しかし、そこで活躍するのが
「ペクチン」という成分です。

この「ペクチン」、
成分自体には特有の味はないのですが、
うま味や甘味を
強調する作用があるのです。

多糖類の一種で、
柑橘系の皮に多く含まれています。

日本茶の渋味を
ペクチンが抑えてくれるので、
うま味と甘味が増すのです。

高級な日本茶ほど、
このペクチンが多く含まれており、
味に深みを与えています。

自己主張せずに
味に深みを与えるペクチン。

縁の下の力持ちのような
存在ですね!

ちなみに、ペクチンは
水に溶けるとゼリー状になるので、
ジャムやゼリーに利用されています。

その5に続きます。

誠真堂鍼灸院
東 洋史

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