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医食同源!日本食のチカラ 〜日本茶編③〜【東洋医学の智恵袋 vol.48】

こんにちは!
十条銀座「誠真堂鍼灸院」院長の東です。

前回お話しした日本茶の歴史。

お茶の歴史は古く4700年もありますが、
いつも私たちが飲んでいる日本茶は
思ったより最近できたものでしたね。

ちなみに、1738年に新しいお茶の製法
「青製煎茶製法」を編み出し
日本茶の始祖となった永谷宗円は
永谷園の起源となった人物です。

「株式会社永谷園」は、
宗円の10代目にあたる永谷嘉男によって
昭和28年(1953年)に創業されました。

創業前年の1952年、「お茶漬け海苔」を
発売し、これが大ヒット。

経営を不動のものとしました。

ちなみに、「お茶漬け海苔」には
しっかりと抹茶が使われているそうです。

日本茶の始祖・宗円の魂を受け継いだ永谷園。

応援したくなりますね。


◆日本茶を構成する4つの味

日本茶の味は、
うま味・甘味・苦味・渋味の
4つから構成されています。

そのうち、うま味・甘味は
糖類やアミノ酸類によるものです。

そして、苦味・渋味は、
カテキン類やカフェインによるもので、
カテキン類は苦味と渋味があるのに対し
カフェインはさっぱりとした
軽い苦味があります。

この苦味・渋味をベースに
うま味・甘味が加わり、
これら4つの味のバランスで
日本茶の味が決まります。

では、これから「苦味・渋味」と
「うま味・甘味」に分けて、
その味の素となる成分を見ていきましょう。

まず今回は、「苦味・渋味」です。


◆苦味・渋味を出す成分

1.カテキン〜健康成分の代表〜

①強い抗酸化作用

日本茶に含まれる成分として
最も有名なのは、このカテキンでしょう。

そして、日本茶は
「カテキン類」を多く含む
代表的な飲料です。

日本茶に含まれるカテキン類は
エピカテキン・エピカテキンガレート・
エピガロカテキン・
エピガロカテキンガレートの
4種類があります。

この中でも、
エピガロカテキンガレートの
含有量が最も多く、日本茶独特の
苦味・渋味の素となっています。

カテキン類の健康効果の中で
最も強いのは「抗酸化作用」です。

その力は、ビタミンCやビタミンEの
数倍から数十倍になると言われています。

抗酸化作用とは、他の物質を
酸化させる力が強い「活性酸素」の
働きを抑える作用のことです。

私たちは呼吸によって
大量の酸素を吸い込んでいますが、
そのうちの約2%が活性酸素になる
といわれています。

活性酸素は殺菌力が強く、
体内では細菌やウイルスを
撃退する役目をしていますが
増えすぎると正常な細胞や遺伝子を
酸化させてしまうのです。

酸化とは、簡単に言えば
「劣化」とか「錆つき」の
ようなもの。

つまり、私たちの細胞や遺伝子を
劣化させて免疫力を奪っていくのが
活性酸素ということです。

活性酸素により細胞が酸化してしまうと
がん細胞が発生しやすくなってしまいます。

そして、
その厄介な活性酸素の働きを抑えるのが
「抗酸化物質」と呼ばれる成分です。

その抗酸化物質の中でも
カテキン類の作用は優秀で、
かなり強い抗酸化作用を持っています。

埼玉県立がんセンターの研究によると、
埼玉県民の日本茶摂取状況を調査し、
3杯以下、4~9杯、10杯以上で解析した結果、
男性・女性とも
日本茶を10杯以上飲む人のがん発生率は
4割以上抑えられた、
という調査結果が報告されています。

日本茶の生産地である静岡の人は、
がんによる死亡率が低いという話は
聞いたことありますよね。

この他にも、カテキン類には
殺菌作用や解毒作用、
消臭作用などの効果があることが
分かっています。


②か弱いビタミンCを守る

日本茶には、
ビタミンCも豊富に含まれていますが
ご存知のとおり、ビタミンCは熱に弱く、
酸化しやすく、壊れやすいという
性質を持っています。

野菜に関しては、
含まれるビタミンCは10分茹でると
半分以上が分解されてしまいます。

しかし、日本茶のカテキン類は
その「か弱い」ビタミンCを守る働きが
あるため、そのほとんどが壊れずに
日本茶の成分として抽出されるのです。

そのため、煎茶を4〜5杯飲むと、
1日のビタミンC推奨摂取量である
100mgの半分くらいは摂れます。

日本茶のカテキン類、
知れば知るほど頼り甲斐のある
「いいヤツ」ですね!


2.カフェイン〜重要な味成分〜

前述のとおり、
カフェインは軽い苦味をもたらします。

コーヒーにも含まれていますが、
カフェイン自体の苦味が軽いため、
コーヒーをカフェインレスにしても
さほど苦味は変わりません。

しかし、
日本茶をカフェインレスにすると
日本茶独特のさっぱりした苦みが
失わてしまいます。

このことから、
カフェインは日本茶の重要な味成分で
あることが分かります。

つまり、日本茶の中でも
苦みがさっぱり心地よく感じるお茶は、
カフェイン含有量が多いということです。

ちなみに、お茶の中で
最もカフェイン含有量が多いのは
最高級茶とされる「玉露」で、
100g当たり3.5g含まれています。

そして、抹茶3.2g、煎茶2.3gと続きます。
(紅茶は2.9g、コーヒーは1.3gです)

また、同じ茶葉でお茶を何度も淹れると
だんだん苦みが強くなります。

これはお茶を淹れる度に
溶け出す成分が減少していく一方で、
苦味・渋みの強いカテキン類だけは
減少せずに多く残るためです。

つまり、
さわやかな苦みを演出する
カフェインが減るため
強い苦みを出すカテキン類の味が
相対的に濃くなるということですね。

カフェインの作用としては、
中枢神経を刺激したり、
腎臓に作用して利尿を促進したり、
胃酸分泌を促して消化を助けたり、
体脂肪の分解を促進するなど
さまざまな効能を持っています。

その4に続きます。

誠真堂鍼灸院
東 洋史

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