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医食同源!日本食のチカラ 〜梅干し編⑥〜【東洋医学の智恵袋 vol.45】

こんにちは!
十条銀座「誠真堂鍼灸院」院長の東です。

前回お話した
梅干しに含まれる「クエン酸」の魅力。

知ってしまうと毎日食べたくなりますよね。

そんな魅力あふれるクエン酸ですが、
1日にどのくらい摂るのが
理想なのでしょうか。

現在、1日に摂るべきクエン酸は
1.5〜2gとされています。

レモンには約4g、
梅干しには約1gのクエン酸が
含まれていますから、
梅干しで言えば、
1日2個で十分ということです。

レモン半分よりも食べやすいですよね。

ただし、クエン酸は
エネルギーの産生にも使われるので、
運動量の多い方は1日4〜5gを
目安にされると良いでしょう。

ご飯のお供に梅干しをどうぞ!


◆食べ合わせのお話

さて、皆さん
「うなぎと梅干しは食べ合わせが悪い」
という話、一度は聞いたことありますよね。

うなぎと梅干しを一緒に食べると
食中毒になる、と古くから言われていて
昔の人はこの食べ合わせは
避けていたようです。

さて、真偽の程は如何に…。

夏にうなぎを食べると
夏バテしないと言われており、
土用の丑の日には
うなぎを食べる習慣があります。

この習慣は、
江戸時代から始まったようです。

通説では、
江戸時代に売上不振に悩んだうなぎ屋が
異才「平賀源内」に相談したところ
「本日丑の日」と書いた紙を
店先に貼るよう勧めたとのこと。

すると、そのうなぎ屋は繁盛したので、
他のうなぎ屋も真似るようになり、
「丑の日はうなぎ」が定着したそうです。

これは、昔から「丑の日に『う』の字が
つく物を食べると夏負けしない」
という言い伝えがあり、
それをうまく利用した
平賀源内のマーケティングだったのです。

異才とも奇才とも言われる平賀源内、
さすがですね。


◆うなぎの栄養価

ここで、うなぎの食品としての特徴を
確認してみましょう。

うなぎといえば、「精力がつく」
「スタミナ満点」などと言われています。

そのとおり、うなぎは
ビタミンが豊富で栄養価の高い、
優れた健康食品です。

魚肉特有の良質なたんぱく質に加えて、
一般的に魚肉類に不足がちなビタミン群も
豊富に含まれています。

うなぎには、ビタミン類では
ビタミンA、ビタミンB1・B2、
ビタミンD、ビタミンEが豊富です。

ミネラルでは亜鉛・カルシウムが豊富、
さらに脂質の部分には
DHA・EPAも豊富です。

※DHA:「ドコサヘキサエン酸」の略称。
 青魚に多く含まれるの栄養素の一つです。 
 体内の免疫反応の調整、脂肪燃焼の促進、
 血管壁の収縮、血小板の凝集に関わる等
 様々な働きがあります。

※EPA:「エイコサペンタエン酸」の略称。
 DHAと同じく青魚に含まれる栄養素です。 
 血液をサラサラにする効果があります。

さらにさらに、
表面のぬるぬるした部分には
ムチンという胃腸の粘膜を保護する
成分が含まれています。

※ムチン:人間の唾液にも含まれている
 ネバネバした物質です。
 ドライアイや胃炎・胃潰瘍を予防する
 効果があります。

まさに、身体すべてが栄養の
「完全健康食」です。


◆うなぎと梅干しの相性は?

さて、栄養満点のうなぎと梅干し、
その相性はホントのところ
どうなのでしょうか…。

実は「うなぎと梅干し」の食べ合わせは
栄養的・医学的に全く問題はなく、
むしろ「最高の相性」と
言えるくらい良いのです。

クエン酸は、
ビタミンB群と一緒に摂ることで
エネルギーの代謝効率が上がる
という性質があります。

つまり、梅干しのクエン酸と
うなぎのビタミンB群は
相乗効果を生むということです。

ビタミンB群とは、8種類の栄養素
(ビタミンB1・B2・B6・B12、
ナイアシン、パントテン酸、
葉酸、ビオチン)の総称です。

これらは、体内でエネルギーを作り出す
「エネルギー代謝」に欠かせない栄養素で
糖質などのエネルギーを
素早く体内に取り込むのを助け、
疲労回復を促進します。

と、言うことは、梅干しのクエン酸で
「クエン酸回路」がスムーズに回り
エネルギーを作りやすくなるうえ、
そこにうなぎのビタミンB群が加わることで
それが加速し疲労回復をさらに促進する
ということです。

「梅干しとうなぎ」って
最高の相性だと思いませんか?


◆迷信が生まれた背景

これまで言われてきた
梅干しとうなぎの食べ合わせは
迷信と言っていいでしょう。

これが生まれた理由には、
いくつかの説がありますが
「胃腸への負担を減らすため」という説が
一番説得力がありそうです。

昔は、
うなぎの脂っこさと梅干しの酸味が
胃腸を刺激し合い消化不良を起こすと
考えられていたようです。

酸味の強いものも脂っぽいものも、
食べ過ぎると胃腸に負担がかかります。

さらに、
梅干しもうなぎもご飯が進みますから、
どうしても食べ過ぎてしまい
これまた胃腸に負担をかけてしまいます。

だから、「食べ合わせが悪い」という
言い伝えにつながったのではないか、
という説です。

食べ過ぎに注意すれば、
うなぎと梅干しは
「夏の最強コンビ」です。

梅干しもうなぎも、
初めに「う」が付きますよね。

今年の「土用丑の日」は
7月30日(日)です。

うなぎと梅干しの最強コンビを
試してみてはいかがでしょうか。


誠真堂鍼灸院
東 洋史

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