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医食同源!日本食のチカラ 〜梅干し編③〜【東洋医学の智恵袋 vol.42】

こんにちは!
十条銀座「誠真堂鍼灸院」院長の東です。

皆さん、『大福梅』を
ご存知でしょうか。

毎年12月13日の事始めに
京都の北野天満宮で売り出される
縁起物の梅干しで
「おおふくうめ」と読みます。

お正月の朝に、
お茶や白湯に入れて飲むと
一年間無病息災で幸福に過ごせると
伝えられているそうです。

この「大福梅」、
起源は平安時代にまで遡ります。

天暦5年(西暦951年)、
村上天皇が当時流行していた
疫病にかかりました。

その際に、梅入りのお茶を飲んで
病気が回復したことから
このお茶を王服(おおふく)と称して
毎年元旦に飲む風習が始まったそうです。

ですから、
「大福梅」とは「王服」が基となって
当てられた漢字なので
「だいふくうめ」ではなく
「おおふくうめ」と読むのです。

吉祥の意味が込められた縁起物として
昔から京都に伝わる慣習の一つなのですが、
当時の人々は、これまた
縁起の良い吉字をうまく当てたものですね。

梅の豆知識でした。


◆「ピロリ菌」を死滅させる唯一の食品

さて、胃ガンを発症させる
主犯格とされているピロリ菌。

この菌は有名なので
ご存知だと思いますが
本名は「ヘリコバクターピロリ菌」
と言います。

なかなか長い名前ですね。

「ヘリコ」は「らせん状」
「バクター」は「細菌」
「ピロリ」は「胃の幽門部(入口)」
という意味です。

つまり、らせん状の形をしていて
胃の入口付近に棲みつく細菌なので、
こんな長い名前になりました。

通常の細菌は酸に弱いため、
強烈な胃酸を出す胃の中では
生存できず死滅してしまいます。

しかし、このピロリ菌だけは例外で
胃の中を悠々と泳ぎ回り、
胃炎や胃潰瘍・十二指腸潰瘍・
胃ガンなどの病の主要な原因になるのです。

50歳以上の日本人では
3人中2人以上がこのピロリ菌に
感染していると見られており
先進国の中では抜きん出て
多くなっています。

日本人に胃ガンが多い最大の要因です。

通常、ピロリ菌の除去には
抗生物質が使われます。

しかし、ピロリ菌は耐性菌。

つまり、変異をして
抗生物質の攻撃を逃れる性質があるため
その治療効果は80%が限界と
言われています。

しかも、抗生物質の投与は、
思わぬ副作用のリスクもあり、
問題も多いのです。

しかし、
この無敵と思われたピロリ菌にも
天敵がいることが近年発見されました。

それこそが、梅干しです。

医学博士であり「梅干博士」の異名を持つ
宇都宮洋才(ひろとし)先生は、
梅干しがピロリ菌に対して
効果があるのか、を研究しました。

ピロリ菌は、運動能力があり
胃の中を泳いで胃の粘膜に感染します。

しかし、
梅干しに含まれる「ある成分」を
ピロリ菌に50ug/ml加えると
ピロリ菌の半分が死に、
500ug/mlではほぼ全滅したのです。

※ ug/mlは「マイクログラムミリリットル」
 と読みます。

この「ある成分」とは、
一体何なのでしょうか。


◆クエン酸だけではない!梅干しの有効成分

このピロリ菌を死滅させる
梅干しの成分は「梅リグナン」と言います。

これも同じく、
宇都宮洋才先生の研究により
発見されました。

日本茶のカテキンに匹敵する
効能を持つとされ、
近年注目されています。

この「梅リグナン」は、
含有量が多い梅干しであれば
1個あたり250ug/ml含まれています。

そのため、梅干しを食べれば
ほとんどのピロリ菌を退治できる
ということです。

次回は、この「梅リグナン」について
もう少し詳しくお話ししたいと思います。

誠真堂鍼灸院
東 洋史

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