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静まり返った校庭と 輝く笑顔

こんにちは!

生きる力と国語力を育むオンラインスクール
GRIT TREEの
白木 彩子です。




日本はすっかり秋らしい気候になり
さわやかな風が吹いていますね。


新しいことにチャレンジするにも
絶好の季節。


わたしはキャンプに行きたい気持ちが
むくむくと沸き起こっています。


娘と二人で
自転車でキャンプなんて行ったら
楽しいだろうなぁと
妄想を膨らませながら。


みなさんは、この秋
何に挑戦したいですか?


*****************

さて、
秋といえば
日本の小学校では
運動会の季節でもあります。
(春の学校もありますね)


みなさんのお子さんの学校では
今年の運動会はありますか?




うちの娘の学校では今年
運動会はありません。
その代わり
学年ごとの体育参観日
というものがあるようです。


運動会がないのは
本当に残念です。


何がって、
6年生に花をもたせてやれないことが。


娘はいいのです。
2年生だもの。
今年は仕方ないよね、
で済みます。



でも、6年生って
人生で一番運動会に真剣に取り組める年
なんじゃないかなと
わたしは思うのです。

中学生高校生になると
中心となって活動する一部の子たちは盛り上がるけれど
その他の子たちは
そこまで燃えなかったような…。

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運動会は
体育的行事であると同時に
特別活動的行事でもあります。


特別活動というのは
教科学習とは違った領域のこと。

・集団の一員としての自覚を深め
よりよい生活を築こうとする態度を養ったり
・自分をどう生かしていくかを考え
実践していく力をつけたり
・将来を見据えたキャリア教育をしたり

子どもたちの心情や
社会的スキルの成長を支える
大切な領域です。

学級会や委員会活動
学校行事などがそれですね。




小学校6年生における
運動会の特別活動的意義は
とても大きいものです。


6年生全員が、
運動会の運営のために
運動会のための係に所属し
全校児童のために働きます。


自分の演技や競技のことだけに
集中していればいい1~4年生とは違い
(1~4年生はそれでよいのですよ!)

運営に関わる者として
自分のこと
友だちのこと
下級生のこと
たくさんのことを気にかけながら
運動会の一日を過ごすのです。



演技や競技に使う用具を出したり
ラインを引いたり
放送をしたりしている高学年児童を
見かけたことはありませんか?


あれが運動会の係です。
わが子だけを見ていると気づきませんが
よく見てみると
本当に様々な場面で活躍しています。




運動会当日は、それはそれは忙しく。
自分の競技・演技の合間に
自分のプログラムを確認しつつ
仕事もこなします。


リレーの選手だから仕事はなし
なんてことはありません。
一人ひとりが責任をもち
みんなのために働きます。



仕事は当日だけでなく
前日には先生たちと会場設営もするし
仕事の最終確認もします。


また、それまでの間も
一か月以上前から
どんなものが必要か考え、
必要なものを作ったり
役割分担をしたり
動きを確認したりしています。



大変だけれども
みんなのために働くことで
自分はみんなの役に立つことができた!
こんなことが得意だったんだ!
と感じられる、
思春期の子どもたちの難しい心を
ほぐし育てる絶好のチャンス。



そして、
6年生の大変さを知っているから
先生たちも
6年生を大いに褒め称えます。


たくさんの
「ありがとう」の声をかけてもらった
6年生は
人の役に立つことの喜びを感じ、
自分の成長を実感します。

*****************

「小学校生活最後の運動会」
という意識も大きく
演技や競技も
心がこもっていて
迫力があって大変立派なものです。


特に力強いゆっくりとした動きなんかは
低学年にはまねできないもの。
わたしは6年担任でなくても
毎年感動して泣いていました。


この時期は
運動会の係の仕事が忙しい中でも
休み時間に廊下で教え合う姿や
演技や競技をよりよくするために話し合う姿が
多く見られます。


自分だけできればいい
ではなく
みんなで心を一つにすることで
クラスや学年も一つにまとまっていきます。



下級生たちは
そんな「かっこいい6年生」の姿を見て
憧れを抱き
自分たちの目指す姿を見つけます。




「最高学年」
という言葉は


「最高学年だから偉い」
とかでは決してなく


「最高学年だから
誰よりかっこいい姿を見せたい」
という気持ちに
子どもたちを向かわせます。


運動会は
子どもたちの心を
本当に大きく成長させるのです。

*****************

「みんなで一緒に」という
日本の運動会の風習は
個を大切にする海外から見たら
異質なのかもしれませんね。


できる子が
もっと飛びぬけてできるようになったらいい
それも一つの考えです。
得意なことを伸ばしてあげるのは
とても大切なことだとわたしも思っています。



でも、わたしは
「みんなと一緒にがんばる」
これも日本のよさかなとも思うのです。


決してできない子に合わせるのではなく
できない子も引き上げる
集団にはその力があると思います。



そして
教える子は相手を思いやる優しさ
教わる子は敬意と感謝の気持ちなど、
心の大切な部分が育つと思うのです。




10月~11月頃は
学級経営も難しい時期。
中だるみをして、
高学年だといじめも発生しやすい時期です。


そんなときに
学年で心を一つにして取り組み
全校児童のために役に立てる経験ができる
運動会という行事は
学級経営上もとても重要なものです。

*****************

子どもの笑顔が最高に輝き
達成感に満ち溢れる
こんな素晴らしい行事ができないなんて!


勉強なんてしなくていいから
今こそ心を育てるために
運動会やろうよー!
と言いたいわたしですが。


つい先日まで現場にいた者として
いろいろな判断の大変さも
身をもって知っているので
何も言えません。笑


きっと熟考された上で
出された答えだから。




ちなみに
子どもたちががんばるために
先生たちも裏でとてもがんばっています。



わたしは教員時代
運動会全体を指揮したこともありますが


先生たちは
学年の演技や競技
高学年の係の指導
そして通常の学級経営


なかなかハードですが
子どもたちの成長のために
夜遅くまで仕事をしてくれています。
(それがいいかどうかは別として…)




そして、当日の朝は5時出勤(笑)
これは体育部あるあるです。
(これもいいかどうかは別として…笑)


準備の整った
静まり返った校庭をくまなく歩き
子どもたちがけがをしないよう点検したり
準備に不備がないか最終確認したりします。


これも子どもたちに
気持ちよく力を発揮してほしいから。


子どもたちの輝く笑顔を想像して
一番心がわくわくするときでもあります。




天候の判断も
これも本当に難しく。
たくさんの苦い思い出があります。
教員生活12年間で
なんの心配もなく一発開催できたのは
1回だったかな。笑


だから、わが子の運動会の天候判断については
なにも文句なし!
延期になったのに晴れたとしても、
それは仕方ない!

子どもが安全に楽しく
自分の今の力を発揮してくれたらそれでOK!
と、おおらかに見ています。



天候による延期については、
みなさんも
いろいろ言いたくなることもあるかなぁ
なんて思いますが
先生たちのことも
ぜひ応援してあげてくださいね。笑


みなさんの学校は
運動会ができていますように!




(2020年9月に書かれたものを一部編集したものです)

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