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地球をあきらめない 〜私が考える、21世紀に人類がやるべきこと〜 (10)

こんにちは!!
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序文(Introduction)
1. 総論 なぜ地球をあきらめる必要がある?なぜその議論が出るのか?
① 多くの誤解とその理由
② 温暖化と気候変動
③ 環境問題のとらえ方と解の導き方
④ 具体的な取組みと長期的なビジョン
2. 陸上養殖の取組み
⑤ 海洋資源は今後どうなっていくのか?
⑥ 畑で養殖?水産業は思い込みを排除し、新たな道へ
⑦ 儲けからではなく、環境から逆算する思考を持とう!
⑧ 農地活用を阻む、抵抗勢力の正体
⑨ 日本を水産物の輸出国へ、新たな取組みの開始
3. 農業の取組み
⑩ なぜ、若者は農業をやりたがらないのか?
⑪ 農業を取り巻く「情報格差」の絶望
⑫ 環境問題からみる農業の重要性
⑬ 具体的な取組みと長期的なビジョン
4. 健康と福祉の取組み
⑭ 健康と福祉の相関。皆、つながっている
⑮ 人は、地球以上には健康にはなれない
⑯ 障がい者福祉について思うこと
⑰ 世界標準にしたい、新たな取組み
あとがき

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2. 陸上養殖の取組み
⑨ 日本を水産物の輸出国へ、新たな取組みの開始
私が手掛けているエビについて述べる。エビは水産業における1つの選択肢に過ぎないが、水産業の世界を俯瞰するのは、実に象徴的な商材でもある。

まず、エビは日本の輸入水産動物の1位、もしくは2位となっている。国産のエビは近海で獲れるクルマエビ、イセエビ、甘えび、などである。クルマエビは沖縄や九州南部などで養殖も行われ、おせち料理に欠かせない食材である。これら国産エビが約10%、残り90%は輸入に依存しているのが実情である。エビは食卓を彩る宝石と呼ばれ、エビの髭が長寿を想起することから縁起のよい食材ともされ、エビが並んだ食卓はご馳走と言われてきた。世界的にもこの傾向は存在し、価格が下がりにくく、需要が絶えない魚種である。特に日本人は1980年代、1名が年間99尾消費する、世界No.1のエビ好き国民と知られてきた。その日本が輸入するエビを途上国が生産するためにマングローブ林の開墾がすすめられたことを「エビと日本人 (岩波新書)」で説いている。2004年に英BBCが世界のマングローブ林の破壊の38%がエビの養殖に原因がある、と報じたことからも。日本人は間接的にマングローブ林の破壊に関与していた、のである。それほど、エビ養殖は環境問題に関係している魚種であることを踏まえる必要がある。逆の見方をすると、エビは養殖がフィットする魚種である、とも言える。養殖手法の是非はさておき、天然→養殖の流れをリードしてきた魚種であることをここでは踏まえる。

一方、天然のエビが採れなくなってきている実情がある。日本では天然のクルマエビ、サルエビ、ヨシエビ、芝エビ、などがそうである。ロシアボタンエビ、ロシアナンバンエビは、気候変動で棲息域が北上し、ロシア海域で獲れるようになったエビである。だが、前者エビ群の不作が著しい。特にサルエビなどは釣り(テンヤ釣り)の餌として用いられてきた。芝エビは港区芝あたりの海岸に棲息していたので芝エビというらしいが、これも不作で、珍しいエビとなった。ヨシエビは文字通り、ヨシ(葦)の生えている湿地帯に棲息するらしいが、湿地帯が減り、棲息域が失われたことが減少の原因ともいわれている。クルマエビの生態系を守る取り組みとして、天然の子持ちクルマエビを県の水産公社が買い取り、孵化させて、毎年、近海に放流している。重要な取り組みではあるが、その放たれた稚クルマエビがどれだけ自然界の中で生き延びているか?の検証は難しく、本当に効果を実感できるのは何十年か先かも知れない。

このような天然の不作分をいち早く養殖で代替してきたのがエビであるが、そのエビ養殖が世界的に加速する原因となったのがバナメイエビの養殖利用である。それまでは東南アジア原産のブラックタイガー(学名:Penaeus monodon)が養殖を牽引していたが、バナメイエビの出現から、世界は一気にバナメイエビにシフトした。今や、エビは天然の生産量を養殖のそれが追い抜いている。そのバナメイエビ(学名:Litopenaeus vannamei)は、中南米を原産地とする亜熱帯気候に棲息するエビであるが、クルマエビ、ブラックタイガーとともにクルマエビ科に属する。一番の特徴は、他のエビと較べ、水底の砂に潜らない、という特徴である。水底を砂とすると、餌の残渣や糞が砂に絡みつく。その養生のために多大な労力を要するが、バナメイエビはそれを必要としないのが陸上養殖向きといえる。

弊社は国内の農地で養殖したバナメイエビを、世界向けて輸出する計画を温めている。エビを90%輸入に依存している国が“まさかの”エビ輸出国になる、という逆転の発想である。そのためには「活(Live)」「生(Fresh)」では無理なので、加工品となる。今、開発中の「ちばガーリック・シュリンプ」がそれである。こうして、1つの風穴が空く。社会課題が武器になり希望になる。いばらの道でもがきながらも、道は見つかるものと思っている。


Profile
平野 彩/平野雄晟
環境活動家。多くの環境ボランティア活動を行い、環境を改善するためには資本主義の仕組みを改善しながら活用することが必要と感じ、現在、第一次産業に環境技術を導入し、商業化する取組みを開始。千葉県安房郡鋸南町を拠点に、以下の4社を経営している。
■ 株式会社Global Green Marketing(環境商材の開発、営業代行) 
■ 株式会社Seaside Consulting(陸上養殖)
■ 株式会社Co-GII(就労継続支援B型事業、障がい者グループホーム)
■ 株式会社Earth Keeper(認定農業者、農地所有適格法人)

◆Facebook
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パブリシティ 畑でエビ養殖!?休耕地増加や環境破壊憂い常識覆す(テレビ朝日)
https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000235092.htm

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