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地球をあきらめない 〜私が考える、21世紀に人類がやるべきこと〜 (9)

こんにちは!!
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序文(Introduction)
1. 総論 なぜ地球をあきらめる必要がある?なぜその議論が出るのか?
① 多くの誤解とその理由
② 温暖化と気候変動
③ 環境問題のとらえ方と解の導き方
④ 具体的な取組みと長期的なビジョン
2. 陸上養殖の取組み
⑤ 海洋資源は今後どうなっていくのか?
⑥ 畑で養殖?水産業は思い込みを排除し、新たな道へ
⑦ 儲けからではなく、環境から逆算する思考を持とう!
⑧ 農地活用を阻む、抵抗勢力の正体
⑨ 日本を水産物の輸出国へ、新たな取組みの開始
3. 農業の取組み
⑩ なぜ、若者は農業をやりたがらないのか?
⑪ 農業を取り巻く「情報格差」の絶望
⑫ 環境問題からみる農業の重要性
⑬ 具体的な取組みと長期的なビジョン
4. 健康と福祉の取組み
⑭ 健康と福祉の相関。皆、つながっている
⑮ 人は、地球以上には健康にはなれない
⑯ 障がい者福祉について思うこと
⑰ 世界標準にしたい、新たな取組み
あとがき

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2. 陸上養殖の取組み
⑧ 農地活用を阻む、抵抗勢力の正体
前回は弊社が社会課題解決型の事業に特化して取り組むこととなった、その背景を説明した。社会課題解決型ビジネス(Issue Driven)というと聞こえは良いが、実際はいばらの道である。社会課題は社会構造の歪(ひずみ)から、なるべくして社会課題化しているのであって、改善できていないから未だに社会課題として存在しているのである。農地に関係する説明が特にわかり易い例である。今回は、この農地問題について述べる。

多くの農地は郊外にある。都市にある農地は既に開発されたか、生産緑地のように動かせないものである。その点では、ここでいう農地は過疎がすすむエリア(田舎)にあることをまず、踏まえる。過疎がすすむエリアは若者が去り、高齢者が残っている、という特徴がある。生まれる人数より、逝ってしまう人数の方が多い、ということはそういうことである。つまり、そのエリアからの通勤可能圏内に金銭的対価を得れる仕事が乏しい、という状況が想定される。私が居る千葉県安房郡鋸南町(JR内房線安房勝山駅)もその典型例だ。過疎の進行が止まらないが、東京まで片道2時間、通勤は難しい。この南部房総半島に仕事が新たに生まれたという話はここ3年間、ほとんど聞かない。このようなエリアでは、まず、高齢者が先代から続く畑をやりくりして農家・兼業農家を続けている。農家は労働の対価としての報酬が少ない産業だ。農家の息子/娘たちはまず、農家をやりたがらない。親の苦労を見て育ったからだ。農家をずっとやってきた人は概ね、十分な蓄えが無い。国民年金しか無いケースも多く、本音をいえば農地を高く売り払って、大きなお金を手にしたいと考えている。若い人が少なく、情報弱者である上、いつも接するのが高齢者同士であるから、昔話に花が咲く。1990年頃は、30万円/坪(3.3m2)で農地を買いに来たものだ、と口癖のように言う。現在の相場は30万円/反(1,000m2)だ。つまり、1/300になった、ということだ。農地が虎の子の財産となってしまった今、その農地の相場が下がっていることを受け入れられないことも、過去にしがみつく原因だ。その時代は山手線の内側の土地とアメリカ全土の土地価格が同じと言われた時代、日本全体が浮かれていた時代、そんな時代は二度と来ない。今では農地は、面倒な草刈り作業と近隣トラブルが漏れなく付いてくる、タダでも農地を手放したい、という人が多い。その現実を直視すべきだ。

こうした状態はなぜ起こるか?それは99%行政の怠慢であるといえる。戦後(1952年)に制定された農地法と農振法(農業振興地域の整備に関する法律(1969年制定))が、今や足枷(あしかせ)以外の何物でもない。両法律ともに農地の使用法に制限を加えるものであるが、その制限のかけ方が凄まじいのである。もっと悪いことに、農地の所有、賃貸借の決定権を「農業委員会」という地元二世農家などの集まりに委ねているのである。要は、地域の発展のために何のアイデアもなく、ただ一杯飲むために会議に出席し、新規就農者の邪魔ばかりしている人たちである。自身も営農者として成功している人ばかりではない、そんな人に世界の潮流など知る由もなく、新しい時代に照らした提案などあるハズもなく、議案の良否も判断できる能力もない。農地の草を刈っているかどうか?を見張っている陰険な集団である。不動産業者など「話がマトモにできない」と言って、この集団に近づこうともしない。私が、このおかしな集団を突破し、農地を日本で初めて陸上養殖地として認められたことが余程珍しいのか?多くの人が、どのように突破したのか、聞きにくるのである。それほどまでにおかしな社会が田舎には存在し、多くの若者が寄り付かない構造になっているのである。

結論を述べる。
・地方都市が衰退する理由の一つが「田舎は好きだけど、人が嫌い」といわれるロジックである。若者を呼びたければ、住民教育(情報弱者からの脱却)が不可欠である。
・農地関連の2つの悪法を即刻、改訂すべきである、向かうべきは規制緩和である。



Profile
平野 彩/平野雄晟
環境活動家。多くの環境ボランティア活動を行い、環境を改善するためには資本主義の仕組みを改善しながら活用することが必要と感じ、現在、第一次産業に環境技術を導入し、商業化する取組みを開始。千葉県安房郡鋸南町を拠点に、以下の4社を経営している。
■ 株式会社Global Green Marketing(環境商材の開発、営業代行) 
■ 株式会社Seaside Consulting(陸上養殖)
■ 株式会社Co-GII(就労継続支援B型事業、障がい者グループホーム)
■ 株式会社Earth Keeper(認定農業者、農地所有適格法人)

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パブリシティ 畑でエビ養殖!?休耕地増加や環境破壊憂い常識覆す(テレビ朝日)
https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000235092.htm

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