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地球をあきらめない 〜私が考える、21世紀に人類がやるべきこと〜 (7)

こんにちは!!
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序文(Introduction)
1. 総論 なぜ地球をあきらめる必要がある?なぜその議論が出るのか?
① 多くの誤解とその理由
② 温暖化と気候変動
③ 環境問題のとらえ方と解の導き方
④ 具体的な取組みと長期的なビジョン
2. 陸上養殖の取組み
⑤ 海洋資源は今後どうなっていくのか?
⑥ 畑で養殖?水産業は思い込みを排除し、新たな道へ
⑦ 儲けからではなく、環境から逆算する思考を持とう!
⑧ 農地活用を阻む、抵抗勢力の正体
⑨ 日本を水産物の輸出国へ、新たな取組みの開始
3. 農業の取組み
⑩ なぜ、若者は農業をやりたがらないのか?
⑪ 農業を取り巻く「情報格差」の絶望
⑫ 環境問題からみる農業の重要性
⑬ 具体的な取組みと長期的なビジョン
4. 健康と福祉の取組み
⑭ 健康と福祉の相関。皆、つながっている
⑮ 人は、地球以上には健康にはなれない
⑯ 障がい者福祉について思うこと
⑰ 世界標準にしたい、新たな取組み
あとがき

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2. 陸上養殖の取組み
⑥ 畑で養殖?水産業は思い込みを排除し、新たな道へ
もし、養殖がほとんど行われていないこの日本において、この産業をイチからデザインするとしたら、どのようなカタチになるだろうか?これが、私が最初に考えた問いである。

日本の漁獲生産量は1984年がピークとなり、2014年にはその37%にまで減少した。この間、人口は約720万人増加しているにもかかわらず、63%(約803万トン)もの漁業生産量が消えたのである。しかし大半の市民はそんなことには気づかない。差分は輸入に依存しているからだ。この1984→2014年の30年で大きく変わったこと、それは魚介類流通の産業構造である。地方都市を彩る漁業町(漁港通り)がシャッター通りになった、といえばわかりやすい。漁業生産が潤沢であった時代は漁業町が栄えていたハズである。荒々しい昭和の漁師が飲み歩く飲食店やスナックが、あなたの知っている町にもあったのではないだろうか。漁業生産が減るのは、日本においては、漁業が農業に遅れること2,300年、未だに狩猟採集を行っていることからも、当たり前のことであることは前回述べた。日本にはこうなることが見通せる人材が為政者側に居なかった、ということである。港で水揚げされた魚が市場や仲卸/問屋を通して、地元の魚屋やスーパー/飲食店に流れていたのがBeforeだとすると、Afterは海外から商社が運んできた大ロットの冷凍商品が、売り先の決まった大規模流通や飲食チェーンに卸されていく。この大きな変化は急激に起こったのではなく、30年かけてゆるやかに起こってきたのである。まさに、ごく少数の勝ち組が生まれ、莫大な富を背景に、強い者がより強くなっていく構造、つまりグローバリゼーションの波が漁業の世界にも訪れたのである。この波に押し流されたのは、漁業者であり、漁業生産量を当てにしていた地元の産業者である。「漁業では食べていけない」と若い人が家業を継がないし、仕事に就こうとしないので、漁業者の高齢化に歯止めがかかっていない。今から思うと、失われた30年である。物事は、どうしようもなくなってから対処するのではなく、良いときに、先々を観て、対策を打つことが必要である。そういう意味では、今の日本には良くなる兆しはあまり無い。2019年から始まったコロナ禍による、輸出国側の自国ファースト政策(自国民の食糧確保優先策)は、日本へ輸出していたサプライチェーンに寸断をもたらしている。さらに2022年からはウクライナ紛争に端を発したロシア経済封鎖である。ロシア産の魚介類の多くは、気候変動により、もともと日本海域に棲息していた魚が棲息域を北上させたものである。そのため、ロシア海域に移動したものを輸入しないと、そもそもの帳尻が合わなくなる。この影響をモロに受けているのが北海道の海産物輸入事業者などである。さらに、円安と、発展途上国が経済力を付けてきたので、外食産業が安売りを続けている日本に比し、EUやアメリカ、中国などの方が高く売れると、日本への輸出を手控える傾向が生じている。踏んだり蹴ったり、とはこのことで、失われた30年がさらに加速しそうな現状ばかりである。では、いったいどうすれば良いか?冒頭の問いに戻ると、私は「農地(休耕地/耕作放棄地)を使って陸上養殖を行うこと」これが、日本には最もフィットするのではないか、と考えた。

美しい田園風景も地方都市の魅力の一つだ。日本人の多くは、美しい景観に郷愁の想いを抱くのではないだろうか?その地方都市に担い手が居ないために、荒廃してきている。一方で、陸上養殖を行うには土地が要る。可能なら東南アジアのように広大な面積で行えば採算も取りやすくなる。しかも、同じ農林水産省管下だ。農業・水産業、どっちを行おうとも同じ監督官庁、国民の食糧自給率を下支えする、という理に合致する。

荒廃する農地を陸上養殖地に変え、農地の荒廃に歯止めを掛け、日本の漁業生産量をリカバリーすること、これが私の描いたソリューションである。そして、日本では初となる、農地を陸上養殖地に活用する農地転用の許可を得た。2020年、起案から4年を要した。



Profile
平野 彩/平野雄晟
環境活動家。多くの環境ボランティア活動を行い、環境を改善するためには資本主義の仕組みを改善しながら活用することが必要と感じ、現在、第一次産業に環境技術を導入し、商業化する取組みを開始。千葉県安房郡鋸南町を拠点に、以下の4社を経営している。
■ 株式会社Global Green Marketing(環境商材の開発、営業代行) 
■ 株式会社Seaside Consulting(陸上養殖)
■ 株式会社Co-GII(就労継続支援B型事業、障がい者グループホーム)
■ 株式会社Earth Keeper(認定農業者、農地所有適格法人)

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パブリシティ 畑でエビ養殖!?休耕地増加や環境破壊憂い常識覆す(テレビ朝日)
https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000235092.htm

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