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地球をあきらめない 〜私が考える、21世紀に人類がやるべきこと〜 (6)

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序文(Introduction)
1. 総論 なぜ地球をあきらめる必要がある?なぜその議論が出るのか?
① 多くの誤解とその理由
② 温暖化と気候変動
③ 環境問題のとらえ方と解の導き方
④ 具体的な取組みと長期的なビジョン
2. 陸上養殖の取組み
⑤ 海洋資源は今後どうなっていくのか?
⑥ 畑で養殖?水産業は思い込みを排除し、新たな道へ
⑦ 儲けからではなく、環境から逆算する思考を持とう!
⑧ 農地活用を阻む、抵抗勢力の正体
⑨ 日本を水産物の輸出国へ、新たな取組みの開始
3. 農業の取組み
⑩ なぜ、若者は農業をやりたがらないのか?
⑪ 農業を取り巻く「情報格差」の絶望
⑫ 環境問題からみる農業の重要性
⑬ 具体的な取組みと長期的なビジョン
4. 健康と福祉の取組み
⑭ 健康と福祉の相関。皆、つながっている
⑮ 人は、地球以上には健康にはなれない
⑯ 障がい者福祉について思うこと
⑰ 世界標準にしたい、新たな取組み
あとがき

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2. 陸上養殖の取組み
⑤ 海洋資源は今後どうなっていくのか?
漁業はあらゆる産業の中で、最も原始的(Primitive)な産業である。一方、農業は、人類は約1万年前である紀元前8,000年頃から始めたとされている。地球が比較的温暖な間氷期に入ると、西アジアの「肥沃な三日月地帯」と呼ばれる地域を起源とし、農耕や牧畜を始め、世界に広がり、現在に至る。ムギやマメの栽培、ヤギやヒツジ、ウシ、ブタの牧畜を行っていたそうだ。日本においても弥生時代(紀元前300年頃)から水田稲作農耕を始め、過去1万年続いた採集・狩猟・漁労を生業とする縄文時代を終えた。その農業に較べ、未だに狩猟採集を行っているのが漁業である。

狩猟採集が続けば、生態系が壊れる。当たり前のことだ。魚は食物連鎖の厳しい環境を生き抜いた個体が子孫を残すことで種が絶滅を免れる。その捕食する/されるの生態系は見事なまでに完成されており、均衡を保つものだ。自然界は過剰に捕食しない。お金のためにルールを破ることはしない。いつもそうだが、人間が関与すると、生態系は壊れる。その当たり前のことをまず、理解しなければならない。例えば、漁業の近代化などといって、生産効率を上げることが推奨される。例えば、釣漁業よりも、網漁業の方が効率的だ。網漁業の中でも底曳網は最強だ。もちろん採りたい魚によって手法は変わるのだが、底曳網は網の張られたエリアの海面から水底までの魚が一網打尽となる。そのため禁漁期間があり、その禁漁が解禁となる期間は限られていると聞く。国際的な規制もある。魚の取りすぎによる水産資源の減少は世界的な問題となっており、各国では、自国資源の減少に歯止めをかけるために、魚の種類ごとに、毎年、獲ってもよい漁獲量を制限している。このように、国が漁獲量の上限を定めたものをTAC(総漁獲可能量)という。TACを守るための方法には、漁業者同士が自由競争で魚介類を取り、漁獲量がTACに達したところで操業を止める方法や、漁業者、団体、漁船などに予め漁獲量を割り当てる方法などがあるそうだ。日本では、巻き網、底曳網、さんま棒受け網などといった漁業種別、都道府県別に配分された量をもとに、漁業者や組合などが話しあって漁獲量を管理しているそうだ。しかし、全体の漁獲量の上限が決まっていても、漁業者同士で競争する以上、結果的に管理が行き届かず、上限量を超えることも少なくないといわれている。

人間がルールを決めようが、そのルール通り運用することは難しいものだ。だが、ルールは絶対に必要だ。ルールが無ければ、おカネのために魂まで売り飛ばした強欲資本主義が生態系を完膚なきまでに破壊することは目に見えている。私はそのルールを見直す必要があると考えている。それは、世界が足並みを揃えて、段階的に狩猟採集型の漁業を止め、養殖に移行することである。100年以上かかっても良い。結果的に100%で無くても良い。だが、人間が食べるものは、人為的に創り出すことを原則とすること。そうしないと自然界は均衡を保てないのだ。現在、世界全体で30,000種以上の生物が絶滅の危機にあるそうだ。これは評価を受けている生物の27%であり、確認されているだけでも3割近くが絶滅危惧種であるといえる。この事実、看過して良いのだろうか?責任ある成人として、現時点で問題があるとしたら、改善することに一歩踏み出す必要があるのではないか。私は看過できない、と思い立ち、養殖業を手掛けることとした。2017年のことである。だが、養殖なら何でも良い、という訳ではない。海面(海の中に生簀を作る)養殖、かけ流し(換水する)養殖は、養殖で汚染した汚水を自然界に放流する行いであることは前回述べた。世界の養殖の在り方をデザインする場合、「閉鎖式循環陸上養殖システム」という自然界とは切り離された環境下で行われる環境負荷が少ない手法が、一定割合で採られるべきである。では、その陸上養殖はどこで行われるべきか?だが、日本には28万haの休耕農地、耕作放棄地がある。次回は、私が日本で初めて行った(*)とされる「農地を活用した陸上養殖」について述べる。(*)鋸南町調べ



Profile
平野 彩/平野雄晟
環境活動家。多くの環境ボランティア活動を行い、環境を改善するためには資本主義の仕組みを改善しながら活用することが必要と感じ、現在、第一次産業に環境技術を導入し、商業化する取組みを開始。千葉県安房郡鋸南町を拠点に、以下の4社を経営している。
■ 株式会社Global Green Marketing(環境商材の開発、営業代行) 
■ 株式会社Seaside Consulting(陸上養殖)
■ 株式会社Co-GII(就労継続支援B型事業、障がい者グループホーム)
■ 株式会社Earth Keeper(認定農業者、農地所有適格法人)

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パブリシティ 畑でエビ養殖!?休耕地増加や環境破壊憂い常識覆す(テレビ朝日)
https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000235092.htm

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