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【山本剛志のメルマガVol.002】緊急事態宣言で苦悩するラーメン店・飲食店

メルマガをお読みいただき、ありがとうございます。
ラーメン評論家の山本剛志です。
このメルマガでは、ラーメンのそのものの情報だけでなく、
ラーメンに関連する色々な話をしていければと思います。

--目次--
1.山本剛志のコラム「20時の町」
2.ラーメンブックレビュー
3.ご質問受け付けます
4.SNSやってます

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1.山本剛志のコラム「20時の町」
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新型コロナ感染拡大の影響を受け、昨年に続いて2回目の「緊急事態宣言」が、1/8に東京と隣接県の1都3県に。続いて大阪などの7府県にも発令されました(2/7まで)。

昨年の緊急事態宣言と異なり、営業時間短縮が飲食店に求められている以外の具体的な規制がなく、飲食店を狙い撃ちにされたと感じる一方で、営業時間を短縮した飲食店には協力金が支給されることで「飲食店だけずるい」といった反発もあり、世論が分断されていると感じる状況です。

飲食店での「会食」が、コロナウイルスの感染拡大に繋がっているとの指摘がある一方で、「会食」を制限するなら「20時から翌5時まで」という要請は合理性を欠く上、会話が中心の「会食」と、会話を伴わない「個食」の違いが考慮されていないように感じられます。

もちろん、ラーメン店は「会食」よりも「個食」に向いている形態です。そんなラーメン店も、多くは営業時間短縮の要請を受け入れています。20時になると、東京の飲食店は一斉に明かりを落とし、北風の吹く町は暗闇が広がります。

もちろん、ラーメン店もただ営業時間を短くしているわけではなく、昼の中休みを返上して通し営業する店や、朝から営業する努力も発揮しています。ただ、中休みの時間帯はもともと人通りが少なく、朝からラーメンを食べる人が多くないという状況で、苦労していると思います。

昨年の緊急事態宣言期間中には「通販」や「宅配」への対応が多くみられましたが、ラーメンは麺の茹で加減が作り手の腕で決める部分なのですが、冷凍品の通販ではその茹で加減を食べ手に任せざるをえず。UberEatsは宅配時にスープがこぼれるなど、クオリティを保つのに多くの課題が発生しました。今年の緊急事態宣言を受けての、これらへの動きが多く見えてこないのも、昨年の状況を見て、積極的には動けなくなっている状況と思われます。

「営業時間を短くした分、仕込みを減らせばいい」という声も聞きましたが、全ての分量を半分にしたからといって、同じ味のスープが半分作れるわけではないのがラーメン店。光熱費や人件費は減らず、スープを翌日に使いまわせるとも限らないので、その場合はコストが大幅に変わってしまいます。

ラーメン店以外の飲食店も、これまでの常識が通用せずに苦労している。ニュースを見ていたら「横浜中華街は、ランチだというのに閉店している店が多く」という描写があった。中華街の高級店は、ディナーの予約の為の仕込みや準備を昼から始めていて、その片手間にランチを行い、食材の余りを活用したりしているケースが多い。20時閉店だけでなく、早い時間のディナーも予約が入らないなら、ランチも含めて休業する事になる。そういったミスマッチが各所で発生している。

営業時間短縮で苦悩しているのは、もちろんラーメン店だけではありません。国内外で43店舗を手掛ける「グローバルダイニング」は、今年の緊急事態宣言に対しては通常営業する事を宣言し、居酒屋チェーンの「モンテローザ」は、都内61軒を閉店させると発表。イタリアンファミレス「サイゼリヤ」の社長は、ランチも自粛するように求めた大臣の発言に「ふざけんなよ」と発言したことが反響を集めている。

1店舗だけを持つ個人店と、大手外食チェーンが、同じ金額の協力金しか得られないのであれば、大手外食企業は負担には耐えきれず、逆に夜遅くまで営業しても、自粛傾向にある夜の街では多くの来客は望めない。「会食」ではなく「飲食」そのものを抑えるのがウイルス拡散防止になるのであれば、国が十分な金額の補償を先に周知した上で営業停止を求める以外に方策はないのではないでしょうか。

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2.ラーメンブックレビュー
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ここでは、ラーメンや食に関わる、自分が読んだ本を紹介します。

『埼玉「裏町メシ屋」街道旅』(刈部山本,光文社知恵の森文庫,2020)

amazon・楽天ブックスへのリンクは、こちらからどうぞ。
https://ameblo.jp/ramania/entry-12650457761.html

今回紹介するのは、地元密着系の食事に詳しい刈部山本さんが著した文庫です。この本は2011年から2017年にかけて同人誌で発表された、埼玉県に関する町歩きと食べ歩きの記録をまとめています。東京に対するコンプレックスを抱いていた昭和の思い出から、埼玉県各地の町の様子と、そこに生きる食堂を次々と紹介しています。

「川口」「西川口~蕨」「大宮~川越」「川越」「行田~熊谷~深谷」「秩父」といったそれぞれのエリアを訪れた時の様子が描写されているが、ラーメン好きとしてまず熟読したいのは「ラーメンショップ路線バスの旅」の章。埼玉県南東部の4軒の「ラーメンショップ」を、路線バスを乗り継ぎながら巡る旅。ロードサイドに多いラーメンショップを、路線バスなら巡れるのではないかというアイデアで訪問されています。手頃な値段で満足感高いラーメンショップを、独特の筆致で語っています。

他の章でも、町中華やラーメン専門店が折に触れて紹介されています。「来々軒@川口」「永楽@熊谷」といった知られている店だけでなく、騎西町や東宮原といった、観光コラムでは普通取り上げられない場所にある「ラーメンショップ」も紹介。

町の様子の変化を取り上げている本なので、閉店してしまった店も少なからずあります。ここでは普通に紹介された店でも、本を出す時点で閉店が分かってその旨が記載されている店もあれば、北浦和の「仙龍」のように、出版後に閉店してしまった店もあります。本を読んでそれらを惜しむ気持ちと、町の現状を歩いて確認しておこうという意欲が湧く本でもあります。

「あとがき」では、埼玉県でも取り上げられなかったエリアがあった事を悔やんでいる筆者だが、そこに埼玉県の広さを実感する。そして、町を細かく語れる人がそれぞれにいる事が大事と感じる。皆が自分の町を温かく見つめる、そんな視点が今後求められていると感じる。

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3.「ご質問受け付けます」
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このメルマガ、まだまだ方向性が決まっていません(笑)
語ってほしいテーマ、知りたいことなどがありましたら、
以下の「ショップページ」の「お問い合わせ」からご連絡下さい。
https://home.tsuku2.jp/storeDetail.php?scd=0000129018
なお、「お薦めラーメン店を教えてください」というご質問も受け付けますが、
その場合は「エリア」「あっさりorこってり」のご指定をお願いします。
絞り切れないので(笑)

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4.「SNSやってます」
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以下の通り、SNSやブログもやっています。フォローいただければ幸いです。
Instagram:https://www.instagram.com/rawota/
Facebook:https://www.facebook.com/RamenYAMAMOTOTakeshi
twitter:https://twitter.com/rawota
ブログ:https://ameblo.jp/ramania

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編集後記:
取りあえず、月2回の発行を予定しています。
次回は2/1頃に発行予定です。

発行:合同会社山本たけし総合事務所
E-Mail:officeyamamototakeshi@gmail.com
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