おはようございます。

今週は漢方ウィークで、
連日、漢方薬の講義がありました。
新たな知見もあり、
まだまだ勉強が必要だと痛感致します。

漢方薬で、
あらゆる方のご相談に対応できるよう、
日々精進を重ねて参ります。

神奈川基礎中医学研究会において、
先日の講義より、
「のぼせとほてりの漢方」
について自分の復習も兼ねて配信させて頂きます。

「のぼせ」とは「逆上せ」と書き、
頭や顔などに『異常な熱さ』を感じ、
頭がぼーっとしたり、頭痛、顔面の紅潮、発汗、鼻血、動悸など
主に体の上部に症状が出ることを言います。

「ほてり」は「火照り」と書き、
自律神経のバランスの乱れや更年期障害などによって慢性的に引き起こされやすい症状です。

原因としてはどちらも共通のものが多く、

・邪氣（風・寒・熱）の侵襲によるもの
・「肝」の氣が上昇してしまい体の上部に症状が出る（いわゆる『氣逆』という症状）
・『陰（＝体の血・水）』の不足によるもの
・冷えによるもので体の内部は冷えているのに、表面だけ熱く感じる（『真寒仮熱』という症状）
・更年期障害によるホットフラッシュ（『肝血不足』『氣滞鬱熱』という症状）

このように、
単に「のぼせ」や「ほてり」の相談と言っても原因は様々です。


その中でも最も相談の多い症例としては、
『肝血不足』『氣滞鬱熱』による更年期障害の方によく見られる「ホットフラッシュ」が挙げられます。


『血』が不足すると単に「貧血」というだけでなく、
身体中を巡る元氣のもとの『氣』を巡らすこともできず、
熱がこもってしまい（鬱熱）、
イライラや不安感、めまい、肩こり、耳鳴り（高い音）、頭痛、生理不順、動悸などの症状が現れてしまいます。

こんな方に用いる漢方薬として『女神散（にょしんさん）』というものがあります。
いまこそ、「ホットフラッシュ」などの更年期症状でお悩みの方が多く、
女性に使われることが多いですが、

元々は『安栄湯（あんえいとう）』という名で、
「『軍中七氣』を治する方なり」と昔の文献にありました。

戦争中などで兵士に訪れる『七情の氣』＝七種類の感情
喜・怒・哀・懼（おそれ）・愛・悪（にくむ）・慾（よく）

これら七つの感情が入り乱れることで、氣疾（鬱症状、神経症）を引き起こす。
と考えられ、その際に用いられていた漢方薬という歴史があります。

現代になり、
「婦人の『血の道症』（＝血にまつわるトラブルあれこれ）に用いて大変効果が認められた」とのことで、
「浅田飴」で有名？な浅田宗伯という方が、
この漢方を『女神散（にょしんさん）』と改名したそうです。

そのためもちろん男性でも使えます。
「のぼせ」の症状がある「不安神経症」の方などにおすすめです。


とりわけ、秋ということで、
身体に悪さをする邪氣『燥邪』によって、
からだは乾き、潤いを失うことで身体を冷やすことができないために、
乾燥肌でも赤くなっている方を見かけます。

そういった「潤い不足」による「のぼせ」が顕著な方に対して、
「清熱」作用のある生薬が3種類含まれる『女神散』を用いることで、
熱を冷まし、
さらに『血』を補い、巡りを改善する作用や、
『氣』を補い、鬱々とした『氣』を発散させる生薬などなど

13種類も配合される漢方薬になります。

秋の夜長で夜ふかしすることも、
『陰』を消耗してしまいますのでご注意を！

夜は22時には、
子どもを寝かしつけながら先に自分が寝てしまう、
という生活が続いているおかげで、
毎日を元氣に過ごしています♪

中医学では22時〜2時の時間帯に『陰』を補うとされ、
この時間は特に睡眠が大切になります。

是非、生活にも中医学を取り入れて健康に毎日を過ごせますように♪

国際中医師
島田　幸一
でした。

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