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『成幸の法則2022』9.13
垢抜けとは諦、張りのある意気地、色っぽさは媚態
<九鬼周造>
今日の名言は、「粋(いき)」についての表現です。
近頃では、「あの人は「粋」だねぇ」といった言葉は、ほとんど耳にしなくなりました。
「粋」とは、垢抜けしていること。そして、それは、諦念(ていねん)を上手に使うことだそうです。
いかにすばらしいことでも、最後まで追求すれば良いというものではなく、適当な位置取りで諦めることによって、すべてが丸く収まる、これが「粋」なのだそうです。
そして、自分の生涯をかけた目標に氣力をもって向かうのが「意気地」ですが、ライバルが現れたら道を譲ることも「粋」な振る舞いです。
そして、最後の媚態は、すなわち色気です。
色氣とは、そもそも生命のあふれ出ることです。
それは、いつも躍動する心を抱いて事に臨むこと。
「粋」な生き方をしたいものです。
一般的に「粋」の反対語は「野暮」です。
似たような対の言葉に、「上品・下品」「派手・地味」「渋み・甘み」
などがありますが、どれも「粋・野暮」のニュアンスとは違います。
今の日本には「粋」な人が生まれる環境がなくなってしまったのでしょうか。
いやしかし、私たちのDNAには、「粋」だと感じるものを判別するセンサーは、脈々と受け継がれています。
私たちが、春の桜や秋の紅葉に心を奪われるのは、その儚さに「粋」を感じているからに他なりません。
バラや向日葵もとても素敵な花ですが、そのハッキリとした姿は「粋」とは真逆な存在かもしれません。
露骨な表現は「野暮」であり、「粋」という美意識は、奥に秘められた物事の暗示に氣付かせられる様(さま)なのです。
江戸時代の価値観の大きな一つが「粋」か「野暮」かだったのでしょう。
私たちは、直ぐに「正しいか」「間違っているか」という二軸で物事を捉えようとしてしまいます。
しかし、「豊かな生活=成幸」のためには、「貴方ほんとに「粋」だねぇ」と言えるような感性も、持ち合わせたいものですね。
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※シェア元は私のメンター
成幸コンシェルジュ
”見る人を幸せにする” 人見幸男先生です
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