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「わがまま」こそが「素直な気持ち」


「子どものわがままに対して、一体どのように対応したらいいのか?」
3歳を過ぎるころから小学校中学年くらいまでの間に、親御さんから最も多く受ける質問です。

まずは「わがまま」とは一体何なのか。
世の中で「わがまま」と呼ばれているものの正体を分析してみます。
「わがまま」の本質を私たちが見極めていれば、子どものわがままがどんな形で現れてきても適切な対処法をその場で考え出すことが出来ます。
「わがまま」とよくセットで登場する言葉に「素直」があります。
「素直」は「わがまま」の反対の意味でつかわれる時が多いですが、時には「わがまま」と同じ意味で使われる場合もあります。

どうしてそんな矛盾が生じるのでしょうか?例をあげて考えてみます。
お母さんが「太陽の絵を赤いクレヨンで塗ってね」といいました。
A君は「うん、分かった」と言って赤いクレヨンで塗り始めました。
B君は「いやだな、ぼくは太陽は黄色に見えるんだ。黄色で塗るよ。」と黄色で塗りました。
さて、素直な子どもは二人のうちどちらでしょうか?わがままな子どもはどちらでしょうか?

「A君が素直だ」という人もいれば、「B君の方が自分の心に素直だ」という人もいるでしょう。
「素直」という言葉は「従順」という意味も持ちます。
「逆らわず従う」ということですが、何に対して「逆らわず従うのか」がA君とB君の違いです。

親や先生をはじめとして「他人の意見に」逆らわず従うのがA君。
自分自身の「正直な気持ちに」逆らわず従うのがB君。
皆さんはお子さんにどちらのタイプに育ってほしいですか?
次にちょっと言い方を変えてみます。

何も考えず、他人の言いなりになるのがA君。
自分の考えを持っていて、意見を述べられるのがB君。
皆さんはお子さんにどちらのタイプに育ってほしいでしょうか?

きっとB君を選ぶ方が多いと思いますが、けれどもB君のような行動ばかりでは周囲とうまくやっていけないのではないか・・と悩まれた方も多いと思います。
皆さん、「自分の考えをしっかりと持つ子」には育って欲しいのではないでしょうか?
ただし、「考えを持つこと」と「行動すること」は別ですよね。
ここをしっかりと分けて考えると、我が子への適切な対応が見えてきます。

認知神経学や心理学において「素直」というのは他人の意見に従うことなく「自分の心に従うこと」を指します。
喜怒哀楽という感情は大脳辺縁系の「反応」です。
ですから「怒りでも喜びでも悲しみでも、その感情を感じること自体」には良いも悪いもありません。
感情を不適切な行動で表現する習慣がついてしまった時に「悪い子・悪い人」と評価されてしまうのです。
ですから、親がすべきことは、大切なことはその喜びや怒りの感情をどのように表現するか。
感情の結果、どのような行動を選択するか?についての判断材料を与えてあげることです。

大脳辺縁系は外部からの刺激に対して価値判断を行い「快情動」か「不快情動」のどちらかを発生させます。
次に大脳皮質で「過去の学習体験」を参考にしつつその情動をもとに今の自分の状況を認知します。
その認知結果を大脳辺縁系が判断して喜怒哀楽などの感情が生まれます。
ここまでの情報処理は脳の中で一瞬で行われ、意思や思考の入り込む余地はないそうです。
ですから、「本能行動」や「情動行動」は無意識に行っていると考えるべきです。

生まれて間もない赤ちゃんの行動のほとんどすべては「本能行動」であり、成長するに従って素直な感情に従う「情動行動」が増えてきます。
乳幼児は
「自分にとってどんなことが嬉しいことであるのか」
「どんなことが悲しいことであるのか」
「どんなことが怒りを感じる出来事であるのか」
を日々学習しています。
日々の経験こそが、脳の中で行われる無意識の価値判断のベースを作っているのですから、この時期に子どもがどのような出来事と感情を結びつける経験をするかは非常に重要です。

脳内に蓄積される「過去の学習体験」が少ないと、いつまでたっても赤ちゃんのような反応しか示すことの出来ない子どもになってしまいます。まずは、嬉しい経験、楽しい経験をたくさん与えることが、後の人格形成のために大切です。
そして、大きな愛情と安心感に包まれた中で、小さな悲しみや怒りといった不快感情を少しずつ経験していくことも大切です。

3歳未満の行動は9割が「情動行動」です。
そして3歳以降からその後何十年もかけて一生磨きをかけていくものが「理性行動」です。
「素直かどうか」という判定は「理性行動に対する情動行動の比率」によって評価されるものです。
子どもは誰でも情動行動の比率が非常に高いので、どの子も皆、大変「素直である」ということが出来ます。
子どもの「わがまま」というのは「情動行動」そのものです。


子どものわがままを少し見直してみましょう。
素直な気持ちからなのか、他者を困らせようとしてやっているのか、落ち着いて行動を見てあげてください。
素直な気持ちからであれば、叱ったりする必要はありません。
他者を困らせる原因になりそうなのであれば、諭すようにしっかりと言葉で伝えましょう(*^▽^*)/♡


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