よくイメージで「植物」だから安心で肌に優しい、石油だから危険で肌に悪いという広告や宣伝を見かけたり、そのような口コミやブログ、ツイートなどをネット上に見かけますが、それは本当なんでしょうか？

今日は肌に優しいと肌への安全性についてちょっとだけ書いてみたいと思います。


「植物だから肌に優しい」というイメージは実はなかなか取り除くことができず、「自然なものだから」合成したり、人工的に作り出したものでないから「優しい」と勘違いしてしまうことがあります。


しかし、ご存知のように植物の持つ力はパワフルです。薬草やメディカルハーブ、エッセンシャルオイル（精油）ハーブティー、漢方が良い例ではないでしょうか？


植物には様々な種類の微量栄養素（ファイトケミカル）が存在していて、それらのファイトケミカルには、例えば苦味を出し、匂いを出して虫に食べられないようにしたりなど、自らを守るための役割があります。

植物が生きているその環境に応じて自分自身を守り、次の世代へと残っていくるための生きる力ですね。


だから植物には様々な「治す力」や「与える力」があるわけです。その力は人間にとって毒になるものもあったり、治癒できる薬になるものもがあったり。もちろん植物が放つ芳香で時には癒したり、リラックスさせたりもしてくれるわけです。


必要な時のケアとしては植物療法はとても有効で良いかと思います。しかし肌に対して優しいかどうかとはまた別の話になります。人によって、肌に対して刺激のある成分もあるからです。

現に精油に含まれる成分もヨーロッパではアレルゲンとして表示の対象になっていたりします。

それが治療として必要なら良いのですが、そうでないのに毎日のスキンケアに取り入れることによって、いつの間にか肌にダメージを与えていることもあります。「植物だから優しいから大丈夫」というのはちょっと違うんですね。


▼▼▼アレルゲンのリストを添付しておきます▼▼▼
https://docs.google.com/spreadsheets/d/1oeysSaS3iX8MkxhAuHzqkjP7UrmfuzEsiNQzgKXDgJk/edit?usp=sharing



一方、食べるものは肌に優しいというのも同じです。ライフスタイルが自然志向だったり、オーガニックライフなどを取り入れている人はご存知だと思いますが、

「あなたは自分が食べたものでできている。You are what you eat. 」

という有名な言葉もあるので肌にも食べ物を使ってスキンケアするというところへ向かってしまうのかもしれません。


これはライフスタイルの問題でもあるので、それでいいという人もいますし、それを否定するつもりはありません。

しかし、私は化粧品や医薬部外品の製造業を長い間経営していて、普段からお客様や、化粧品業界からの声を拾っています。

正直、たくさんの事例を見聞きしてきて、やはり皆さんに知っておいて欲しいなーと思うことは「食べるものと肌につけるものは全く次元の違うものである」ということなんです。


例えばオリーブオイルを例にとってみます。オリーブオイルはサラダのドレッシングなどに使うために選ぶなら、私なら間違いなくオーガニック栽培され、コールドプレスで圧搾された自然丸ごとの状態のものを選びます。

加工されず、そのままのものを丸ごと（ホールフード）いただきたいです。そうすることで植物に含まれるビタミンやミネラル、微量栄養素までもを取り入れることができるからです。


しかし、スキンケアにそれを利用するか、と言ったらそれは100%ありません。なぜならまるごと絞ったオリーブオイルは不純物が多いためそれらが肌への刺激等になるからです。

化粧品に使う場合は不純物を取り除きできる限り純度が高い状態のものを使う方が肌への安全性は高いのです。

肌の弱い人であってもそうでない人も食用のオイルでマッサージや、保湿、メイク落とし、きゅうりやアボカドの顔パック、米ぬかでの洗顔、ハチミツやヨーグルトパックなど食べるものでスキンケアすることはお勧めしていません。食べ物でスキンケアはできません。


肌はそもそも外界の刺激から私たちを守るバリアであり、排泄器官です。汗や皮脂を出し、ターンオーバー（代謝）によって古い角質（垢）を出して行くのが本来の機能であることを忘れないでおきましょう。



今日も最後まで読んでいただきありがとうございます。


【発行者】
炭酸美容家高橋弘美
ビューティーリテラシー
by コスメチックリエゾン