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エーゲ地方のアダチャイ〜「ガレノス博物館」からのお便りです〜No.5

すっかり梅雨になりましたね。
いかがお過ごしでしょうか。

蒸し暑かったり、寒かったりで、体調を崩してしまいそうです。
私は、そういう時には「駱駝の腹巻」を使っています。
トルコ製の整形外科で使っているコルセットなのですが、駱駝の毛に似せた繊維で出来ていてあったかいのです。
そして、これは本当にダメっていうときは、仙骨あるいは丹田にホッカイロを入れてあっためます。
頭痛がしても、風邪かも、なんかやばそうっていうときも、まずこれをしています。
(近いうちに駱駝の腹巻ラッコルも上げますね)

なんか風邪かもっていうときによいのがアダチャイです。今日はアダチャイのお話です。

トルコではアダチャイというと2種類あります。
中央アナトリアでは、サルビアオフィキナリスを指しています。
しかし、エーゲ地方(エーゲ海の地方をエーゲボルゲシといいまして海はつきません)では
アダチャイは、シデリティスを指しています。

トルコからバルカン半島にかけてシデリティスが生育していましす。
ギリシャでは一番高級とされているのは「シデリティス・シリアカ」という銀色の毛でおおわれているものです。チャイ・トゥ・ヴヌー(山のお茶)と呼ばれ、主に栽培種のシデリティス・シリアカです。

同様にシデリティス茶が普及しているバルカン諸国や西ヨーロッパでは、シデリティス・スカルディカを指していて剣闘士のお茶、羊飼いのお茶、ピリン茶、ムルサルスキ茶、鉄のお茶、と多種名前があります。

トルコは、世界で最もシデリティスの種類の多い国です。約50種類あります。
コルクテリ高原、ムーラ県の山の中、ベルガマのコザック高原、などの高原地帯の岩山に自生しています。トルコのものは野生で栽培は不可能です。いまだに成功しません。


シデリティスの伝統的な使用方法について

このシデリティスの使い方であるが、紀元40年生まれのディオスコリデスの「薬物誌」に記載があります。「シデリティス・ロマーナ(アイアンウォート)ヘラクレイアと呼ばれる。ニガハッカのような葉をもっていて、セージやオークよりも細長く小さくザラザラしている。それは四角い茎で背が高く、味は悪くなく、少し苦味がある。(茎には)間隔をあけて丸い花被(椎と書かれている)がある。黒い種があるのはニガハッカとよく似ていて、岩山で育つ。被覆した時に、傷が塞がり、炎症を防ぐ。」

2011年ベルガマ市が発行した「ベルガマ生まれの医師ガレノス」著作にはベルガマ地域での薬草について記述されており、アダチャイは胃の痛みや寒い時に煮出して飲む。と記されています。

トルコにおける民族薬学的研究においては、サルギンらによるマニサ(エーゲ地方)とメルシン(地中海地方)の調査の中にシデリティスがあり、消化不良、下痢、呼吸器疾患、インフルエンザ、水虫、結石、胃腸疾患に一日に2-3回の茶として地上部分の浸漬飲用が見られます。

 普通の飲み方は、花穂や葉をカップに入れてお湯を入れて飲む、レモンを添える。という感じでしょうか。

剣闘士が、血を流して虫の息の時に、このシデリティスを飲むと、交感神経が興奮して「死んでたまるかい」と生命維持が働くのです。
ですので、ここ一番というときや、朝いちばんに頑張るぞ~っていうときにお勧めなのです。

夜寝る前は、寝られなくなるので飲まないようにしてくださいね。


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アダチャイ販売しています。ベルガマのものは野生でしか育ちません。ぜひお試しあれ。
https://ecsp.tsuku2.jp/viewDetail.php?itemCd=01040612611032


解剖学と生理学を全40回 1と2で学びます。学生時代に解剖や生理をいい加減に済ませてしまって、今になって患者さん相手に困っている治療家、鍼灸師、柔整師、整体、ハーブの先生、ヒーラーなどの方々を対象にした授業です。ズームを使いますので働いている方にもおすすめです。
ガレノス協会の試験を受験すると認定されます。
https://ticket.tsuku2.jp/eventsDetail.php?ecd=15670041803022 

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以前のガレノスファームを、ツクツクに移動して「ガレノス博物館」という名前でやっています。ベルガマの遺跡を発掘する費用を捻出するためです。ぜひご協力ください。
https://home.tsuku2.jp/storeDetail.php?scd=0000097707

日本ガレノス協会もよろしくお願いいたします。
https://galenus-pergamon.wixsite.com/galenus

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