助産師は国家資格ですが、助産教育の中に「母乳育児」はカリキュラムにないんですね。もちろん、母乳マッサージを授業で習うこともないのです。概論はありますよ。でも具体的なことって習わないのです。実習先や現場に出て、助産師も壁にぶち当たるのです。お母さんと一緒ですね。

先輩助産師がすることをマネたり、参考書で勉強したり、開業助産師さんの話を伺ったり、勉強会や研修会に参加しながら知識を得て、なんとかお母さん達の疑問や不安に応え、どうやったら母乳育児がうまくいくのか経験を重ねていくしか方法はありません。

母乳育児のさまざまな団体はあるのですが、「知識」と「技」を持ち合わせ、お母さん方から多く支持されているのは「桶谷式」だと、今も昔も変わらずそう思います。
母乳のことはやはり「桶谷式」です！

桶谷そとみ先生は、生きていらっしゃったら１０５歳くらいになられるでしょうか。桶谷先生にかかれば、赤ちゃんの肌ツヤ、目の輝き、骨格、肉付きがどんどん変わります。母乳トラブルが解消されるだけでなく、母乳を飲む赤ちゃんにも好影響がもたらされます。先生は、おっぱいをみるだけで、お母さんの全身の状態、過去の妊娠歴まで分かったそうですよ。桶谷先生の「手技」を後世に残すために、数多くの医師、助産師、そしてお母さんたちの働きかけがあり、現在は、公益社団法人桶谷母乳育児推進協会として４０年以上経った今も大切に受け継がれています。次回からは、桶谷式母乳育児の魅力を少しづつお話ししていきますね。