こちらは息吹呼吸法の江田祥子のメールマガジンです。

日本に古代から伝わる日本の古醫道を紹介しています。

6月7日（昨夜）さいたまスーパーアリーナで

井上尚弥とフィリピン人のドネアの試合が行われました。

ご縁ありまして、井上尚弥の試合は数試合リアルで見ています。

遡る事10年、2012年のデビュー前の公開スパーリングを見た時、

相手をするチャンピオン黒田雅之を倒さんばかりの勢いで

「なんかすごい子が出てきたなぁ」

と会場が騒ついたのを見たのが最初でした。

https://ja.wikipedia.org/wiki/井上尚弥#プロキャリア


昨夜は我が地元の川崎新田ジム所属の古橋岳也も

井上尚弥の弟、拓真と戦ったので応援も兼ねて行ってきました。

古橋の事は10年以上見てきて、

拓真とは格が違うとの前評判で、

「何ラウンドもつかなぁ」

「観客に圧倒されちゃうんじゃないか」

と噂されれていたけど、

12ラウンドを戦いきった。

確かに力の差は歴然としていたけど、

逃げる事なく最後の最後まで果敢に攻めて、

打たれても打たれても向かって行くその姿に

多くの人は大きな感動をもらったに違いないと思う。

まるで「明日のジョー」そのものだった。

試合後の勝者のインタビューでこれからの抱負を語りつつ

「自分のボクシングがさせてもらえなかった」と古橋を讃えた拓真の言葉に

私はじ〜んときてしまった。

そうだ、勝者はおごってはならない。

その試合では勝ったとしても

平家物語でも言っている様に

「奢る平家は久しからず」であるからだ。

奢った瞬間に負けなのだ。

それに引き換えというかちょっと残念だったのは

平岡アンディの試合だ。

格下の相手に対して、試合中のおちょくる様な態度には

正直ガッカリしてしまった。

もちろん勝ったけれど。

試合後の

「こんなにたくさんの観客の前で試合ができるので、

少しでも長くやりたかったから、6ラウンドまでやった」という話には

ガッカリ度数をさらにアップさせられてしまった。

格闘技の選手は試合前に相手を威嚇したり

自分を鼓舞するためにある意味

「大口をたたく」。

だけど、試合の後は、謙虚に相手を尊重するのが

私たち日本人の姿ではないかと思うのです。

あの辰吉丈一郎もそうだったですよね。

あの試合後の姿に、老若男女全ての人が

彼を見直し、嫌いだった人も涙腺が緩んだはず。

アンディはまだ若い。

これから日本を背負って世界に出るつもりなら

そこらへんのところも是非、学んでいって欲しい。

そうでないと勝ち続けるのは難しいと思うから。

大橋会長、ボクシングのテクニック以外のご指導もよろしくお願いします。

そしてその何もかもが素晴らしかったのが井上尚弥だ。

もちろん、一部の隙もなかったのは言うまでもない。

テクニックがどうのという話は私にはできない。

けれど、剣道でいうならば気剣体の一致。

拳は剣である。

繰り出されるパンチの全てが

心と技と身体が一体となっていた。

1発で倒すには気剣体の一致でないとダメージを与えるパンチは出せない。

日々の練習の積み重ね、

勝ちたいというより、なんだろう、この感覚

相手に何もさせないくらい封じ込めるという強い思い。

その全てがあの1ラウンドと少々の中に込められていたと思う。

相手を尊重し、強いと認めているから

相手にも1発で倒せる強打をもっていると分かっているから

隙を与えない。

全身全霊を込めた品格のある246秒だったと思う。

少しでも奢る気持ちがあったら、

あの試合はできないと思う。

高いチケットを購入した身としては

「少しでも長く試合を見たい」と思うかもしれない。

だけど、昨夜の246秒だけは違った。

観客が見てみたかった

「こんな風だったらモンスターだよな」と思い描く試合を

やってのけた。いや、やってくれた。

みんな心の中で叫んだと思う。

「ありがとう」と。

そして美しかったのは敗者ドネアへの観客の歓声と拍手。

そこにも10数年もの間、王者だった者への「ありがとう」と畏敬の念があったと思う。

そんな時、日本人は美しいと私は思う。

ドネアがいたから今の井上尚弥があって、

私たちが目撃者になれた。

試合後は仲間たちと下北沢に繰り出して、遅くまで騒いで飲んだ。

遅く着いた私たちを暖かく迎え入れ、

宴が深夜に及んでも、最後まで安心して過ごさせてくれた

焼き鳥「Shin」のご夫婦。

https://tabelog.com/tokyo/A1318/A131802/13151415/

久しぶりに心が揺さぶられた夜でした。

その全てに感謝の気持ちを伝えたい。

みんな、みんなありがとう♡

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