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ロストワックスキャスティングについて・その2

前回、ワックスからゴム型までの工程をさらっと書きましたが、今日はワックス原型そのものについての製作の注意点をご紹介します。

作ったワックスの原型は、そのまま金属で形のとおり出来上がるか?
答えは否。です。
いくつかの条件を揃えてあげることで、目的とする形に鋳造することが出来ます。

条件1.厚みは0.6mm以上。ゴム型をとるなら0.8mm以上
条件2.金属が流れる道筋を考える(流れを妨げる形状は避ける)
条件3.気泡は不可(密閉された空洞は無理)

理由は以下の通り

厚み0.6mmは、一つ石のリングの石の爪の太さを目安にしています。
もっと細かいラインも出ないことはないのですが、形状により。です。

鋳造の時の金属が流れる道筋は、凸凹で、広く・狭くの繰り返しでは流れの障害になります。
厚みがありすぎると、その部分が最後まで熱を持つため、地金が凝固する際に引けてしまいます(表面が凹む)
引けを防ぐためと、重量を減らすためにも出来るだけ均一な厚みになるように心がけます。その作業の一つが裏抜きです。
ワックス内部に残った気泡や凸凹は鋳造の際、欠損の原因となります。

また、湯道という金属の流れる入口を付けねばなりません。
大体は、専門の鋳造業者さんにお任せする部分ではありますが、全体に模様が入っている場合や、全体が難解な立体物の場合、鋳造を断られることもあります。

先端→中央→湯道取付位置→湯道の棒→湯口

この順番で固まるように、鋳造屋さんは考えて湯道位置を決め、鋳造してくれるので、作る側もそれをある程度は理解する必要があります。

上記については、初めから理解して作るのは難しく、初心者さんはまずは完成させることに集中しがちなので、出来上がった状態から鋳造したらどうなるか。それを繰り返して理解していくことになります。
どうしてもデザイン重視になりがちなので、物理的な問題をクリアするためにはどうするか。
ワックスからつながる作りを学ぶことの課題となります。
ワックスですべてが完成するわけではありません。しかし、ワックスが仕上がりを左右するのは間違いないです。

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受講生さんからの質問より(貴金属の講座中の会話より)

幅8mmの平打ちリングで、石幅2mm×厚み1.5mmの石を留めます。指輪の厚みは?
 →1.8mmあれば埋め込み、彫留め可能です。穴を沈めすぎないように注意しましょう。

プラチナで希望されていて、一周同じ幅・厚みを希望されているんですが、そうすると重たいから値段が高くなっちゃいますよね。
→その場合は、ワックスで裏抜きがお勧めです。裏抜きして軽量化をすれば、重量調整が可能です。ただし、指なじみよく、肌にあたる部分が薄くならないように注意しましょう。

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慣れてくると、ワックスはとても便利です。
そういう私も原型はワックス制作です。
それぞれのメリットをうまく生かして制作していきましょう。

文中のわかりにくい表現は、教室でどんどん質問してください。

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クラフトルームHAKATA
井手千亜紀

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