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映画評「記憶にございません!」

政治劇としてリアリティが無いとか、風刺が足りないとか言っている人がいますが、本当に何も見えないのだなと、うっすら感動をおぼえてしまいました。




三谷さんが"政治劇"など書くはずがありませんし、彼は、今まで作品に風刺など効かせた事もありません。一貫してコメディ(喜劇)にこだわってきました。

その意味で、新作映画「記憶にございません!」は、安定の作品といえなくもありません。佐藤浩市さんや斉藤由貴さんといった、三谷作品の常連(映画、舞台それぞれ)がでているところも大きい。

それでも、テンポの作り方とか、ストーリーにあえて"ドタバタ劇"的な得意技を封じて、ドラマを観客に見せる映画づくりが、新しい魅力を生み出したとおもう。

日本には、本当に素敵な役者がたくさんいるなあ、と画面をみつめながらとにかく「人」に魅せられる映画です。主演の中井貴一さんが本当にすばらしい。ディーン・フジオカさんが二枚目すぎます。所作だけで女性は夢中になるでしょう。夢中といえば、彼の愛人役にして総理夫人を演じる石田ゆりこさんが、かわいすぎます。おじさんのうち、たぶん10人のうち11人は彼女と不倫したいとおもう。

舞台で三谷さんにコメディアンとしての一面を開花させられた草刈正雄さんは、今回シリアスな悪役官房長官を名演されています。佐藤浩市さんは、ものすごい喜劇俳優なんだけど、三谷さんの作品以外では、いつも真面目な男前しか演じていません。水を得た魚のようなおバカぶり。

いつかこの人で三谷作品の主演を演じさせたい美人な小池栄子さんや、往年の三谷ファンは「おかえりなさい!」と喝采をおくりたくなる斉藤由貴さん。まさかのアメリカ大統領(!)役をやりきる木村佳乃さんもいいけど、個人的にはエロすぎる吉田羊さんに感動しました。ヌードになるのかとあたふたする。

「記憶にございません!」というタイトルもいいが、実はサブタイトルはもっといい。

「Hit Me Anyone One More Time」

作品を最後までご覧になった方なら、わかると思います。人は、生き方や人生を変えられるのか?ファンタジーをつうじて、元気のでる映画です。



「記憶にございません!」公式サイト
https://kiokunashi-movie.jp/

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