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もう学校はいらない・・・か?


『学校休ませて旅行』に反対59.8%、賛成40.2% 休んででも行くメリットあるとの意見も

https://news.nifty.com/article/domestic/society/12180-089089/




こういう話が(いまだに)議論になるという事に、うっすら感動すらおぼえました。



今年こそツアーそのものが企画されなかったのでいきませんでしたが、毎年アウトドアの専門家である友人が、四万十川のカヌーくだりを企画してくれるので、毎年子供をつれて遊びにいっています。私は会社づとめではないから良いとして、子供は学校にあわせると土曜日の朝出発して、日曜の夜には米子へかえっておかないといけません。それではスケジュールがタイト・・・というか、そこまで短時間で四万十のおもしろさも何もわかりませんから、金曜日は学校をやすませて参加をしてきました。



ところが、それだと”反対派”の人は
《「一度でもズル休みをさせると、『休んでもいい』という甘い考えが身につき、社会に出てもルールが守れない子、責任感のない子になる!」》


と文句をいってくるというわけです。



ところで、家族で旅行にいくというのは「ズル休み」なのでしょうか?では、年寄りが死んで学校を休むのは?旅行をズル休みだというのなら、僕はその他あらゆる理由で学校を休むのも、ズル休みだとおもう。反対に、不幸や、たとえば病気などで学校をやすむ事はある、というのなら、同じ延長線上に「旅行で学校をやすむ」という選択肢があったっていい。


一歩ゆずって、「休んでもいい」という甘い(?)考えが身についたとして、ぜんたいそれのどこが悪いのでしょう。学校を休む事をおぼえる(しかも年に一度とか二度の家族旅行)事と、社会のルールが守れないとか、責任感がないというのは、猛烈な乖離があるはずなのですが、反対派の人にとってはイコールらしい。



ようするに、学校という場を絶対視しているのですね。



高等学校はさておき、小中学校は”義務”教育で、親は子供を学校へいかせる責任があります。また、この手の話になると、きまって国民すべてが、義務教育を受けられるようになるまでに、どれほどの先人の苦労があったか・・・という”ありがたい”話をはじめる人がいます。



おっしゃる通りでしょう。



とはいえ、いくら子供を学校にいかせる義務があるとはいえ、「該当する日時に1日も休ませずに学校にいかせる」義務があるとは、僕には思えませんし、仮にあったとしても、親子で合意ができていたとして、レクリエーションを優先して学校をやすんでも、国にどうこういわれる筋合いでもありますまい。また、先人の苦労うんぬんの話については、もうそれを持ちだしたらキリがないとしかいえないと思いますので、勘弁してください。




自分の子供が小学校へかよう年齢になったのもあり、また、広い意味で教育関係の仕事につくようになってきたのもあり、「今の普通の子供や親にとって、学校ってなんなんだろう」と、ずっとかんがえてきました。そこでいつも理解に苦しむのは、どうしてこんなにも学校を絶対視し、神格化している人が多いのだろうということです。



あえて言いましょう。学校ってそんなにエラいんですか?



福祉の現場にいくと、子供が不登校でどうしようと苦しんでいる親御さんがたくさんいます。もちろん、いかないよりいった方がいいと僕もおもう。でも、そんなに苦しんでまで学校へいく道を模索するなら、学校へいかず大人になる道も、同じくらい模索するわけにはいきませんかね。



子供の学力を総合的にどう伸ばしていくか、というのは非常に重要かつナイーブなイシューです。
私は何も学力不要論を展開しているわけではありませんし、むしろ日本の子供たちがバカにならないよう、もっと勉強をさせた方がいいと感じていますが、そのすべてを小中学校に期待するのは、どだいムチャな話であるにもかかわらず、やたらと期待している大人が多すぎます。



学校の教職員がなにか不祥事をおこすと、親の敵みたいに批判という名の公開処刑が発動されますが、これも学校というメディアに過大な期待をしている証拠であって、そもそも学校にも教職員にもたいして期待していない僕のような大人にとっては、瑣末なことにしかおもえない場合が多いです。



お、先生やってますなー。どんまい。




家族旅行で学校をやすませたからといって、子供は怠け者にも無責任にもなりませんから安心しなさいって。勉強ができなくなるのは、家族旅行が原因ではなく、あなたの子供がそもそもアホなだけかもしれません。親の顔が見てみたいもんですね。




それから話はかわりますが。




日本のごくごく一般的な家庭・・・たとえば「女性セブン」をよんで日ごろのうっぷんをはらしているような女が母親をえんじている家庭で、「家族旅行」というのは、どういうものなんでしょうか。聞くところによると、我が国のパスポート所有率は23%(!)と、4人に1人しか海外へいかないそうですから、家族旅行といっても、国内旅行が実態だとおもわれます。



国内旅行が悪いとはいいませんが、ディズニーランドやUSJといったテーマパークにいったり、ほどよい温泉で2泊3日もできたらまだいい方でしょう。それが、悪いとはいいません。そうではありませんが、たかだかそれくらいの”旅行”で



《学校だけが人生じゃない》



なーんて、鼻息あらす事でもないんじゃないですかね。《20才までに20回以上家族旅行をした人は、コミュニケーション能力や気配りに長けており、一方で10回に満たない人は、キレやすく、わがままになる傾向にあるという。》というのも、まったく意味がわかりませんでした。僕は大人になるまでほとんど旅行というものをしたことがありませんが、コミュニケーション能力や気配りは、たぶん一般的な男性より長けています(笑)。
たとえば、10日くらいかけて本州をぬけて中学生の息子が小笠原諸島の島々を旅してきたとか、ヒッチハイクだけで日本を一周してきたとか、そういうアグレッシブに人生を自働的にかえるような旅をして、はじめて”学校だけが人生じゃない”といえるのではないでしょうか。




このような記事を企画したり書いたりした人も、この程度の事で賛成だとか反対だとかいってる人も、みんな内容が小さすぎるとおもいました。ま、それをネタにメルマガ書いてる僕も小さいかもしれませんが(苦笑)

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