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錦帯橋

急遽、家族で山口へいくことになりました。宿泊先は、錦帯橋が目の前にみえるAirbnbです。




ここ数年、よほど旅館に目的がある場合(食事に力をいれているとか、露天風呂がユニークだとか)でなければ、宿泊はAirbnbをつかっています。





Airbnbは、実際にはホスト不在でアメニティや内装を充実させ、ホテルのようなビジネスを展開している人もいますが、今回は年配の女性が出迎えてくださり、朝食用にとパンや飲料を用意してくれたり、地元のグルメ情報なんかをつたえてくださり、いい意味で「おせっかいなおばちゃん」で、個人的にはうれしかった。




こんなエピソードがありました。




米子から移動をしている途中、Airbnbのアプリつうじてホストからメッセージをもらいました。





「今、今夜泊まりたいという別のゲストからリクエストがきました。松本さんは広い2階を確保しますので、一階に彼女を泊めてあげてもいいでしょうか?ただ、犬をお連れの方ですし、嫌だというなら遠慮なく言ってください。お断りしますので」




Airbnbには、このような"ハプニング"がたまにおこります。





僕としては、おもわぬ出会いでおもしろいなとかんじましたが、子供が犬嫌いなのと、妻もしらない人が一緒だと気をつかうだろうなとおもい「残念ですが、今回はお断りしてもらってもいいでしょうか?」とこたえ「へんなことをいってごめんなさいね。どうか、気にせずお越しください」、とおっしゃっていただきました。





ホテルや旅館業界と、Airbnbを代表する民泊が日本では対立していると聞きます。私は専門家ではないので、あまり問題を掘り下げることはできません。





Airbnbというのは、本質としては「SNS」です。ホストとゲストを繋げて、イベントや思い出を共有する仕組み作りが根本にありますから、ある程度の"不便"だとか、プライベートがないのは、仕方がないとおもいます。




というか、そうした不便を楽しむことができない人には、むいていません。Airbnbがホテルの仕事を邪魔していると、既得権にこだわる人がやたらと多いですが、プライバシーとラグジュアリーにフォーカスしたホテル業界とか、実は飲食業の仲間(と僕はおもっています)な旅館の世界と、Airbnbは別物です。





学者で起業家の落合陽一さんが、著者で「これから、プライバシーとかプライベートという概念は、急速になくなっていくとおもう。プライバシーにこだわる個人は『いかがわしし』か『卑猥』なことをやっているか、それか『不正』をやっているのでは、とおもわれるようになるでしょう」、という趣旨をかいておられます。




たいへん、示唆にとむ発言だとおもう。





日本では、やたらと個人情報とかプライバシーとかがさけばれていますが、インターネットと人工知能が高度に発達した世の中がくると、実はそうしたプライバシーなどという瑣末な事にこだわるのは、煩わしいと感じる人がふえてくるでしょう。別の言い方をすると「ゆるい」人のつながりが、よろこばれるようになるとおもっています。




そして、そうした世界は、むしろ江戸期まで日本では当たり前だったのでした。

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