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「 頭がふたつの鳥 」。  西連寺です。

「双頭の鷲の旗のもとに」。
運動会の時に流れていた馴染の曲、この曲が流れる中クワクして走り回っていた記憶があります。
 そして今「双頭の鷲」で思うのは、古くから伝わる権威と権力の象徴の紋としての姿です。白黒の戦争映画のオープニングも思い浮かべます。
優劣・勝ち負けのイメージで作られた曲なんでしょうか、それで焚きつけられる様に高揚して走り回っていたんでしょうか。

 実は、ひとつの胴体にふたつの首を持つ不思議な鳥、仏教経典にも出ております。
その名は「共命鳥」「共命の鳥」。(ぐみょうちょう)

清らかな悟りの国にいる六種類の鳥のうちの一種、もとはこのわたしたちの世界にも住んでいたのがこの世界では絶滅したのだと。

それは悲しい理由です。常に一緒にいるふたり、気にくわない事が積もり積もって片方がもう片方の餌に毒をもる、すると毒を食べた方は苦しんで死んでしまう。憎い奴が死んでセイセイしたのも束の間、身体がひとつですから自分にも毒が回って苦しみ命尽きてしまいます・・。

 仲たがいする理由はどれも些細な事のようです。
自分が寝ている間にアイツが一人で食べた、とか。
少々自分の方が綺麗だと思って見下している・・気がする、とか。
ひとの話聞かず自慢話ばかりして我慢ならない、とか。

近くにいるからこそ、仲が悪くなるのでしょうか。自分の思い通りにならない相手を力づくで思い通りにすれば平和になると思っているんでしょうか。思い通りにならないものは居なくなれば幸せになると思っているんでしょうか。

「共命鳥」。 違いがあっても、互いに繋がっている持ちつ持たれの存在である事が分かる世界・清らかな悟りな世界にこの鳥は生きていると。  そこから、わたしに『 あなたが生きるその世界はわたしと同じく、ひとつを生きる世界なのです 』と呼び掛けています。

 「双頭の鷲」が、権力と権威のシンボルなら、
「共命鳥」は、別々に見えても《 本来ひとつのもの 》のシンボルです。

この地球という奇跡の星の上で生かされているわたしたちです。

もともと「共命の鳥」なんですから。  わたしたち。

 こころ苦しい時、お身体とおこころのお大切を念じます。    

                 西連寺 栗山知浩   拝       

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