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高校の歴史総合教科書を比較する①

先日伊勢雅臣氏から「判定 高校歴史総合教科書」という本が送られてきました。
毎週読んでいる伊勢氏のメルマガで、こんな本を出しますという記事があったので注文していたものです。
来年度から始まる高校の「歴史総合」の教科書全7社のものを比較したものです。
比較されているのは明成社、第一学習社、山川出版社、帝国書院、清水書院、実教出版、東京書籍の7社です。
これらはいずれも文部科学省の教科書検定に合格しているものです。

教科書検定といえば、令和2年に自由社の「中学歴史教科書」が一発検定不合格になった事件がありました。
これはまさに自由社の「新しい教科書を作る会」を狙い撃ちにしたものでした。
たとえば、ロンドン軍縮会議において「米英日の補助艦の比率が10:10:7」という記述に対して、「(日本の比率が)不正確である。7ではなくて、「6,975」と書かなければならない。」といった具合であり、もういちゃもんレベルといわざるを得ない。
このようなことで一発不合格とされた自由社には同情を禁じ得ません。

高校の歴史総合教科書においても、検定のあり方はあまり変わっていないように思われます。
要するに、生徒たちに日本の歴史を教えるときに、いかに立派な人物がいたかを教えるのはよくないということのように思います。
そして逆に日本人はいかにダメな民族であるかということをすり込もうとしているかのように見えます。
終戦後の所謂「WGIP」(戦後の日本占領政策の一環としてGHQが行った日本国民再教育計画)の名残がまだ存在しているのかと危惧されてなりません。そういえば自分たちもそのような歴史教育をされたような気がします。

「大東亜戦争」を「太平洋戦争」と言い変え、戦争は絶対悪と教えられ、、軍隊は悪の権化のように刷り込まれました。
そう、「刷り込まれた」のです。だからあんな愚かな戦争を始めた戦前の日本は、全く評価すべきものはない。
なぜ日本が大国アメリカに宣戦布告をしなければならなかったのかは、全くナンセンスなこととして、語ることさえもタブー視された来ました。
戦後70年を過ぎた現在でも似たようなものではないでしょうか。

戦後の日本占領政策を信じ切って、独立を果たした後も憲法改正もしないで米軍の軍事力にすべてを任せてのほほんとしてきた結果が、現在の社会です。

いずれにせよ、結果からいうと「歴史総合の教科書」は思想誘導型のものが多く確信犯的に歴史を断罪しようという意図が見え見えのものが多く、歴史を物語的に記述するようなものはきわめて少ないということです。

今日は長くなりましたが、まだ多くの例を挙げてこのことについては考えていきたいと思います。


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