自然派ドクター 髙野弘之

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132.『迷える』若い兵士は

さて、HTLV-1というウイルスについて
昨日からの続きになるのですが
このウイルスのキャリア(ウイルス保有者)は
九州の離島や沖縄、北海道などに
偏在しているのが特徴でした。

【世界の先住民】

海外でHTLV-1キャリアが多いのは
・パプアニューギニアのメラネシア人
・アボリジニ
・アメリカインディアン
・エスキモー
・南米全域の低地民族
・南米アンデス高地の先住民
・アフリカ東部の住民
・アフリカのピグミー族…等です。

中国や朝鮮半島ではキャリアが存在せず
昔から高キャリア率を維持している対馬の
対岸に位置する(その距離50kg弱の)釜山ですら
ゼロだったそうです。

【縄文ウイルス】

一見不可思議な地理的特徴は、HTLV-1が
太古の時代から受け継がれてきた
縄文人(日本や世界の先住民)のウイルス
であることを示しています。

東大人類学教室が1960年代に
アイヌの人々400人分の
血液で調べたところ
HTLV-1のキャリア率は
なんと45.2%だったそうです。

先住民の血と共に繋がれてきて
多くの場合は病気を発症させることもなく
赤ちゃんの頃から死ぬまで
一生を共にするウイルスです。

わたくしは最大の愛着を込めて
「縄文ウイルス」と呼んでいます。

【ウイルス怖い教の過ち】

それなのに、妊娠したら勝手に検査され
陽性となってキャリアと判断された妊婦さんは
医者の間違った説明により
重い十字架を背負わされることになります。

出産前から母乳育児を諦めねばならないだけではなく
自分自身がウイルス保有者であり
将来白血病になるかもしれないという
不安をずっと抱えることになるのです。
ひどい場合には家庭内不和につながるケースすらあります。

【縄文好きには羨望の的】

しかし、わたくしから見れば
今は希少で貴重な縄文ウイルスと共生し
太古の血を受け継いでいるキャリアの人は
羨望の的でしかありません。

縄文ウイルスは、将来的に白血病を発症するかどうか
だけの時限爆弾では決してありません。

検査で陽性だった場合には
自分自身に流れる縄文の血を
誇ってくださればいいのです。

ウイルス怖い教の医者が言うことなんて
軽く聞き流して、迷うことなく
母乳を飲ませてあげればいいのです。

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