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メールマガジン バックナンバー
『アタマ』さえてカラダきれる
アスピリンは1899年に
ドイツの製薬会社である
バイエル社から発売された薬剤ですが
同社からその前年に売り出された「薬」
があります。それがヘロインです。
サリチル酸をアセチル化したものが
アスピリン(アセチルサリチル酸)で
モルヒネをアセチル化すると
ヘロインになります。
【咳止めの薬として】
ヘロインという名前は
ドイツ語で「heroisch」
(英雄の・壮大な)という
単語から付けられており
ヒーローとかヒロインと同じ語源で
当初は強力な鎮咳作用を有する薬として
大いに期待されたそうですが
顕著な依存性や禁断症状や
身体的有害性があることが分かり
1910年には販売が禁止されました。
今では麻薬の中でも
最も危険なものとして
認識されています。
血液脳関門を通過して
脳を乗っ取るという凶悪さで
一時的な高揚感や快感が得られますが
長続きすることはなく
その反動により
長時間続く倦怠感や眠気や
身体症状に苛まれることになります。
【意識とドラッグ】
ところが
『ちちんぷいぷい』の回で出てきた
アンドルー・ワイル博士は
著書「チョコレートからヘロインまで」
の中で
「ハイな気分になりたいと願うことは
精神病の兆候でもないし、
現実から逃避したいという
不健康な欲求でもないのです。
意識を変えたいと欲するのは
ノーマルなことなのです」と述べ
「ナチュラル・マインド」という
著書では
「なぜドラッグの問題が
重要な意味を持つのかといえば、
それが『意識』と直接関係があるから
であり、ひいてはトータルな知的関心を
注ぐに足る唯一の問題であるからに
ほかならない。これは、全世界の
哲学と宗教の最大関心事である」
さらには
「一般的に、今日もてはやされている
非合法なドラッグは、医学的に
危険ではなく、少なくとも
現在広く使用されている
合法的なドラッグに比べた場合、
そう言える。たとえば、
酔いをうながす非合法的な薬物のうち、
医学的に害があるという点で
アルコールに匹敵するものはない」
そしてそして
「ヘロインを断つ時の主観的体験は、
ドラッグ自体の影響よりも、
セットとセッティングの結果が大きい。
安心できるセッティングで
適切な指示を受ければ、
実はちょっと風邪をひいた程度の不快感で、
ヘロインはやめる事ができる。
一日に70ドル分のヘロインを常用していた
男の禁断症状もこの程度だった」
とまで言うのです。
代替医療の第一人者であり
薬用植物の世界的権威でもあり
人間に本来備わっている
治癒力を引き出すための
統合医療を提唱し続けている
アンドルー・ワイル博士が
このような見解を持っていることは
非常に興味深いのですが
どのようなものであれ
ドラッグに頼るのは
避けるべきでしょう。
明日に続きます。