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メールマガジン バックナンバー
彼女が『アスピリン』を噛んだら
鎮痛・解熱に平坂製薬の
「ヘデクパウダー」
コーフパウダーよりも
こちらの方が主力商品で
子供の頃にはCMが
しょっちゅう流れていましたが
これが長崎ローカルだったとか
ヘデクが頭痛(Headache)のことだとか
知った時には
へぇボタンを30回くらい
押したくなりました。
最近ではカップヌードルの
御当地シリーズで
使われていたようです。
https://youtu.be/yzxY7V9w0NM?t=977
作りが雑ですが出演の3人が豪華過ぎて
全然OK!という感じになってますね。
【痛みを和らげ熱を下げる】
ヘデクパウダーには
アスピリンとアセトアミノフェンが含まれます。
どちらも解熱・鎮痛作用を有する薬剤ですが
アスピリンの方は今では
15歳未満の小児に対しては
原則「禁忌」となっているので
残念ながらヘデクパウダーは
子供の頭痛や歯痛や発熱には使えません。
【ライ症候群】
小児に通常使える解熱鎮痛剤は
現在アセトアミノフェンのみ
と言っていいのですけど
わたくしが医者になった
1996年には、それ以外の薬も
よく処方され使われていました。
研修医として勤務した総合病院で
いわゆる植物状態になって何年も
入院している高校生の女の子がいて
彼女の診断名が「ライ症候群」で
水痘(みずぼうそう)になった時に
アスピリン系の薬を飲んでしまったことで
そうなってしまったのでした。
ライ症候群についてWikipediaの説明を見ると
「インフルエンザや水痘などの感染後、
特にアスピリンを服用している小児に
急性脳症や肝臓の脂肪浸潤を引き起こし
生命にもかかわる原因不明で稀な病気である。
名前は研究者の人名に由来するもので
かつて、らい病(癩病)とも呼ばれた
ハンセン病とは全く異なる。」
となっています。
原因不明とはいえ
どういう状況で起こりやすいかは分かっているのです。
インフルエンザや水痘に限らずアスピリンを
小児の感染症に使うのは怖すぎるとのことで
小児には使われることが殆ど無くなった現在でも
年に数人はライ症候群と診断されるお子さんが
いらっしゃるようです。
ちなみに「川崎病」と診断が付いた場合は
心臓の合併症を予防するために
例外的に小児にもアスピリンが使われますし
本当に川崎病なのであれば、それも
やむをえないと思います。
【薬の副作用】
アセトアミノフェンであれば
小児にも安心して使えるか
と言えば必ずしもそうではなく
様々な副作用が起こるリスクはあるわけです。
しかし、それはどんな薬にも言えることで
あまりにも痛みがしんどいとか
熱が高くて辛い時には使ったっていいのです。
とはいえ、症状を止めるだけの薬を使う前に
できることが結構あったりしますから
それらを検討した方がいいですし
いざという時のために選択肢を増やしておくことです。
コロナで重症化したとか後遺症が残ったとかいう話も
ちらほら見かけたり聞いたりしますが
それはウイルスのせいではなく
使わなくてもいいのに使った薬のせいだったりは
しませんかね?