自然派ドクター 髙野弘之

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『雁字搦め』の離乳食

「あだ名」を付けることを
禁止する学校があるそうです。
付けられた「あだ名」によって
「いじめ」に繋がりかねないから
とのことです。

名字でしか呼び合ってはいけない
学校生活って楽しいでしょうか?

そんなことを学校や教師が
生徒に強要する必要は
ないでしょう。

いじめの「原因」は
あだ名ではありませんから。

一つの要素として
関与する可能性はありますけど。

人を傷付けるような言葉は
あだ名に限らず
避けたほうがよいと
教えて諭すべきですが
あだ名を禁止しても
いじめは無くならない。

ただでさえ
過度にウイルスに怯える風潮のせいで
マスクだ消毒だ行事の中止だと
制限や強要が増えている中で
さらに規則で雁字搦めにして
良いことがあるのでしょうか。

【雁字搦め(がんじがらめ)】

1.束縛が多くて不自由なこと
2.縄を幾重にも巻き付けて厳重に縛ること

【離乳食の進め方】

さて、話は離乳食のことになりますが
乳児健診で指導される離乳食の進め方や
普通の育児雑誌に載っている内容は
「型にハマってないとダメ」と
言わんばかりです。

「こうでなきゃ」ってパターンに
赤ちゃんや母親を縛り付ける必要は
ないのです。

【私は赤ちゃん】

昭和35年初版の
「私は赤ちゃん」
松田道雄著
という本があります。

松田先生は平成10年に
亡くなられていますが
伝説の小児科医であり
今でも書店には多数の
著書が置かれています。

その本の中に離乳食に関する記述があり
なかなか面白いので引用させて頂きます。

〜〜〜~以下引用~〜〜〜

パパを送ってバスの乗り場まで行った帰りに、
入口で隣の奥さんと顔を合わした。
奥さんはママに抱かれている私の顔を
のぞきこんでいった。
「何カ月になったの」
「もうすぐ半年なんですの」
ママがそう答えると奥さんは目をくるくるっとさせた。
この奥さんがそういう顔をすると
私にはろくなことが起こらない。
「五カ月になったらもう離乳よ。
あなた離乳はじめてる?
うちじゃ離乳で失敗しちゃったの。
離乳ってシンチョウにやらないとだめよ。
とてもむつかしいんだから」
またヘンな予言をしたなぁ。
どうしてこの奥さんは、
他人を指導したがるのかしら。
本人は親切のつもりなんだから
よけい始末が悪い。
ボス的性格とでも言うんだろう。
「失敗って、どんなでしたの」
ママは、たちまち術中に
おちいって心配そうにきいた。
「消化不良起こして二カ月ほど
注射に通ってやっと直ったわ、
その注射の針の太かったこと」
それを怪談でも話すような
深刻な顔をしていうものだから
ママはすっかりおじけづいてしまった。
家へ帰ると早速、婦人雑誌の付録に
ついていた「育児のしおり」とかいう本を
ひっぱり出して勉強をはじめた。
何だかばかにむつかしいことが書いてあるらしい。
ママは何度も何度も読みかえしている。
しまいには声を出して読みはじめた。
「エーと。離乳食には
基本食と代替食と変化食とありーか。
基本食とは穀粉をミルクでといたものをいい、
代替食とは卵黄ガユ、ミソガユ、
パンガユ、小麦ガユなどの総称で、
変化食とは、さらにこれに
果汁または卵黄を加えたもので、
基本食の調理法は穀粉十五グラムに
砂糖三グラムに食塩0.2グラムを混じて
ナベに入れこれに牛乳100ccを加えて火にかけーか」
ああ聞いていても頭がいたい。
離乳って、そんなにむつかしいものかしら。
もし、そんなむつかしい調理法を知らないで、
いい加減にやったら、隣の奥さんのように
「失敗」をやらかして「消化不良」を
起こして死ぬとすれば、人類は地球上に
二十億も繁殖するわけがないじゃないか。
アフリカの奥地でも、北極でも
みんな離乳をやっている。
それが「消化不良」をおこしたら
どうなるんだろう。
日本みたいに医者がありあまって、
電車の駅の壁が医院の広告で
うまっているのでないところでは、
どこでも太い針の注射を
やってもらえないから、みんな
死んじゃうことになる。
それならどうして二十億も人間がいるかしら。

~〜〜〜引用終了~〜〜〜

昭和35年には全世界の人口が20億くらい
だったというのも軽い衝撃ですが
その時代から
食べなくてもいい時期に食べさせて
親に無駄な労力を使わせ
赤ちゃんに負担を加えて
体調を崩させ不要な治療に繋がっていた
ということに驚かされます。
戦争に負ける前の日本は
こんなではなかったはずなのですが。

日本人の「いにしえ」の智恵に学び
赤ちゃんの本能に任せていくと
シンプルで楽ですよ。

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