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栄養『泥棒』は誰か
『人類にとって最大の攻撃は
乳幼児期の栄養の供給を
奪うことだと私は思う。
子供を最初から
つまづかせてしまうのだ。
当然の権利を剥ぎ取られる(中略)
現在薬局に溢れている哺乳瓶や
ベビーフードは退化の証しだ(中略)
子供たちを人身御供にしていいのだろうか』
エフェラム・カッター 1881年2月
【人身御供】〔ひとみごくう〕
①いけにえとして神にそなえられる人。
②人の欲望を満たすために犠牲となること。
【栄養を奪い脳を壊す】
最初に引用したのは
2002年に日本語版が出ている
キャロル・サイモンタッチ著
『クレージー・メーカー
脳を壊す食品をなぜ作るのか』
という本に出てくる
140年近く前の米国の学者さんの言葉です。
【自然派を志向したきっかけ】
いわゆる自然派と呼ばれる
現在の方向性は
離島で医者をやっていて
自然豊かな環境の中で暮らしているのに
病院が忙しいのは何故なのか?という
疑問を抱いたことに端を発しているのですが
本当の最初の契機は
「母乳とミルクの話」と
それに関係が深い『HTLV-1』
というウイルスの存在なのでした。
HTLV-1は
『縄文ウイルス』という愛称があり
(そう呼んでいるのは自分だけですが笑)
わたくしウイルスの中で一番好きなのです。
しかし一般的には人類の敵とみなされています。
縄文ウイルスの話は
そのうち、ゆっくりしたいと思います。
【母乳育児に関心を持った理由】
医学生時代には
母乳の利点なんて
詳しく教わらないので
赤ちゃんの飲み物は
母乳でもミルクでも同等だ
くらいの印象しかありませんでした。
医者になってもそう思っている人の方が多い。
わたしも暫くはそうでした。
研修医時代の新生児室の小児科の先生が
母乳育児にかなり熱心な先生で
母乳について色々と教わったのですが
その先生の存在だけでは
それほど母乳育児に対しての関心は
深まらなかったと思われます。
その先生の元で研修をした医者は大勢いますが
その考え方を受け継ぎ母乳育児を推進する
熱意を持っている者は極く少数です。
わたしが、どちらかというと
その少数派になった理由は
病院付属の看護学校の学生だった
今の奥さんが助産婦志望で
その先生の熱烈なファン
だったからです(笑)
当時、母乳は1歳頃までに
止めないといけないものだ
と漠然と思っていたので
なにげなく
「母乳っていつ頃まで飲んでていいの?」
と聞いた際に
「いつまででも飲んでていいんじゃない?」
と答えられてメカラウロコが
ボロボロッと落ちたのを
今でもよく覚えています。
【ミルクやベビーフードも必要ですが】
その後は
強硬な母乳推進派だった時期も
あったりするのですけど
様々なことを勘案して
現在思うのは
ミルクじゃダメなわけではないのです。
ベビーフードを買ってきて
食べることがあってもいい。
病院での管理分娩がダメなわけでもない。
それを「過剰適応」しすぎるという
現代医学全体に通底する宿痾
が問題なのです。
メガネが必要な人は大勢いますが
メガネはかけないで済むほうがいい。
かといってメガネを使うことを
負い目に感じる必要はないですよね?
メガネが無い時代の人は
どうやって生活していたのだろうと
思うくらい便利な道具です。
目が良いから裸眼で生活できるんだ!と
いう人がいたとして
うらやましいとは思うかもしれませんが
何エラそうに自慢してんだ!とか
思わないですよね?
この例え話、なんとなく通じますかね?笑
自宅で家族に見守られながら生まれたい。
できたら母乳で育ちたい。
親族郎党に囲まれて畳の上で死にたい。
昔の日本では簡単に出来ていたことが
現在では
相当難しいことになってしまっています。
無駄な介入を減らし
人間らしい生活を少しでも維持したり
取り戻したりしたいだけなのです。
母乳の良さを語るのは
『母乳神話』ではない。
『牛乳神話』を少しでも
是正したいだけなのです。