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メールマガジン バックナンバー
西蓮寺です。
『借りた傘 雨がやんだら 邪魔になる』
お盆です。お盆といえば亡き方・先祖を偲びお墓参りし仏さまに手を合わす時期
との認識が一般でしょう。尊い事ですが本来、ご恩を思い手を合わすのに時期は無く
一年中であるべきでしょう。その意味では一年中お盆です。
しぶとい私は忙しいを理由に、普段は中々胸の前に両手を合わせる事が出来ていないので
お盆は「強化週間」であろうと受け止めております。
「ああ、やれやれ。これで安心、また来年。」では困るわけです。
困るのは先祖さまではなくて、350日煩悩に引きずられ「われを忘れる」わたしが困るのです。
外に出たらドシャ降りの雨。「どうぞこの傘お使いください、いえ、返されるのはいつでも」
「ありがとうございます、助かります。スミマセン」
・・・と、電車に乗ってるうちに雨は止みました。
「ああ、止んだか良かった。・・・この傘持ち歩くのか・・。面倒だな。
返しにも行かないといけない・・・面倒だな。」
『忘恩の時代』と大きく言われなくても、普段のわたしの心根(こころね)は
お恥かしいかぎりです。勝手勝手、都合のいい時だけ有難くしているようでも
チョットだけ都合が悪くなるとすべて吹っ飛んで、かえってそれを邪魔に・・。
ご用心、ご用心。
そんなわたしを心配してくださってある方々数限りなくいて下さってある事を思う「お盆」です。
目に見えるものだけに支えられている「わたし」ではありません。
時節、ご自愛念じ申し上げます。
西蓮寺 住職 栗山知浩 拝