mail magazine backnumber
メールマガジン バックナンバー
【全3回シリーズ・第3話/最終回】 部屋をきれいにして、 空気を汚していたら何してるん?
こんにちは。
Akiクリーンサービスの小谷です。
「掃除したての香りとナノ粒子」
全3回シリーズ。
いよいよ最終回です。
第1話では、
「いい香り=きれいな空気とは限らない」
第2話では、
香り付き清掃用品を使った掃除によって、
条件次第では、
数十億〜数兆個規模のナノ粒子が生成されることがある。
そして、
その多くが非常に小さく、
呼吸器の奥深くまで到達する可能性がある。
そんな研究をご紹介しました。
そして今日は、
一番大切な話です。
「じゃあ僕たちは、どうすればいいの?」
という話です。
ここまで読んで、
「小谷さん……
もう怖くて掃除できません」
という方。
待ってください。
掃除してください(笑)
研究者も、
「掃除するな」
とは言っていません。
掃除によって、
表面のウイルスや細菌、汚れを取り除くことは大切です。
問題は、
「掃除するか、しないか」
ではありません。
何を使うのか。
どう使うのか。
そして、
そのとき空気の中で何が起きる可能性があるのか。
そこまで知っておこう。
という話なんです。
■ もう一度「なぜ危険なのか」を整理します
今回の研究で起きていたことを、
ものすごく簡単にすると、
香り付き清掃用品を使う。
↓
リモネンやピネンなどの成分が、
室内の空気中に放出される。
↓
それが、
室内に存在するオゾンなどと反応する。
↓
非常に小さなナノ粒子が生成される。
↓
その一部は、
呼吸によって体内に入り、
呼吸器の奥深くまで到達する可能性がある。
という流れです。
しかも、
これが何時間もかかって起きる話ではありません。
研究では、
粒子の形成と成長は、
わずか数分で起こりました。
つまり、
「掃除が終わったら換気しよう」
と思っているころには、
すでに掃除中から、
空気の中では反応が始まっている可能性がある。
ここは、
かなり大事だと思います。
■ しかも「いい匂い」がする
僕が今回の研究で、
一番怖いと思ったのは、
実は「数兆個」という数字ではありません。
ナノメートルという、
とんでもなく小さなサイズでもありません。
僕が一番怖いと思ったのは、
人間が
「きれいになった!」
と思っているときに、
起きている可能性があることです。
煙が出た。
逃げます。
刺激臭がした。
窓を開けます。
目が痛い。
「これはアカン!」
となります。
じゃあ、
レモンのいい香りがしたら?
「う〜ん♡爽やか」
……。
窓、
閉めるかもしれません(笑)
ここなんです。
人間の感覚と、
実際に空気の中で起きていることが、
必ずしも一致するとは限らない。
鼻は、
「本日の清掃、無事終了しました!」
と報告している。
でも空気中では、
「いや、こっちはまだ化学反応中ですけど」
となっているかもしれない。
鼻よ。
勝手に現場を締めるな(笑)
でも、
だからこそ、
「知っている」ということが大切なんだと思います。
■ では、どうすればいいのか?
研究者たちは、
かなり現実的な方法を提案しています。
高額な装置を買え。
家中の洗剤を全部捨てろ。
山奥に引っ越せ。
ではありません(笑)
今日からできることです。
【1.香りの弱い製品、無香料の製品を選ぶ】
「香りが強いほど、掃除できている感じがする」
一度、
これを疑ってみてもいいかもしれません。
レモンの香りが強いからといって、
油汚れが
「参りました!」
と土下座して逃げていくわけではありません(笑)
香りと洗浄力は、
同じ話ではありません。
そして、
香りと空気のきれいさも、
同じではありません。
【2.香り付き製品を何種類も同時に使わない】
キッチンはレモン。
トイレはラベンダー。
玄関はフローラル。
リビングは森林。
寝室は南国。
……。
家の中、
何ヶ国あるん(笑)
香りを重ねれば重ねるほど、
家が清潔になるわけではありません。
研究者らは、
一度の清掃で複数の香り付き製品を使用することを避けるよう勧めています。
【3.換気する】
窓を開ける。
換気扇を回す。
……。
以上。
地味です(笑)
ここまで、
ナノ粒子。
テルペン。
オゾン。
超微粒子。
呼吸器。
ものすごく科学的な話をしてきて、
最後に出てくる対策が、
「窓、開けよ。」
僕、
こういうの好きです(笑)
でも、
これは非常に大切です。
空気中に出た物質を、
室内にため込まない。
高価な機械の前に、
まず換気。
窓。
強いです。
電源不要。
Wi-Fi不要。
月額料金ゼロ。
アップデートもなし(笑)
【4.オゾンを発生させる可能性のある機器と、香り付き清掃用品を同時に使わない】
ここは、
かなり重要です。
今回の研究では、
オゾン濃度が上がり、
そこに高濃度のテルペンが存在すると、
ナノ粒子の生成がさらに活発になりました。
つまり、
「除菌もしたい!」
「消臭もしたい!」
「いい香りにもしたい!」
「空気もきれいにしたい!」
「全部いっぺんにやったれ!」
となると、
場合によっては、
空気中で
「化学反応オールスター感謝祭」
が始まる可能性があります(笑)
本人は掃除中。
空気中は実験室。
これは避けたいですよね。
■ 「天然だから安心」とも限らない
そして、
もう一つ。
今回の研究で僕が重要だと思ったのが、
一般的な香り付き清掃用品だけではなく、
植物由来の精油を使った製品についても調べられていることです。
僕たちは、
「天然」
「植物由来」
「精油」
と書いてあると、
なんとなく安心します。
僕も、
その気持ちは分かります。
でも、
天然=何も反応しない
ではありません。
自然界に存在するテルペンも、
条件によってはオゾンと反応します。
だから、
「化学成分だから全部悪い」
「天然だから全部安全」
そんな単純な二択ではなく、
何が入っていて、
室内でどう使われ、
空気中で何と反応するのか。
そこを見る必要があるんだと思います。
■ 掃除屋として考えさせられました
僕は掃除屋です。
当然、
汚れを落とすのが仕事です。
水アカを落とす。
油を落とす。
ホコリを取る。
カビや汚れをきれいにする。
でも、
今回の研究を読んで、
改めて思いました。
見える汚れだけを見ていたら、
それで本当に100点なんだろうか?
床はピカピカ。
でも、
空気は?
エアコンはピカピカ。
でも、
何で洗った?
部屋はいい香り。
でも、
その香りは何から出ている?
掃除したあと、
そこには家族がいます。
子どもがいます。
ペットがいます。
そして、
何時間も、
その部屋の空気を吸います。
だから僕は、
「どれだけ汚れが落ちるか」
だけではなく、
「何を使って掃除するか」
まで考えたい。
■ Akiクリーンサービスが大切にしていること
Akiクリーンサービスでは、
化学薬品を使わず、
高エネルギー重曹を使って清掃しています。
ここで誤解してほしくないので、
もう一度書きます。
今回の研究が、
「高エネルギー重曹が安全です」
「重曹を使えばナノ粒子が出ません」
と証明したわけではありません。
そこは、
今回の研究とは別の話です。
勝手に研究の最後に
「ということでAkiクリーンサービスへ!」
と付けたら、
もはや研究論文ではなく、
通販番組です(笑)
でも、
僕自身がずっと大切にしている、
「何で掃除するか」
「掃除したあと、そこに何を残すのか」
「その場所で家族がどんな空気を吸うのか」
という考え方。
今回の研究を読んで、
これはやっぱり大切な視点だと思いました。
■ 「掃除した匂いがしない」という価値
Akiクリーンサービスで掃除をしても、
強烈なレモンの香り。
フローラル。
森林。
南国。
……。
残りません(笑)
以前なら、
「掃除した感、弱っ!」
と思われたかもしれません。
でも今回、
研究者の言葉で、
僕が一番印象に残ったものがあります。
「きれいな空気は、本来ほとんど何の匂いもしない。」
これを読んだとき、
僕はちょっと嬉しくなりました。
掃除したのに、
「掃除した匂い」がしない。
それ、
もしかしたら、
褒め言葉なのかもしれません。
ピカピカなのに、
洗剤臭がしない。
掃除したのに、
香りで
「僕、掃除しました!!」
と主張してこない。
掃除、
謙虚(笑)
でも、
僕はそれくらいが、
ちょうどいいと思っています。
■ 最後に
今回、
3回にわたって、
香り付き清掃用品とナノ粒子について書きました。
僕が伝えたかったのは、
「洗剤は怖い」
ではありません。
怖がることより、
知ること。
そして、
選ぶこと。
だと思っています。
これまで何となく、
「いい匂いだから清潔」
と思っていた。
でも次に洗剤を手に取ったとき、
ほんの一瞬だけ、
こう考えてみる。
「これで汚れは落ちる。
でも、
そのとき空気はどうなるんやろ?」
それだけでも、
十分だと思います。
汚れだけを見る掃除から、
そのあと家族が吸う
「空気」まで考える掃除へ。
僕自身も、
掃除屋として、
もっと勉強していきたいと思います。
そして、
最後にもう一度。
掃除はしてくださいね(笑)
3回にわたって読んでいただき、
ありがとうございました。
空気を整える暮らし通信
小谷明生