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【全3回シリーズ・第2話】 掃除したら「数兆個」って、どういうこと?
こんにちは。
Akiクリーンサービスの小谷です。
前回、
「掃除したてのいい香り」
について、
ちょっと笑えない研究を紹介しました。
香り付きの清掃用品から空気中に出た成分が、
室内のオゾンなどと反応すると、
非常に小さな「ナノ粒子」が生成されることがある。
しかも、
わずか数分で。
第1話では、
ここまでお話ししました。
そして今回は、
もう少し踏み込みます。
先に言っておきます。
今回、
数字がなかなかエグいです(笑)
■ 普通に掃除しただけなんです
床をモップで掃除する。
カウンターに清掃剤をシュッ。
そのあと、
サッサッと拭く。
……。
普通ですよね。
僕も掃除屋なので、
何千回と見てきた光景です。
ところが今回紹介した研究では、
こうした日常的な清掃によって、
製品や条件によっては、
数十億〜数兆個規模の粒子が生成されたと報告されています。
数兆個。
……。
ちょっと待って。
誰が数えたん(笑)
僕なら途中で、
「もう、いっぱい!」
で提出します。
科学者、
根性が違います。
でも、
笑っていられるのはここまでです。
■ その多くが「1〜30ナノメートル程度」
ナノメートル。
聞き慣れない単位ですよね。
1ナノメートルは、
1ミリメートルの100万分の1。
つまり、
「目を凝らせば見える」
という話ではありません。
目を細めても、
メガネをかけても、
虫眼鏡を持ってきても、
「そういう問題ちゃうねん」
という小ささです(笑)
研究で確認された粒子の多くは、
直径1〜30ナノメートル程度。
そして、
あまりにも小さいため、
一般的な家庭用の空気質モニターでは、
検出範囲から外れる場合もあるとされています。
これ、
かなり重要だと思うんです。
煙なし。
ホコリなし。
もやなし。
警報なし。
そして……
いい匂い。
見た目だけなら、
完全に優等生です(笑)
だからこそ、
気づきにくい。
■ なぜ「小さい」ことが問題なのか?
ここからが、
今回一番大切なところです。
僕たちは「粒子」と聞くと、
大きい方が怖そうに感じます。
でも、
呼吸する空気の話になると、
粒子が非常に小さいことには、
別の意味があります。
研究記事では、
超微粒子は呼吸器のさまざまな場所に沈着し、
肺の深い領域まで到達する可能性があると説明されています。
さらに、
こうした非常に小さな粒子については、
呼吸器への刺激や炎症との関係、
一部が血流へ移行する可能性についても研究されています。
ただし、
ここは大切なので、
かなりハッキリ書いておきます。
今回の研究だけで、
「この洗剤を使ったら病気になる」
と証明されたわけではありません。
そこまで話を飛ばしてしまうと、
科学ではなく、
ただの恐怖新聞になります(笑)
でも逆に、
「病気になると証明されてないから気にしなくていい」
という話でもないと思います。
今回確認されている重要なポイントは、
掃除中に、
非常に小さな粒子が室内で生成される場合がある。
そして、
僕たちは呼吸をしている以上、
それを吸い込む可能性がある。
だから、
研究者たちは人への曝露を減らす必要性を指摘している。
ということです。
■ さらに僕が驚いた比較があります
研究では条件によって、
清掃中に呼吸によって取り込む粒子の量が、
交通量の多い道路のそばにいる場合と同程度、
あるいはそれ以上になるケースも報告されています。
ここも、
ものすごく大事なので補足します。
「清掃用品=自動車の排気ガス」
という意味ではありません。
粒子の化学的な組成は違います。
比較されているのは、
主に
「吸い込む粒子の量」
です。
それでも僕は、
この部分を読んで、
一回スマホを置きました。
……。
いや、
掃除してるんですよ?(笑)
排気ガスを浴びに行ってるんちゃいます。
家族が過ごす部屋を、
きれいにしようとしているんです。
その行為の最中に、
空気の中では、
人間の目には見えない別のことが起きている可能性がある。
掃除を仕事にしている僕には、
これはかなり大きな話でした。
■ 「汚れが落ちた」だけで100点なのか?
僕ら掃除屋は、
どうしても結果を目で確認します。
水アカが消えた。
油汚れが落ちた。
床が光った。
ピカーン!
よし!
仕事した!
帰ろう!
……。
いや待て(笑)
そのとき、
空気はどうなってる?
今回の研究を読んで、
僕は改めてそこを考えました。
掃除用品を使えば、
その成分がすべて雑巾の中に入って、
「はい終了」
ではありません。
揮発性の成分の一部は、
空気中へ移動します。
そして、
室内に存在する別の物質と反応することもある。
だから、
「何を落としたか」
だけではなく、
「何を使って落としたか」
ここまで考える必要があるんじゃないかと思います。
■ 僕が一番怖いと思うのは「見えないこと」
煙なら、
逃げます。
刺激臭がしたら、
窓を開けます。
目が痛くなったら、
「これはアカン」
と気づきます。
でも今回の話は、
そうじゃない。
見えない。
そして、
場合によっては
「いい香り」がしている。
人間の感覚としては、
「危険かもしれないから離れよう」
ではなく、
「う〜ん、爽やか♡」
になる可能性がある。
ここが、
僕は一番気になります。
鼻、
完全に油断してます(笑)
■ だから僕は「何で掃除するか」を考えたい
Akiクリーンサービスでは、
化学薬品を使わず、
高エネルギー重曹を使って清掃しています。
僕自身、
「汚れが落ちるか」
だけではなく、
掃除したあと、
そこで家族が何時間も過ごす。
その空間で、
何を吸うのか。
そこまで考えて、
清掃したいと思っているからです。
ただし、
今回紹介している研究が、
「だから高エネルギー重曹を使いましょう!」
と結論づけているわけではありません。
そこは、
きちんと分けておきます。
勝手に研究結果を書き換えたら、
アメリカ化学会から、
「小谷、
話を盛るな。」
と言われます(笑)
研究は研究。
僕の清掃方針は、
僕の清掃方針。
でも、
今回の研究が問いかけている
「掃除と室内空気の関係」
これは、
僕がこれまで大切にしてきたことと、
かなり重なります。
そして、
第3話。
ここが一番大切です。
じゃあ、
僕たちはどうすればいいのか?
洗剤を全部捨てる?
掃除をやめる?
家に入るとき、
防毒マスクを装着する?
……。
違います(笑)
研究者たちは、
もっと現実的な方法を提案しています。
香りの弱いものや無香料のものを選ぶ。
複数の香り付き製品を一度に使わない。
そして、
換気する。
最先端の科学研究を読み進めて、
最後に出てくるのが、
「窓、開けよ。」
なんか好きです(笑)
でも、
シンプルだからこそ、
大切なんだと思います。
次回、
【全3回シリーズ・最終回】
「部屋をきれいにして、空気を汚していたら何してるん?」
掃除するときに、
僕たちが今日からできること。
そして、
僕がこの研究を読んで、
一番怖いと思ったこと。
最後にそこまで、
しっかり書きます。
空気を整える暮らし通信
小谷明生