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「うつ病は心が弱いから」——そろそろ、その考えのほうを疑ったほうがいい
こんにちは
Akiクリーンサービスの小谷です
先日、SNSを見ていて
思わず手が止まりました
「うつ病の発症に、ウイルスが関係している可能性がある」
という研究です
僕の第一声は、
「えっ、ウイルス?」
でした
風邪でもない
インフルエンザでもない
うつ病の話です
これはさすがに気になりました
そこで少し調べてみると
研究しているのは東京慈恵会医科大学の近藤一博教授らのグループ
注目されているのが
ヒトヘルペスウイルス6
HHV-6
というウイルスです
名前だけ聞くと
なかなか強そうです(笑)
ラスボス感があります
ところが、このHHV-6
決して珍しいウイルスではありません
子どもの突発性発疹の原因として知られ
多くの人が幼少期に感染し、その後も体内に潜伏するとされています
そして研究グループが注目したのが
HHV-6が持つ
「SITH-1」
という遺伝子です
SITH
そうです
スター・ウォーズの「シス」です
スター・ウォーズの
「シス」から付けられたそうです
研究者の遊び心でしょうか(笑)
うつ病の研究を読んでいたら
突然スター・ウォーズが出てきました
医学論文なのか
銀河帝国なのか
一瞬わからなくなります(笑)
でも、研究内容はかなり興味深い
2020年に報じられた研究では
うつ病患者では
SITH-1タンパク質に対する抗体が高い割合で確認され
この反応を持つ人では
うつ病との強い関連が示されたと報告されています
さらに2024年には
SITH-1遺伝子の中に
うつ病を誘発しやすいと考えられる特定の変異が見つかり
そのタイプのウイルスを持つ人では
そうでない人と比べて
うつ病の発症リスクがおよそ5倍だった
という研究も報じられています
ここは非常に大切なので
はっきり書いておきます
これは
「うつ病の原因はウイルスだった」
と確定した話ではありません
うつ病は今も
遺伝
生活環境
ストレス
脳機能
身体的要因
いろいろなものが複雑に絡み合って発症すると考えられています
ですから
「全部ウイルスのせいでした」
というほど
人間の身体は単純ではありません
ただ僕は、この研究を読んで
別のところに強く引っかかりました
それは
「うつ病は心が弱い人がなる」
という昔からある考え方です
これ、本当にそろそろやめたほうがいいと思うんです
「もっと前向きに考えたら?」
「気持ちの持ちようじゃない?」
「そんなに考え込まなくても」
悪気なく言っている人も多いと思います
でも
気持ちの持ちようだけで治るなら
精神科より先に
松岡修造さんを全国に配置すれば解決です(笑)
そんな簡単な話ではないんですよね
身体の中では
免疫が動いている
神経が働いている
ホルモンが動いている
脳が働いている
腸内環境もある
代謝もある
そして体内には
たくさんの微生物やウイルスも存在しています
人間は
「心」と「身体」という二つの箱に分けて生きているわけではありません
全部つながっています
ところが僕たちは昔から
身体に症状が出たら
「身体の病気」
気分が落ち込んだら
「心の問題」
と、ずいぶん簡単に分けてきました
でも、そんなに都合よく
人間の身体に仕切り板は入っていません
最近では
うつ病についても
ウイルスだけでなく
炎症
免疫
代謝物
神経伝達物質
さまざまな角度から研究されています
2026年には
国立精神・神経医療研究センターから
脳脊髄液中の「エタノールアミン」と
うつ病との関連についての研究も発表されています
つまり医学は今
「心の病気だから、心だけを見ましょう」
ではなく
「身体の中で何が起きているのか」
というところまで
どんどん深く入っているわけです
僕はここがものすごく面白いと思っています
そして同時に
少し怖くもあります
なぜなら
人間は分かっているつもりになっていることが多すぎるからです
昨日まで常識だったことが
10年後には
「それ、違いました」
となることなんて普通にあります
医学の世界でもあります
栄養の世界でもあります
健康の常識でもあります
それなのに人間は
一度覚えたことを
ものすごく大事に握りしめます
なかなか手放しません
スマートフォンなら
毎年アップデートするのに
自分の常識は30年前のままです(笑)
僕も含めてです
「昔からそう言われているから」
という理由だけで
物事を決めないようにしたいですね
今回のうつ病研究も同じです
ウイルスだけが原因ではない
でも
ウイルスが関係している可能性が研究されている
免疫も研究されている
炎症も研究されている
代謝も研究されている
だったら
「心が弱いから」
なんて一言で片付けるほうが
よほど乱暴ではないでしょうか
人間の身体は
そんなに単純ではありません
そして
まだ分かっていないことのほうが
圧倒的に多い
僕は51歳になって
この「分からない」ということを
以前より面白いと思うようになりました
若い頃は
答えが欲しかった
でも今は
答えが変わることのほうが面白い
そう思っています
今回の研究が
これからどう進んでいくのか
数年後には
また違うことが分かっているかもしれません
それでいいと思うんです
科学というのは
「絶対に正しい答えを発表する場所」ではなく
分からないことを
少しずつ分かるようにしていく営みです
だからこそ面白い
そして僕たちも
昔の常識を
たまには疑ってみてもいい
特に
「心が弱いから病気になる」
こんな雑な言葉は
そろそろ令和に置いていきませんか
人間は
気合いだけで動いているわけではありません
根性だけで健康になるわけでもありません
身体の中では
僕らが寝ている間も
とんでもなく複雑なことが起きています
そう考えると
自分の身体を見る目も
人を見る目も
少し変わる気がします
それにしても
うつ病の研究から
スター・ウォーズのSITHにたどり着くとは思いませんでした
医学の世界
やっぱり面白いですね(笑)
空気を整える暮らし通信 小谷明生