かむ達の雫

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その味噌、本当に“発酵”していますか?

毎日飲んでいる味噌汁。
その味噌汁に使っている味噌は本物ですか?

実は、同じ“味噌”でも中身はまったく別物の場合があります。

昔ながらの味噌は、木桶で仕込み、季節の温度変化の中でゆっくり1年、時には2年以上かけて熟成させます。
そこには麹菌、乳酸菌、酵母が共存し、時間とともにアミノ酸や有機酸、さまざまな代謝物が生まれます。
1300年以上の歴史を持つ味噌。
私はこれを「菌が育てた食べ物」だと思っています。

木桶は杉や檜で作られていて、
完全な密閉ではなく、わずかに呼吸しています。

ほんの少し空気や湿気を調整してくれる。
だから発酵がゆっくり、穏やかに進む。
人工的にコントロールするのではなく、自然のリズムに任せる発酵です。

長年使われた桶や蔵には、その場所に住みついた微生物がいます。
この「蔵付き菌」が味噌に個性を与えます。

同じ材料でも、蔵が違えば味が違う。
それは菌の“文化”が違うから。
まさにその土地の味噌になる。

木桶仕込みは基本的に長期熟成。
時間をかけることで、アミノ酸が増え、、旨味が深まり、角が取れて丸くなります。
ここで味噌が“若い”から“円熟”へと育つ。

一方、スーパーに並ぶ多くの味噌は、ステンレスタンクで温度管理され、短期間で仕上げられます。
中には出荷前に加熱され、発酵菌がほぼ失活しているものもあります。
保存のために「酒精」、旨味調整のために「調味料(アミノ酸等)」が使われていることもあります。

なので、“発酵食品”としての力は大きく違うのです。

私たちの腸は、菌の多様性で成り立っています。
ゆっくり熟成した味噌には、目に見えない菌の営みと、その代謝物がたっぷり含まれています。
そして、生命維持に欠かせない必須アミノ酸9種類全て揃っています。

たとえ加熱で菌が死んでも、その代謝物はタンパク質として腸内細菌のエサになります。
だからこそ私は、味噌を「日本人の腸の土台」だと思っています。

戦国時代、武士たちは味噌を兵糧として持ち歩きました。
塩分と植物性たんぱく質、そして発酵の力。
それは単なる保存食ではなく、“命を支える食”だったのです。

効率やコストを優先した食品が増えた今、
私たちは知らないうちに“発酵していない発酵食品”を選んでいるかもしれません。

もし味噌を選ぶなら、
原材料が「大豆・麹・塩」だけのもの。
できれば天然醸造と書かれているものを。
そして本物の味噌は生きています。
冷蔵されて売られているのは本物です。

味噌汁は、ただのスープではありません。
それは、日本の風土と菌と時間が育てた文化です。

あなたの一杯が、腸を整え、免疫を整え、心を整える一杯になりますように。
食から菌を元気にしてあげあげてください❣️

渡邉裕佳子

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