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立春コラム「今、向きを変えてもいい」そんな合図

明けましておめでとうございます。

少し遅いようでいて、実は今日こそが
「本当の年明け」なのかもしれません。

二十四節気では、一年の始まりは「立春」。

旧暦でも、2月は「明けまして」の月でした。

今年は、2月3日の節分を越えて、2月4日から立春。

今週は真冬の寒さが続いていますが、暦の上では、もう「春」です。

ただし、立春は春が始まった日ではありません。

春に向かい始めた日。

ここが、とても大切なところです。



冬至を過ぎると、太陽の力そのものは、すでに少しずつ戻り始めています。

けれど地球には放射冷却があり、太陽のスイッチが入ってからいちばん冷えきるのは、そこから約2か月後。


だから、2月が一番寒い。


つまり立春とは、「変わったと理解する日」ではなく、
変わり始めたことを、ようやく実感し始める地点なのです。

旧暦で、この2月を一年の始まりに置いた理由も
きっとそこにあったのでしょう。

人は、特に日本人は、「頭でわかること」よりも
「身体や心で感じられること」を大切にしてきた民族なのだと思います。


私たちが大切にしている変化も、まさに、この順番で起きていきます。


まず、目に見えない意識が切り替わり、

少し遅れて、現実が動き出し、それを身体で実感していく。

この「時間差」こそが、ときに、いちばん忍耐を試されるところなのかもしれません。



立春は、「春ですよ」と宣言される日ではありません。

「あ、もう明けたんだ」
「ここから、少しずつ暖かくなるんだ」

と、心と身体が、ようやく追いつき始める日。


けれど、その最初に訪れる変化は、必ずしも穏やかとは限りません。


「春一番」は、人生に吹く風と同じ。

ときに海を荒らし、強く、激しく吹きます。

それは、自分ではもう手放せなくなっていた葉を落とし、芽吹きの準備をするための風。


・役目を終えた価値観

・無理をして守ってきた役割

・「こうあるべき」という古い自分


やさしい風では、なかなか手放せないものもあります。

人生に吹く強い風は、壊すためではなく、新しい芽を出すために吹いている。



まだ寒い中で聞こえる「春告鳥(はるつげどり)」
ウグイスの初音も、

「もう始まっているよ」

と、静かに教えてくれます。

変化は、派手な形ではやってきません。

「なんだか違う」
「このままじゃない気がする」

そんな小さな違和感こそ、人生の初音なのかもしれません。


春の雪解けも、一気には進まないものです

昼に解け、夜に凍り、
それを何度も繰り返しながら、少しずつ大地が現れていきます。

長く心に積もっていたものが解け始めると、

抑えていた感情や、閉じ込めていた喜び、
本当の自分の声が、少しずつ顔を出します。



だから、もし今、

まだ動けなくても、
まだ決められなくても、
まだ怖さがあっても、

それでいい。

雪解けは、もう始まっている、

そして、
人生は、いつからでもやり直せる。

立春は、その「向きを変えていい」という最初の合図なのかもしれません。


旧暦で年が明ける、この立春が、皆さまにとって、実感を伴って、心がほどけていく時間となりますように。



【後書き】

太宰府に左遷された菅原道真が詠んだ歌には、
「離れても、春を忘れるな」という祈りが込められていました。

冷たい出来事の中にいても、孤独や喪失の中にいても
春は、ちゃんと準備されている。


とても深い歌ですよね!


私自身も「もっと早く進んでほしい」と焦りが顔を出すことがあります。

でも、そんなときこそ、「待つこと」

そんな感覚を信頼する時間なのだと感じています。

今、あなたの人生の中にも
春に向かい始めた感覚はありますか。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。 大樹

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